ぶっちゃけ私はコイズミファニテックのLEDデスクライトが学習用としては最強だと思っています。それ以外で認めるとしたら、クレオ工業、ベンキュー、山田照明、興和くらいでしょうか。
でも最近は安くてそれなりのデスクライトも少なくないんですよねー。amazonなどを見ると、調光&調色機能付きで割りと高演色のものが2千円台から買えたりします。肝心のあかりの質がイマイチだったとしても、価格を考えれば「とりあえずこれでいいか」と思ってしまう方もいることでしょう。
ところが先日、ネットで調べ物をしていたら、たまたまとんでもなくコスパが良さそうなデスクライトを見つけてしまいました。LED照明全般で高いシェアを持っているアイリスオーヤマの商品です。
「これはコイズミファニテックの牙城を崩すかもしれない…!」
ということで試しに買ってみました。今回はそのレビューをお届けします。
※この記事は2022年12月7日時点の情報に基づいています(2023年6月14日一部更新)
アイリスオーヤマ・LDL-TCDL-B
今回ご紹介するのはアイリスオーヤマのT型デスクライト「LDL-TCDL-B(クランプタイプ)」です。
発売されたのは1年以上も前なのですが、店頭で見ることがなかったためその存在にまったく気付きませんでした。しかしながら、これはスペックを見る限り「テレワークはもちろん学習用としてもオススメできるに違いない!」と勝手に確信して、購入に踏み切ったわけであります。
T型というよりZ型(アーム式)
アイリスオーヤマのLDL-TCDL-BはT型デスクライトと名乗っていますが、コイズミファニテックの「LEDモードコントロールストレートライト ECL-653」のような支柱式ではありません。一般的にはZ型とかアーム式と呼ばれる構造です。形状としてはイトーキの「L-78」やくろがね工作所の「TS-A19」に近い感じですね。
なお、シェード幅は420mmありますから学習用としても十分使える大きさです。
アルミ製のシェードとアーム
しかし、アイリスオーヤマのLDL-TCDL-Bのシェードとアームはアルミ製なんですよ。そのため、プラスチック製のイトーキやくろがね工作所のように安っぽくなく、動かすたびにミシミシいうこともありません。ただし、肝心の関節部分はプラスチックですから、残念ながら山田照明の「Zライト」のようにスムーズには動きません。
なお、アルミ部分の表面はおそらく粉体塗装。さらっとした質感で指紋などがつきにくく、キズにも強いです。
クランプ式とスタンド式の2タイプ
こちらのデスクライトは今回購入したクランプ式とスタンド式(LDL-TBDL-B)の2タイプが用意されています。
クランプは天板厚40mmまで対応しているので、天板厚が37mmあるカリモク家具の「ボナシェルタ」でもOK。なお、天板の出っ張りは50mm以上必要なので、天板下に背板(幕板)がある場合はご注意ください。
スマホスタンドにもなるリモコン付き
アイリスオーヤマのLDL-TCDL-Bには特筆すべき点がいくつもあります。そのうちのひとつが、付属のリモコンで電源のオンオフはもちろん、調光、調色ができるということです。これなら子供でも操作が容易です。
しかも、このリモコンはご覧の通りスマホスタンドにもなります。タブレット端末も立てることができますが、厚みが増すほど画面がかなり垂直に近い感じになります。
なお、リモコンは調色や調光の際に便利なものの、ボタンは結構固めです。強く押さないと反応しません。
マグネットでスチール面にくっつく
このリモコンは内部にマグネットが仕込まれており、スチール面にくっつけることが可能です。スマホスタンドとして使わないときはパソコンやスチールラックにくっつけておけば邪魔になりません。机の上が散らかっている場合も紛失するリスクが少なくなって良いですね。
なお、リモコンにマグネットが内蔵されているのは、スタンドタイプの台座にくっつけられるようにしてあるためです。
リモコンの電池が特殊
実はパッケージを開けたときに一番驚いたのがコレでした。リモコンの電池なんですけど、見たことのないサイズ。12V 23Aというアルカリ電池で、同様に家電のリモコンやセンサー機器などに使われるそうです。
もっと一般的な電池で代用できなかったのかと思いますが、これがグローバルスタンダードということでしょうか。
シェード右端でも操作可能
リモコンの電池が切れても本体のみで操作することができます。正面から見てシェードの右端にタッチボタンが付いており、電源オンオフのほか、点灯後1秒以内のタッチで段階的に調色、長押しで無段階調光が可能です。
タッチ操作なので、ボタンを押そうとしたらシェードが一緒に動いてしまうということがないのはノンストレスで良いですね。なお、リモコンと本体のどちらで電源を切っても、再び電源を入れた際には直前に設定した色温度と光量を再現するメモリー機能付き。これは素敵です。
2.1AのUSB給電ポート付き
スマホなどの充電に便利なUSB給電ポートも付いています。しかも2.1Aありますからタブレット端末などの充電もOK。なお、スタンドタイプも台座に同様のポートが付いています。
JIS規格AA形相当&直下1700ルクス
とまあ、アイリスオーヤマのLDL-TCDL-Bにはスマホスタンドにもなるリモコンで操作できたり、2.1AのUSB給電ポートが付いていたり、調光&調色が無段階でできたりとスゴイわけです。
しかし、そんなのは私にとってはオマケみたいなもの。肝心のあかりが学習用として認められるようなものでなければ意味がありません。
ところが、こちらのデスクライトはその点でも抜かりなく、JIS規格AA形相当、直下照度は1700ルクスとなっています。つまり、100cm幅の机の端でも250ルクス以上の明るさが確保されており、直下は2000ルクスを超える力技で照度をキープするような欠陥品ではないということです。
そこで、いつものように簡易照度計で照度を計ってみました。まずはもっとも白っぽいあかりの昼光色から。すると、半径50cm円周上は450ルクス前後となりJIS規格AA形相当は十分満たしているものの、直下は2000ルクスを超えました(測定高さ40cm)。
「直下1700ルクスじゃない!」と思って電球色でも測定してみたところ、直下は1730ルクスとなりました。この状態でも半径50cm円周上は350ルクス以上となり、JIS規格AA形相当は満たしています。
つまるところ、表記の直下1700ルクスというのは、未だ「照明器具は明るければ明るいほど良い」と主張するクレーマーへの対策と考えられます。直下2000ルクスはちょっと明るすぎる感はあるものの、減光もできますし、個人的には合格点を与えられるレベルだと思います。
なんと5千円台で購入可能!
