確認してみたら、Momo Natural(モモナチュラル)とPIENIKOTI(ピエニコティ)の学習机というかデスクについては前のブログのほうで紹介したっきりで、こちらに移転してからはちゃんと紹介しておりませんでした。なので改めて紹介したいと思います。
モモナチュラルは岡山県に本社を置く脇木工という木工家具メーカーが運営している家具販売店です。また、ピエニコティはそのキッズ家具部門という位置付けのようです。現在、ピエニコティ全9店舗はすべてモモナチュラル(同じく9店舗)に併設というかたちで運営されています。
もともと家具メーカーというものは家具販売店との繋がりが深く、そのため家具販売店がメーカーに作らせてオリジナルの家具を販売することはあっても、メーカーが直接販売に乗り出すということはほとんどありませんでした。モモナチュラルはそういう市場環境にあって、この規模では割りと珍しい存在と言えるでしょう。
ちなみに、他にメーカーを出自とする家具製造小売店には、カリモク60や、マルイチセーリングから独立したバルスのFrancfranc(フランフラン)などがあります。しかしながら、カリモク家具の場合は製造卸と小売りの2本立てですし、フランフランは自社製造の家具を販売しているわけではありません。つまりモモナチュラルは製造直販一本での特殊な成功モデルと言えるのです。
木工メーカーなのに木の扱いが「???」
モモナチュラルおよびピエニコティを運営する脇木工は木工メーカーであるはずなのですが、私に言わせれば木の扱いが「???」です。無垢板に反り止めが入っていなかったり、不思議な作りであるところが散見されます。設計が素人と言っても良いでしょう。脇木工が元々どういう商品を作っていたか私は知らないのですが、本当に家具を扱っていたのかと疑問を感じるほどです。
そんなわけで私は近年のモモナチュラルの躍進を、正直あまり快く思っていませんでした。雰囲気だけのハリボテ家具。さっさと潰れれば良いのに。それくらい冷めた目で見ていました。
でも今は違います。モモナチュラルおよびピエニコティは確実にファンを増やし、ここ数年で売上・従業員数ともに順調に伸びています(※)。それはつまり、消費者と従業員を喜ばせることに成功しているということです。これは事実として素直に認めなければなりません。
家具販売店がどんどん減り、家具業界全体がどんどん先細りする中、賢いメーカーはこれからどう進めば良いかを知っています。カリモク家具然り、マルイチセーリング然り。イトーキもくろがね工作所もオカムラも直営ネットショップを持っています。家具メーカーだけではありません。収納用品業界でもやはり賢いところは直営ネットショップなどの運営を進めています。
カンディハウスの場合はもっと先見の明があったということなんでしょうけど、家具販売店に期待できない現状、直営店戦略はやはり必要だと思います。その点で、モモナチュラルは家具メーカーにとっての期待の星とも言える存在なのではないでしょうか。もちろん今では私もモモナチュラルをリスペクトしています。
個人的にはMOCHA DESKのデザインが好き
モモナチュラル、ピエニコティと言えば、パイン無垢天板の「NICO(ニコ)」、お姉さん風の白い「CIELE(シエル)」がもっともメジャーだと思いますが、私が好きなのは「MOCHA(モチャ)」(上写真)です。
この書棚のような、それでいて圧迫感の少ないデザインがなかなか素敵です。もっとも、袖ワゴンの引出しの構造は三方囲い、側板はプリント紙、キャスターはナイロン製の一輪と、価格が手頃とは言えロクでもない仕様です(苦笑)店の雰囲気が良いので誤魔化されるんでしょうけど、モモナチュラルの家具はイケアほどではないとは言え、どれもかなりお粗末です。これだから「国産=品質が良い」と言い切れなくなっちゃうんですよねー。
持ち上げたり、落としたり、何だか忙しい展開になってしまいましたが、でもあくまでも雰囲気だけで家具を選ぶなら、モモナチュラルは別に悪い選択肢ではないと思います。どうしても最低限の耐久性が求められる学習机としてはやめておいたほうが良いと思いますけど、モモナチュラルも学習用として売る気はないと思います。
コメント 皆様からご質問・ご意見など
初めてコメントさせていただきます。
リビングに置く予定なのでシンプルで子供の学習机っぽさがあまりないものをと思い、カリモクで一番人気のボナシェルタを購入予定で見学してきたのですが、気になる点がありました。
木材の特徴とのことでしたが机の上でプリントのような紙1枚の用紙に文字を書く場合は、木目の模様というか文字がガタガタしてしまうとのことでした。
下敷きを使うとか、マットをひいて使用すれば問題ないとのことですが、子供にいちいち下敷きのようなものを置いて書かせるのも無理ですし、せっかくの木の風合いがなくなってしまうため、イメージ的にマットも考えておりませんでした。
木材の特徴となると、どこのメーカーも同じ価格帯を考えると同じようなものなのでしょうか?
