
山田照明のZライトはアームの耐久性とスムーズな操作感が最上級に素晴らしいデスクライトです。ラインナップも豊富で、こちらでは学習用として調色機能を備えた「Z-80N」や「Z-N1100」をオススメしています。
しかし現在、いずれも「在庫限り」となっています。まだ「Z-S7000」があるとは言え、学習用としてはちょっとコスパが悪い。
そこで、学習用としてオススメできるZライトを検討した結果、「Z-10G」に目星を付けました。今年6月頃に販売が始まったばかりの、ベストセラーモデルの最新機種です。調色機能はないものの、新しいグレアレス構造を採用しており、これまでZライトで懸念されることが少なくなかった眩しさの問題が解消されている可能性を感じました。
早速、実機を拝見したいと考えて大型家電量販店を巡るも、日本一の地方都市である大阪では叶わず。ダメもとで山田照明に貸し出しを嘆願したところ、快諾してくださいました。
というわけで今回は、山田照明の新型Zライト「Z-10G」のレビューをお届けしたいと思います。
※この記事は2025年10月8日時点の情報に基づいています
山田照明・Z-10GB

Z-10Gはブラック(B)、ホワイト(W)、シルバー(SL)の3色展開。今回はその中からブラックを選んで拝借しました。いかにもZライトらしくてとてもカッコイイじゃありませんか。
パッケージを開けると、本体、ACアダプター、クランプ金具、スプリング2本と取扱説明書が入っています。
もうね、箱を開ける前からニヤニヤが止まりません(苦笑)それほど私にとってZライトは特別な存在なのです。
スプリングを取り付ける

2本のスプリングは上アームのものです。組み立てをユーザーに委ねることで少しでも安く…というわけではなくて、スプリングが付いた状態だとコンパクトに折り畳めないからということだと思います。強力なスプリングですが、難なく取り付けることができました。
クランプを天板に取り付ける

クランプ金具は上締めです。ドーナツ状の部分を回すと、クランプする厚みを調整することができます。写真で見ると小さく感じるかもしれませんが、子供の握りこぶしくらいの大きさがあります。
クランプ金具の左側面には、アームの関節のボルトを調整するための六角レンチが挿し込めるようになっています。クランプ金具の設置が済んだら、あとは本体の根元をブスッと挿すだけです。
クランプは天板下奥行32mm必要

クランプ金具を取り付ける際は、天板下に奥行32mmのスペースが必要になります。天板厚は10~45mmに対応。幅は59mmを要します。
ちなみに、天板より7mmほど出っ張ります。天板上には45×45mmのスペースを要します。

Zライトには別売の「Z-A17」というクランプ金具がラインナップされていますが、Z-10Gに付属しているものとほぼ同型です。違いは製造工場が異なることと、対応天板厚がZ-A17は4~45mmとなっている点です。もっとも、4mm厚の天板なんてガラスくらいでしょう。もちろん、Z-10Gにも取り付け可能です。
Z-10GB見参!

そうして、Z-10GBがその美しい姿を露わにしました。いつもはテレビの画面の中でしか見ることがない芸能人が我が家にやってきたような気分ですよ(笑)調色機能がなくたって全部許せるほど素晴らしい質感です。
関節にクリアパーツ

Z-10Gのシェードの根元やアームの関節にはクリアパーツが使われています。「だから何?」って思う方もいらっしゃるでしょうけど、いくつになっても男子にとってクリアパーツは特別な存在なのです。
新開発のコの字型中間ジョイント

Z-10Gのアームの関節には、新開発のコの字型中間ジョイントが採用されています。
従来は横から見ると台形に近く、左右2枚に分かれたプレートでした。それが1つのパーツとして成型されることで、より堅牢になったということだと思います。おそらく水平方向の負荷に強くなったということでしょうね。
アームがヌルヌル動く

Zライトはこれまでたくさん触ってきましたが、改めて自宅でアームを動かしてみると、他社のデスクライトとはまったく比べ物にならないくらいスムーズに動くことに驚かされます。
他社製デスクライトは照度を計測する際にシェードの高さを左右で揃えるのに一苦労なんですけど、Z-10GBは思った通りの場所でピタリと止まりますからね。こんなクオリティーのものがたった1万円ちょっとで買えるなんて本当に信じられません。
調光ボタンが独立

従来の「Z-10R」などはボタン1つで電源のオンオフと調光を兼ねていました。Z-10Gでは電源ボタンと調光の上下がそれぞれ分離され、とても使いやすくなっています。
表面はゴムでカバーされています。ちなみに、電源ボタンをダブルクリックすると一発で100%調光になります。もちろんメモリー機能(前回使用した調光レベルに復帰)もあります。
光源を直視すると眩しい

