
現在、一般的な学習机の天板幅は100cmです。一方で、一昔前は幅110cmも用意されていることが多く、首都圏では100cm、西日本では110cmがよく売れると言われていました。郊外に行くほど住宅の床面積に余裕があり、110cmでも問題ないことが多かったのでしょう。
ただ、郊外のほうが家が広いことは昔も今も変わりません。学習机の幅が100cmに集約されたのは、少子化の影響でラインナップを減らす必要があったためと考えられます。そのため現在も「部屋の広さは問題ないので幅110cm以上の学習机を購入したい」と思われる方は少なくありません。
でも、現在のように学習机の幅が100cmもしくはそれよりもコンパクトな95cmに集約されていると、幅110cm以上のデスクを選ぶことに不安を感じてしまう方もいらっしゃることでしょう。そこで今回は、幅110cm以上のデスクを選ぶメリットとデメリットについて説明したうえで、代表的な幅110cm以上の学習机を紹介したいと思います。
※この記事は2025年5月21日時点の情報に基づいています
メリットとデメリット
メリット
- 作業面を広く確保できる
- 足元が広い
- 幅広のチェアも置ける
- 子供が成長しても余裕がある
作業面を広く確保できる

幅110cm以上のデスクを選ぶメリットについては想像に難くないと思いますので、簡単に説明します。
まず、学習机の標準的な天板幅を100cmとすると、+10cm以上のゆとりがあります。天板の上により多くのモノを置く余裕があるだけでなく、ワゴンをセットした状態でも端ギリギリに座る必要がなくて少なからず中央寄りで机に向かうことができます(右利きの場合は左側にも少し余裕がある)。
足元が広い

足元にも余裕が生まれます。これにより、椅子の出し入れが楽になりますし、椅子を自分で引けない年頃でも斜め後ろから滑り込みやすくなります。回転チェアの座面を回転させることもできます。
ほか、バランスチェアなど幅広の椅子も置けるうえ、椅子を買い替えるときも選択肢が多くなります。お子さんが成長して大人と変わらない体格になっても窮屈ではありません。
ただし、同様のメリットを得るには他の選択肢もあります。ノーマルワゴンではなくスリムワゴンをセットする、もしくはワゴンをセットしないという方法です。もちろん収納量は減りますが、収納量はデスク横の書棚などで補うことも可能です。
デメリット
- 家具レイアウトが難しくなる
- 置ける場所が限られる
- 他の家具を置く場所が減る
- あかりが届かない場所が生じやすい
- 価格が高くなる
家具レイアウトが難しくなる

家具を何も置いていない子供部屋でも、家具を置くことのできる壁面はそれほど多くありません。
セオリーとしては、ドアや窓、クローゼットの扉が干渉しない範囲でまずベッドを置きます。残ったスペースに学習机や書棚などを配置するのですが、日本の住宅は畳モジュール(=約90cm単位)であることが多いので、それ以上に幅を取る学習机を置くことができる場所は限定的です。
広々とした6畳間であっても、北枕は避けたい、エアコンの風が直接当たるのはイヤだ、などと要望を重ねていくと、机は置けてもその横に書棚を置くスペースが確保できないということはよくある話です。
たかが10cmと思われる方が多いですが、1cm大きくてもどうにもならないのが家具レイアウトの難しいところです。全体の配置をよく考えたうえで、できれば将来的な模様替えの可能性も考慮してサイズを決めるようにしましょう。
あかりが届かない場所が生じやすい