家族は逆に安い机なら、そういう心配もなくて子供が汚しても気にならないのでは?のようなことも言っておりますが、こういう理由で低価格帯のものに変更するメリットはあるのでしょうか?
自分自身はリビングに置くので、多少は高級感があるもので、長く使えて、シックハウス対策されているものをと考えておりました。
いちごさま
はじめまして^^
カリモク家具のボナシェルタの表面の凸凹は「木材の特徴」ではありません。これはオープン塗装と呼ばれる手法によるもので、学習机の中でも特殊な存在です。
他の天然木を使った学習机の多くは表面をフラットにするクローズ塗装が施されています。クローズ塗装を施すと実用的ではありますが、本物の木の触り心地が失われるというデメリットがあります。
もし天板表面の硬さやフラットさを重視されるようなら、一度、浜本工芸の学習机をご覧いただければと思います。UV塗装を施しているので表面硬度は学習机随一だと思います。デスクマットを敷かない派の方はだいたい浜本工芸で決まることが多いです。
ただ天然木は必ずしも硬いとは言えないので、MDF合板に直接塗装を施したもの(=低価格品)でも表面硬度はあまり変わりません。でも天板の硬さがあまり変わらないのなら安くても良いかというとそうではありません。低価格品はやはり引出しも低スペックになるからです。むしろこちらのほうが問題です。
シックハウスについては、よほど症状が重くない場合は、それについて言及しているメーカーであれば問題ないと考えて良いでしょう。
早速のご返信ありがとうございます。
インターネットで検索してもこのようなわかりやすい回答が見つからなかったため、とても感謝しております。
浜本工芸さんの机、検討してみようと思います。
デザイン的に大人が購入しても良いようなものをとなるとno.4000、no.6000あたりでしょうか?
お勧め頂いた浜本工芸さんもとても良いと思いましたが、
カリモクの机がオープン塗装ということであれば、色々なメーカーの机にも目を向けてみたいなと思います。
シンプルでワゴンが机の内側でも外側でもつなげて置くことができ、
机表面の凹凸がなく、強度的にもデスクマットいらずシリーズでその他におすすめのものがありましたら教えて頂けますでしょうか?
いちごさま
こちらこそそんな風におっしゃっていただいて嬉しいです^^
浜本工芸のNo.4000、No.6000デスクユニットも良いと思いますよ。ただ浜本工芸の場合はデスク天板と袖天板で素材が同じになりませんが(無垢と突板)。
デザインだけでなく、幅サイズや脚形状、引出しの数など、お子さんにとっての使いやすさにも注目して、いろいろ検討してみてください。
他に天然木で天板が丈夫な学習机というと、大塚家具製造販売が2016年度からセラウッド塗装のものを投入しています。これは表面硬度というより、耐摩耗、耐熱に優れた塗装ですが。
あと、自然塗装(オイル塗装)を避けてもらえば、大手の場合ほとんどはウレタン塗装なので問題ないと思いますよ。
よく勘違いされるんですけど、天板は表面が硬ければ良いというものではないのです。究極に硬いと、ガラスやステンレスの上に紙を置いて書くような感じになってしまいます。これでは書き味が悪くなるため、少しは表面に軟らかさがないといけないのです。
材質がナラ、オーク、タモ、ウォルナット、ビーチ、バーチ、チェリーなどの硬い木でウレタン塗装であれば、基本的には問題ないと思います。
ありがとうございました。
購入前に塗装のことを知ることができて良かったです。
もちろんオープン塗装のものは雰囲気がとても良く素敵なので
悩ましいですが・・・。
とりあえず大型家具店で色々な机を見比べてみようと思います!
いちごさま
そうですね、まだ新型デスクを発表していないメーカーもありますし、すぐに完売になるようなものもないので、ゆっくりあちこち見て回っていただければと思います^^