目下、業績不振が続くベルメゾン(千趣会)。先月(2018年12月)にはリストラが発表されましたけど、何度か出入りさせていただいたことのある私としては本当に残念でなりません。
ベルメゾンは本当に良い会社なんです。昔から商品開発力も、商品をセレクトする目利きも、カタログの編集力も非常に高いですし、カスタマーセンターの対応も良いのです。ネット通販との競争に負けたという説もありますが、ベルメゾンは業界では一早くネット販売にも取り組んでいました。ただ、カタログ通販で顧客を抱えていたのが強みだったのが、時代とともにカタログ発行が逆に重荷になってしまった感じがします。
そんなわけで私としてはベルメゾンには何とか頑張って欲しいわけです。陰ながら応援する気持ちで、ベルメゾンの新しい学習机を紹介したいと思います。
※この記事は2019年1月31日時点の情報に基づいています(2024年10月6日一部更新)
ベルメゾン「きみに贈る、学習づくえセット」
ベルメゾンの「きみに贈る、学習づくえセット」には、”世界にひとつだけの一生モノのデスク”というキャッチコピーが付いています。天然木だから世界にひとつしかない木目などというわけではありません。デスクの手前右端に好きな英数字を入れられるネームプレートを付けてくれるから世界にひとつしかないデスクというわけです。
なるほど、これならクレームが発生して交換となってもロスが出ません。デスクに直接刻印を入れると、交換のしようがなくなってしまいますからね。学習机を子供にプレゼントしようと考えているお父さんやお母さん、おじいちゃんやおばあちゃんにとっても魅力的に映ることでしょう。
作ってるのは堀田木工所!?
私としては一体どこのメーカーが作っているのかと詮索しました。まず最初に思い浮かんだのは堀田木工所です。堀田木工所の学習机はこれまでもベルメゾンで実績がありますし、国産でアルダー無垢、チェアの座面の形状も堀田木工所っぽいです。
しかし、天板はUVフィニッシュオイル塗装ではなくセラミック塗装なんです。また、堀田木工所のデスクは基本的に高さが73cmなのですがこちらは72cmです。ただ、堀田木工所はミキモクとのコラボ「楓の森」でセラミック塗装の高さ72cmのデスクを作っています。
そう考えるとやはり堀田木工所が作っているという線が濃厚なのですが、ランドセルフックの色が違います。写真だとちょっと分かりにくいですが、どちらかと言うと杉工場っぽい色に見えます。また、天板の縁や脚の削り出し方なども堀田木工所というよりは杉工場っぽいです。
おまけに、工場内部の様子(上写真)があまりにもショボくて、さすがにこれは堀田木工所ではないと思いました。おそらく、九州あたりの小さな工房だろうと。それにしても、椅子の背板の曲木を見てもセラミック塗装を見ても技術力があるなーと感心していたら、ソースに“国産学習デスクメーカー堀田木工所で作りました。”という文字が埋め込んでありました(笑)
まさかの大どんでん返しに一人で勝手に「えーっ!?」と驚いてしまったのですが、ここで大きな疑問がひとつ。堀田木工所はなんでセラミック塗装ができるのに、カタログ掲載商品はすべてオイル塗装なんでしょう?あれはあくまで自然風塗装で、UVも掛けてるから十分丈夫だという理屈なのかもしれませんが、私としてはセラミック塗装だったらもっとオススメできるんですけどねー。一度、時期を見計らって聞いてみたいと思います。
無印良品「パイン材デスク」と比較
メーカーが堀田木工所だと分かったうえで、形状がよく似ている無印良品の「パイン材デスク+ワゴン+ワーキングチェアセット」(上写真)と比較してみましょう。正確に言うと、無印良品のほうがオリジナルですけどね(苦笑)
無印良品 | ベルメゾン×堀田木工所 | |
---|---|---|
商品名 | パイン材デスク | きみに贈る学習づくえセット |
天板サイズ | 幅86×奥行58cm | 幅110×奥行55cm |
材質 | パイン(松) | アルダー |
塗装 | ラッカー | 天板:セラミック その他:オイル |
デスク引出し | あり | なし |
ワゴン引出し | なし | あり |
製造国 | 中国 | 日本 |
3点セット価格 | 税込37,880円 |
税込93,700円 |
※2024年10月6日時点の価格に更新済み
いくら堀田木工所が国産でも安いとは言え、さすがに無印良品と比べれば2倍以上します。ですが、材質、塗装、国産で安心という点を見れば、コスパは決して悪くないでしょう。また、それ以前に無印良品のパイン材デスクのレビューを見れば、買うに値しないことは明らかです。だから言わんこっちゃない(苦笑)
家具の里「リッケ」等と比較
デスク
家具の里 | ベルメゾン | |
