コイズミファニテックのツインライトはシェードをVの字に変形させることで机上面を万遍なく照らすことができる優れた構造です。私の記憶が正しければ、その原型は既に20年以上前から存在していると思います。
ツインライトは非常に優れた構造です。しかしながら、コストが掛かるからでしょうか、他社が追随することはこれまでほとんどありませんでした。一方で、最近はLEDが高性能化&低価格化したことにより、コイズミファニテックのツインライトとは外観が大きく異なるものの、左右にシェードを持つデスクライトがいくつか登場しています。
今回はそのひとつを試す機会に恵まれましたので、そのレビューをお届けしたいと思います。
Huizhou・ダブル光源LEDデスクライトLS03
今回ご紹介するのは「80cm幅広ダブル光源LEDデスクライトLS03」です。メーカー名は記載されていないものの、PSEマークの届出事業者は”HuiZhou Guoaotong Technology CO.,LTD”となっていることから、こちらが製造元もしくは販売元と考えられます。
支柱は組立式となっており、ネジとプラスドライバーが付属しています。USBアダプタではなくACアダプタで給電する仕様です。
組み立ては簡単
組み立ては特に難しくはありません。上下のアームを短いネジ1本、下アームとクランプ金具を長いネジ1本で固定し、あとはシェードに上アームを挿し込むだけです。
クランプは天板厚53mm以下に対応
クランプ金具は天板厚60mm以下対応と記載されていますが、実際は53mm以下でした。もっとも、ほとんどのデスク天板は40mm以下なので、問題が生じる可能性は低いでしょう。
なお、天板の奥行(出っ張り)は37mm以上必要です。
超ワイドな幅79cmのシェード
LS03の特徴のひとつはシェードの幅が最大79cmもあるということです。コイズミファニテックの「LEDモードコントロールツインライトECL-546」のシェード幅が85cmであることを考えると、それに匹敵するシェード幅であることがお分かりいただけるかと思います。
ちなみに、上写真では直下に置いた100cm分のメジャーよりもシェード幅のほうが広く見えますが、これは遠近法によるものですね。アームが長いため、シェードがかなり手前に来るのです。
アーム総延長79cm
どれだけアームが長いかと言うと、シェードの付け根からクランプ金具の根元まで79cmもあります。そのため、シェード高を60cmにしても奥行は36cmもあるのです。
これってデスクの奥行が60cmだったとしたら、デスクの中心よりもシェードが手前に来るということです。机全体を万遍なく照らすには好都合とは言え、頭を打つこともあるかと思います。
シェードをVの字に開くことも可能
LS03のシェードはVの字に開くこともできます。もっとも、180度全開の状態でも奥行60cmのデスクの中心にシェードがあるのですから、Vの字にする必要性はなさそうに思います。
シェードを閉じれば片持ちアームに
シェードを完全に閉じると、片持ちアームのようにすることもできます。ただし、その場合の幅は74cmにもなります。幅120cmくらいのデスクならちょうど良いのかもしれません。
何を考えてこんなに長いアームにしたんだろうかとちょっと不思議に思いますね。
5段階の調光&調色機能
LS03はそれぞれ5段階の調光&調色機能が付いています。電源ボタンとは独立しているので比較的操作がしやすいのは良いと思います。
一方で、シェードの上面ですから、お子さんではちょっと操作が難しいと思います。シェード高を60cmにした場合、デスク天板面の高さを70cmとしても、合計130cmですからね。小学校高学年にならないと見下ろせません。
上アーム側面にコード収納可能
下アームはアルミ製ですが、上アームはフレキシブルアームになっており、表面はゴムのような質感です。また、上アームの両サイドにはスリットが入っており、そこに電源コードを収納できるようになっています。取扱説明書にはそのような記述がなく、途中までまったく気付きませんでした。
シェードがすごく熱くなる
LS03をしばらく点灯していると、シェードの表面がすごく熱くなっていることに気付きました。炎天下のベランダの柵のような熱さで、しばらく握っていると火傷をしそうです。
温度計で計ってみたところ、44度に達しました。シェードの材質(アルミ)や形状からして、放熱についてはまったく考慮されていないように思います。もっとも、冬場は暖房器具を兼ねるというメリットもあるかもしれません。
LS03のスペック
調光 | 5段階 |
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調色 | 5段階 |
色温度 | 3200K~6500K |
メモリー機能 | あり |
CRI(演色評価数) | Ra90以上 |
消費電力 | 24W |
定格入力 | AC 100-240V 50-60 Hz |
サイズ※ | 幅55~790×奥行150~800×高さ470~780mm |
クランプ対応天板厚等※ | 天板厚:53mm以下、奥行37mm以上 |
材質 | アルミ合金、ABS素材 |
重量 | 1.2kg |
製造国 | 中国 |
税込価格 | 5,800円 |
※サイズ等は収納マン実測
ダブル光源LEDデスクライトLS03のスペックは上表の通り。CRI(演色評価数)がRa90以上という高演色である(=色の再現性が高い)ことは高く評価できる一方で、照度(ルクス)はおろか、光束(ルーメン)すら記載されていません。そこで、簡易照度計で測定してみることにしました。
LS03の照度分布図
T型にした場合
Y型(120度)にした場合
片持ちアームにした場合
シェードをT型(180度全開)にした場合、Y型(120度)にした場合、シェードを閉じて片持ちアームの状態にした場合、それぞれ昼光色と電球色の照度分布図を作成しました(いずれもシェード高60cm)。
いずれの場合も直下照度は800~1000ルクス程度でまったく問題なし。ここまで抑えられているデスクライトは珍しいと言えます。
また、半径50cm円周上は300~480ルクス程度で、JIS規格AA形相当(250ルクス以上)を楽々クリアしています。ハッキリ言って、私が理想とする照度分布図です。これは正直、驚きました。
眩しさも問題なし
これだけ万遍なく机上面を照らせると、ついつい眩しいんじゃないかと疑ってしまうものです。しかしながら、LS03は光源を直接見ても眩しさをほぼ感じません。これは素直に良くできていると認めざるを得ないでしょう。
ちなみに、LEDは合計228個も使われているそうです。そんなに多ければこれだけ広範囲を照らせることも、シェードが熱くなることも納得します。
というわけで、「どうせ中華でしょ?」とナメてかかったダブル光源LEDデスクライトLS03でしたが、思いのほか優れたデスクライトで驚きました。
特に評価できるのは、直下照度が抑えられているのにJIS規格AA形相当を楽にクリアする、机上面を万遍なく照らせるあかりということです。それでいて、眩しさも感じられません。Ra90以上の高演色という点については真偽を判断できないものの、事実とすればこれもまた素晴らしいことです。
一方で、ダメ出しできるところもあります。とにかくアームが無駄に長い。操作パネルがシェード上面にあるため、子供には手が届かず学習用としては厳しいです。シェードがかなり熱くなるという点でも、子供には安全とは言えないでしょう。
しかしながら、これで5千円台は大いにアリだと思います。幅120cm以上の大きなデスクで作業をする際などには特にオススメできるのではないでしょうか。
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