あとは些細なことですが、広い範囲を照らすことができるJIS規格AA形相当のデスクライトでもカバーできるのは原則として幅100cmの天板面です。110cm以上になると、端まであかりが届きにくくなります。デスクライトはできるだけシェードの幅が広いものを選ぶようにしましょう。
価格が高くなる
デスクの幅や奥行をコンパクトにすることで価格を抑えている学習机があることからも分かる通り、天板の幅が広くなれば当然コストが上がります。また、幅110cm以上の学習机は国産品が多く、予算を多めに見積もっておく必要があります。
幅110cm以上のデスク10選
カリモク家具/ボナシェルタ
幅110cm以上のデスクとしてもっともメジャーなのは、カリモク家具の「ボナシェルタ」でしょう。ボナシェルタは脚が太いため、幅約41cmのワゴンをセットして椅子を収めるには幅110cm以上を選ぶ必要があります。
ボナシェルタのもっとも大きなサイズは幅180cm。カリモク家具には「ユーティリティプラス」など他にも幅110cm以上のデスクが多数ラインナップされています。
浜本工芸/No.89デスク
浜本工芸の学習机はほとんどのモデルに幅110cmが用意されています。と言うか、110cmしかないモデルすらあるほどです。
「No.89デスク」は幅110cmのデスクのひとつに過ぎないのですが、以前は幅120cmもありました。現在は幅最大180cmの「No.6000デスクユニット」があることが最大の理由でしょうけど、幅120cmはさすがにちょっと大きすぎると感じる方も多いのかもしれません。
コイズミファニテック/ビーノ
一方で、コイズミファニテックは「ビーノ」のほか、「ファリス」、「ルトラ」、「ワイズ」など多くのモデルに幅120cmのデスクを用意しています。「WD」シリーズから幅110cmがなくなって10年以上経ちますが、ワイドなデスクには一定の需要があるということなのでしょう。
ウィドゥスタイル/セレクト
ビーノと同様にサイズバリエーションが豊富なのがウィドゥスタイルの「セレクト」。幅110cmがあります。サイズだけでなく、カラー、脚形状も選ぶことができ、ワゴンなど関連商品も豊富。おまけに、天板は丈夫なセラウッド塗装で、引出しは浜本工芸に負けないくらい堅牢。なのにビーノと比較してもお手頃価格です。
堀田木工所/グリッド
堀田木工所にも幅110cmのデスクがいくつかありますが、今回は島忠ホームズで販売されている「グリッド」をピックアップしましょう。
グリッドは浜本工芸の「No.09デスク」に似たスタイルでありながら、価格は3点セットで10万円強とお手頃です。No.09デスクと違って奥行は60cmしかないものの、上棚がミドルハイなので天板面は割りと広く感じられます。もちろん上棚なしもOKです。
一生紀/フリンク
お次はテーパー脚繋がりで一生紀の「フリンク」。幅は110cmとワイド、奥行は50cmでコンパクトなので、リビングダイニング向きと言えます。何よりウォールナット突板というのはレアですよね。
オフィスコム/AL


オフィスコムの「AL」には幅120cmと140cmがあります。このボリュームで4万円強なのですからコスパが素晴らしいです。
上棚ロータイプのほか、上棚なしもOK。スチールワゴンを組み合わせることもできます。奥行は60cmと70cmから選ぶことが可能です。なお、同社「オフィスデスク」 にも幅120cmと140cmがあります。
アクタス/フォピッシュ2

アクタスの「フォピッシュ2」は現在は幅100cmと110cmがありますが、もともとは110cmです。浜本工芸のNo.89デスクの真似をしたなんて言ったら、お上品なコクヨのグループ企業でもさすがに激怒するでしょうね(苦笑)
無印良品/木製デスク オーク材

冒頭でさんざん無印良品のインテリアシミュレーターのパース画像を使いながら、これを紹介しなかったらバチが当たります。「木製デスク オーク材」は天板サイズが110×55cmのシンプルなデスク。腐ってもオーク無垢で6万円台とお手頃価格です。
ニトリ/ゲーミングデスクGM002
最後は初めてこちらで取り上げます、ニトリの「ゲーミングデスクGM002」。幅118cmのほか、140cmもあります。奥行は63cmです。
引出しが付いていませんが、それはカリモク家具のボナシェルタも同じです。価格は約2万円でも横揺れしませんから、学習机として使ってもまったく問題ないと思います。むしろお子さんがこのデスクを気に入って勉強してくれるなら、親としては喜ばしいのではないでしょうか。
以上の通り、幅110cm以上のデスクを選ぶメリットとデメリットについて説明したうえで、幅110cm以上の学習机を10点ご紹介しました。
我が家も幅110cmの学習机を子供に使わせているということもあり、基本的にはオススメできると思います。”大は小を兼ねる”というわけではありませんが、やっぱりゆったりしているのは良いです。天板面が広いだけでなく、足元に余裕があって、椅子の買い替えの際も選択肢が多いのは助かりました。
一方で、そのために収納家具をコンパクトにせざるを得なかったり、家具レイアウトの融通が利かなくなってしまうのは困ります。幅110cm以上のデスクを選ぶなら、そういった問題をクリアにしておく必要があるでしょう。
ちなみに、学習机の横に書棚を置く場合は、最低で幅45cm、標準で幅90cm程度が理想です。我が家は子供部屋にクローゼットを設けていないので、幅80cmのスチールユニットシェルフを2本連結して置いています。
デスクに限らず、家具の10cmはメリットもデメリットも大きいので、全体のバランスをシッカリご検討ください。
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