---|---|---|
商品名 | リッケ | きみに贈る学習机 |
サイズ(mm) | W1000×D550~630×H730 | W1100×D550×H720 |
天板塗装 | セラウッド | |
引出し | 2杯 | なし |
税込価格 | 46,000円 | 39,900円 |
記事執筆時は、きみに贈る学習机と同じ天板サイズの「エルデスク」と比較したのですが、エルデスクが廃番になったので、代わりに家具の里の「リッケ」などと比較してみたいと思います。リッケのほうが幅が100mm小さいものの奥行は同じで、天板の塗装も同じで、スペックが近いためです。
価格自体はベルメゾンのほうが15%ほど安いです。しかし、リッケなら奥行拡張天板が付いているだけでなく、引出しも2杯付いています。ぶっちゃけ、この程度の価格差ならリッケのほうがお買い得と言えます。
ワゴン
堀田木工所 | ベルメゾン | |
---|---|---|
商品名 | フィーロ3094オープンワゴン | きみに贈る学習用品収納ワゴン |
サイズ(mm) | W300×D440×H610 | W310×D510×H615 |
木部塗装 | オイル | |
引出し | なし | 1杯 |
税込価格 | 19,800円 | 29,900円 |
※フィーロの価格はHYGGE by Hotta Mokkoshoの場合
ワゴンについては、堀田木工所のカタログ商品で「フィーロ3094オープンワゴン」と比較すると分かりやすいと思います。
ベルメゾンのほうは引出し1杯付きでペントレーも付いています。一方で、フィーロはシンプルに棚だけなので1万円ほど安いです。引出し1杯のコストを考えると妥当な価格設定とは言え、100均のプラ箱などで代用するという考え方もあるでしょう。
チェア
堀田木工所 | ベルメゾン | |
---|---|---|
商品名 | ペルケ(板座) | きみに贈る学習チェア |
サイズ(mm) | W420×D460×H740 | W440×D470×H775 |
木部塗装 | オイル | |
足元棚 | あり | なし |
税込価格 | 29,700円 | 23,900円 |
※ペルケの価格はHYGGE by Hotta Mokkoshoの場合
椅子については、同じ4本脚の板座ということで、「ペルケ」と比較してみましょう。
価格はペルケのほうが2割以上も高いですが、足元棚も付いていることから、コスパの面では同等と言えます。基本的にはデザインの好みで選べば良いんじゃないでしょうか。
総じて、ベルメゾンの「きみに贈る、学習づくえセット」はベルメゾンのユーザーのニーズを上手く捉えているように思います。圧迫感がなくてシンプル、大人になっても使えそうというイメージに適っているということです。
ただ、引出しがワゴン最下段に1杯だけというのはさすがに厳しいのではないかというのが私の率直な感想です。家具の見た目を重視しても、片づけるのが難しい小物の置き場所に困ってしまえば、かえって散らかってしまいます。そういうケースは、これまで何度も見てきました。
教科書類ははカラーボックスでも安い本棚でも容易に収納力を増やせます。しかし、引出しは後から追加するのが難しいです。そこはあらかじめ覚悟しておいたほうが良いでしょう。
コメント 皆様からご質問・ご意見など
お久しぶりです。
何度かご相談させて頂いたものです。
娘が4月から小学生なので、そろそろ購入を考えています。
今のところ、リーモ セレクトのデスク、フィーロの上棚、エクリュのワゴンで合わせるつもりです。
後は椅子なのですが、お手入れを考えて板座のものが良いなと思っています。
サークルかアロンが可愛いのですが高く、、(T_T)
色々探してたどり着いたのが(もちろんこちらのHPも沢山参考にさせて頂きました)、こちらの「きみに贈る、学習チェア」・ヒカリサンデスクのロイス・一生紀のエアリー・子どもと暮らしのカズンの4つが候補になりました。
そこでご質問させて頂きたいのですが、
・座り心地はどれが良さそうか
・ロイスはウォルナットのものが安くなっており、それを選んだ場合、机の色と違うがおかしくないか
・カズンはカーペット必須か
を教えて頂きたいです。
沢山申し訳ございませんがよろしくお願い致します。
もももさま
おひさしぶりです^^
色々ご検討された結果、リーモ・セレクトのデスク、フィーロの上棚、エクリュのワゴンという組み合わせに至ったのですかー。
おそらく、デスク天板はウレタン塗装で、それに合う上棚ということでフィーロ、ワゴンは同じ堀田木工所でも良かったけどどれくらい活用するか分からないし価格を抑えてエクリュということだと思います。
かなりこだわって選びましたね!