このように大変すばらしい出来栄えのZ-10GBですが、飾り物ではありません。できるだけ目に負担を掛けないように照らしてナンボです。
そこで電源を入れて光源を直視してみたところ、思いのほか眩しいではありませんか。あれ、”明るいのに眩しくない”んじゃなかったですか。
正面から見て眩しくない

ですが、そういうことじゃないんですよね。Z-10Gは正面から見たときに眩しさを感じないように、光源をシェード下面より奥まった位置に取り付けるとともに、反射光を抑えるようにシェードの内側を改良したグレアレス構造を採用しているのです。
グレアを抑える構造

シェードを真下から覗き込むとよく分かります。シェードの内側は光源が奥まっており、傾斜面には溝が彫ってあって光を吸収できるようになっています。
「なんだそんな簡単なことかー」と思うことなかれ。光はできるだけ拡散したほうが広い面を照らせるんですよ。なのにシェードで光を吸収しちゃったら、ブレーキを掛けながらアクセルを踏むようなものです。
デスクライトのメーカーは、眩しくないように配慮しながら如何に効率良く光を拡散せるかに腐心しているのです。ついでに言うと、熱がこもらないようにしたり、コストを抑えることも大事。簡単なことではありません。
JIS規格AA形相当の照度分布

照度分布図はどのようになっているでしょうか。上図左は山田照明が測定した結果、右は私が簡易照度計で測定した結果です。もちろん、山田照明のほうが正確であることは言うまでもありませんが、簡易測定でも大きな誤差はなかったことが確認できます。
直下照度が2000ルクスを超えるというのは正直ちょっと明るすぎるように思いますが、眩しくないので大きな問題はないでしょう。むしろ半径30cm円周上も1000ルクス前後あることは評価できると思います。
半径50cm円周上は300ルクス前後あり、JIS規格AA形相当の要件である250ルクス以上を楽々クリア。ちなみに、色温度は無難な5000ケルビン(昼白色)で、高演色のRa94となっています。
Z-10Rとの比較
Z-10G | Z-10R | |
---|---|---|
光束 | 1057lm | 1055lm |
直下照度 | 2210lx | 2430lx |
グレアレスシェード | ○ | × |
セパレートスイッチ | ○ | × |
メーカー希望小売価格 | 税別17,800円 | 税別18,800円 |
次に、旧型のZ-10Rと比較してみましょう。違いが確認できる部分だけを書き出したのが上表です。
光束はほとんど変わらず。直下照度は10%ほど抑えられており、それでいて30cm円周上や50cm円周上の数値はほとんど変わりません。つまり、より均斉度が上がった(=ムラが減った)と言えます。
また、Z-10Gはグレアレスシェードで眩しさが抑えられ、スイッチの操作性も向上しています。にもかかわらず、価格は下がりました。楽天市場で見ても最安価格はほとんど変わらないので、いまから購入するならZ-10G一択で問題ないでしょう。
学習机の上棚に取り付けてみた

学習机の上棚に取り付けてみたらどんな感じかということで、息子の机(浜本工芸・No.02デスク 幅110cm)にZ-10GBを設置してみました。この状態でシェード高は40cmです。
実際に学習机に設置して感じたことは、とにかくシェードが薄くてコンパクトなこと。また、端まで十分に照らせるのでシェードを動かす必要はないものの、シェードがとてもスムーズに動かせるということです。見た目も超絶スタイリッシュでカッコイイです。
コイズミECL-357だとこんな感じ

ちなみに、ふだん使っているコイズミファニテックの「ECL-357」(完売)を設置するとこんな感じです。シェードがデカいことは致し方なしとして、アームの精度がまったく違うことに悔しさを禁じえません。
以上、山田照明のZ-10GBのレビューをお届けしました。期待通りのデスクライトで、学習用としても太鼓判を押せると思います。
調色機能はないものの、シェードを動かさずとも学習机の天板全体を満遍なく照らせる明るさで、これまでの懸念だった眩しさが大きく改善されていると感じます。また、電源ボタンと調光ボタンが独立したことで操作性も向上しています。
そして何より、アームの操作感と耐久性が素晴らしいです。これがたった1万円ちょっとで手に入るというのは本当に信じられません。一度これに触れたら、もう他社のデスクライトはオモチャにしか見えないでしょう。
それでもやっぱり調色機能が欲しいと思われる方は、Z-80NとZ-N1100の在庫があるうちに急いで購入してください。
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