前々回、前回と、学習用のLEDデスクライトのシェード幅が広いほうが良い理由、多灯式であるほうが良い理由について説明してきました。今回は3番目の条件である「調色式」であることが望ましい理由について説明したいと思います。
今回は調色機能のあるコイズミファニテックの「ECL-546」と調色機能のない山田照明の「Z-10R」を比較してみたいと思います。
※この記事は時点の情報に基づいています(2024年1月6日一部更新)
色温度にこだわり続けたコイズミファニテック
今回の比較とは直接関係ない話ではありますが、調色機能についての説明をするならこの件については触れておかなければならないでしょう。今でこそデスクライトの調色機能は当たり前になりつつありますが、色温度について初めに言い出したのはコイズミファニテックで、LEDデスクライトでは2011年度から採用しています。蛍光灯の時代も含めると21世紀に入った頃から言っているのではないでしょうか?(ちょっと不確かな私の記憶ですが・・・)
対して他社はどうかと言うと、イトーキが2013年度から、くろがね工作所が2014年度から、残りの多くは2015年度からです。そしてまだ調色機能のないLEDデスクライトも多いのが現状です。
コイズミファニテックの色温度へのこだわりは相当なもの。スタンドライトも含めて全商品が調色機能付きです。早くから色温度の重要性に気づいていたコイズミファニテックに言わせれば「調色機能は必須!」なんですが、調色機能の採用が遅れたメーカーは「まあ、人気だし、一応つけておくか…」という印象すらあります。そのため後発ほど調色機能についての説明が少ないです。
コイズミファニテック・ECL-546
コイズミファニテックのカタログが一番詳しく色温度の重要性について書いています。色温度は「K(ケルビン)」という単位で表わされ、コイズミファニテックのECL-546の場合、休憩モードで約3000K、勉強モードで約4300K、計算モードで約5600Kとなっています。学習内容によって適している光の色が異なるのですね。
イトーキやくろがね工作所を見てもそれぞれのモードの色温度はだいたい同じような感じで、3社を平均すると、休憩モードは3000K、勉強モードは4500K前後、計算モードは6200K前後と考えて良さそうです。
山田照明・Z-10R
調色機能のない山田照明のZ-10Rの場合、色温度は固定で5000Kとなっています。これはつまり、コイズミファニテックで言うところの計算モードに近い数値で、集中力を高めるのに効果がある色温度と言うことができます。
「あら!じゃあウチの落ち着きがない子供にピッタリじゃない!?」なんて思うことなかれ。残念ながら、人間は集中力が高い状態を長時間続けることはできません。集中できるのはあくまで短時間に限られるのです。
そこで必要になってくるのが少しリラックスできるやさしい光の勉強モードというわけです。さらにリラックスしたいときには休憩モード。ダイニングテーブルの上には電球色の照明を使ったほうが食べ物が美味しそうに見えますが、おやつや夜食を食べるときには良い明りと言うことができますね~。
逆に言うと、電球色の照明を使ったダイニングテーブルでいわゆる「リビング学習」をすると、リラックスしすぎるだけでなく、照度が低いために目によろしくないと言うことができます。こういう照明の基本知識を無視して「リビング学習をすれば子供の頭が良くなる」なんて言う専門家が多いことにはただただあきれるばかりです。
以上、3回に渡って学習用に適したLEDデスクライトの必須条件である、(1)シェードの幅が広い、(2)多灯式、(3)調色式の重要性について詳しく紹介しました。2015年度は多くのメーカーでこの3条件を満たした学習用LEDデスクライトを扱っていますので条件を満たしていればどれを選んでも十分ですが、まあコイズミファニテックを選べば一番間違いないんじゃないかと私は思います。特に早くから色温度へこだわったコイズミファニテックは賞賛に値しますよね。
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