ただ、既にお決まりのところ恐れ入りますが、リーモはフィーロやエクリュに比べると茶色が強いです。
ちょっと色合いが合わないと感じる可能性があることはご承知置きください。
また、これは些細なことかもしれませんが、エクリュのワゴンはリーモのワゴンに比べて奥行が5cmほど短いです。
そのため、ワゴンを机の下に収めるときは、ワゴンを目いっぱい奥に押し込まないようにしていただいたほうが見た目がよろしいかと思います。
以上の点さえご承知おきくだされば、組み合わせ自体はまったく問題ありません。
本題の椅子の話に移ります。
いまご検討中の椅子4脚に限らず、座り心地は個人差があるので申し上げにくいところです。
ただ、個人的にはロイスはイマイチという印象があります。
座面が湾曲しておりお尻にフィットしやすいように見えて、骨盤を圧迫する感じがします。
それについては小さなお子さんなら問題ない可能性もあるのですが、重心が低くて重く感じられることのほうが問題として大きいと思います。
なお、ウォルナットはこげ茶色ですから、リーモなどとはまったく色が異なります。
全体としてパッチワーク調で素敵と感じられるならそれもアリですが、色をできるだけ揃えたいなら避けるべきでしょう。
こどもと暮らしのカズンは実物を見たことがありませんが、アジャスターを付けるという設計が謎です。
おそらく歪みが生じやすいのでアジャスターを付けざるを得なかったのだと思います。
アジャスターが付いているとカーペットを敷かねばなりませんが、毛足が短くても引っ掛かりやすく、椅子を引きにくいと思います。
エアリーはラバーウッドとバーチでできているので、アルダー主体のデスク一式と比べると白っぽく感じられるはずです。
結果的に、きみに贈る学習チェアがもっとも無難なのかなと思います。
もしくは、堀田木工所のペルケ(板座)あたりでしょうか。
ペルケなら取扱店もお近くにあると思いますので、できれば一度お試しください^^
早速のお返事ありがとうございます!
選び方、全くその通りです。
流石すぎます…!!
留意点教えて頂きありがとうございます。
納得した上で購入させて頂きます。
本当に助かります!
椅子についてもありがとうございます。
アジャスター、便利なのかと思いきや…お聞きして良かったです。
ペルケ、板座のものもあるのですね!
お値段も高いですがこちらが1番見た目もタイプなので第一候補になりそうです^^
先程検索したところ、メルカリでサークルチェアが同じくらいのお値段で出ていたので どちらかで決めたいと思います。
今回もありがとうございました!
もももさま
色の差異については問題ないようで良かったです^^
アルダーは徐々に飴色になっていくので、デスク本体との違いは少なからず埋まっていくと思われます。
ペルケの板座は2025年度の新商品なんですよね。
ちょうど良いタイミングでした^^
サークルチェアはオーク材なので、これをデスク一式に合わせるとちょっと木目の違いが気になるかもしれません。
でも、デスク、上棚、ワゴン、椅子、すべて違うメーカーというのもユニークですよね。
また結果をご報告いただけるとうれしいです!