これだけ高機能なアイリスオーヤマのT型デスクライト「LDL-TCDL-B」、さぞお高いんでしょうと思われる方が多いに違いありません。しかし、こちらがなんと5千円台!(税込5,533円@便利生活マイルーム)
やすーい♡(by夢グループの通販でお馴染みの保科有里さん)
いや、冗談抜きでこれは激安ですよ。調光&調色機能を備えたデスクライトは2千円台からでもありますが、JIS規格AA形相当で直下2000ルクス、アルミ製シェード&アーム、おまけにリモコンとUSB給電ポート付きなんて贅沢スペックなら、普通は2万円を下らないでしょう。しかも、アーム式もスタンド式も選べます。
潤沢な予算を確保できる人ならコイズミファニテックやベンキューのデスクライトのほうが良いと思いますが、学習机のほうを頑張りすぎて予算が厳しくなってしまった方にはかなりオススメできると思います。
ただし、ちょっと眩しい
ただし、このデスクライトも完璧ではありません。コイズミファニテックやベンキューに比べるとちょっと眩しいと感じます。
これはおそらく広い範囲に光を拡散することを重視した設計で、眩しさを抑えるということに注力していないからでしょう。もっとも、シェードをちょっとチルト(傾ける)すればほとんど問題ないですし、LEDデスクライトは多かれ少なかれ眩しいものだと割り切れば許せる範囲だと思います。
アームが背面の壁にぶつかりやすい
眩しさよりもウィークポイントだと感じるのは、アームが意外と扱いづらくて、子供が使うと壁にガンガン当ててしまう可能性が高いという点です。
このデスクライトはJIS規格AA形相当で一般的な学習机の天板面全体をムラなく照らすことができます。しかも、シェードがチルトするので、反射を抑えることもできます。なので、あとは精密作業をする際に前後方向にシェードを動かせればOKなことが多いと思うのですが、単純に前後にシェードを動かそうと思ったら上写真のアームの状態にする必要があります。しかし、これだと机の後ろの壁にガンガン当たっちゃうんですね。
下アームを直立させて使うのがコツ
そういった事態を避けるにはちょっとコツが必要です。基本的には上写真のように下アームを直立に近い状態にし、上アームを下げ気味にして旋回すれば良いのです。その場合、クランプはデスク奥の中央よりも左または右に寄せて取り付けたほうが扱いやすいと思います(もしくはデスクの側面に取り付け)。
ちなみに、学習机メーカーのアーム式デスクライトは上下とも30cm前後であることが多いのに対し、こちらは上アームが37cm、下アームが38cmと長いことも扱いづらい要因と考えられます(スタンド式のほうは上が30cm、下が38cm)。
というわけで、アイリスオーヤマのT型デスクライト「LDL-TCDL-B」はめちゃハイスペックなのに信じられないほど安い!この一言に尽きると思います。ちょっと眩しいとか、アームを壁にぶつけやすいとか、難点も少々ありますが、この値段でそれを言うのは酷というものでしょう。
学習机本体を奮発しすぎてデスクライトまで手が回らない方はもちろん、テレワーク用にデスクライトを探している方にも超オススメです。こんな値段で販売を続けたらアイリスオーヤマも大赤字でしょうから、遅かれ早かれ廃番になるんじゃないかと思います。そうなる前に急いでご購入ください。
コメント 皆様からご質問・ご意見など
収納マン様
先日はありがとうございました。悩んでいたライトですが、ECL-357を見たら予想以上に大きく、頭がぶつかりそうでしたので、結局611を購入しました!
「357は平机に設置すると邪魔になる。357は上棚に取り付けて上から照らすと最大限の効力を発揮できる。よって、私の幅95センチの平机には適していない」と結論づけ、購入に至りました。357が素晴らしいライトですが、泣く泣く諦めました。。。
611は使いやすいので満足です!
デスクと椅子(持っているニトリのアスナルをとりあえず使用中)、ライトとマットをセットし、リビングに勉強場所がやっとできました。
さて、アイリスオーヤマのこちらもライトもとても気になっているので購入する気満々でしたが、現在使用しているパソコンデスクはこのような形で上棚があります。
アイリスのものは611よりもさらにアームが長いため後ろ側に付けた場合、パソコンのデスクトップを超えて私側にきて、適した位置にライトが照らせないのでは?と思いました。
このようなタイプのデスクにライトを取り付ける場合は、以下のような上に取り付けるライトにしたほうが使いやすいですか?
安すぎですが・・・
・こんな感じのパソコンデスクを使用中です
息子はパソコンもよく使うので暗いのが気になります。
このパソコンデスクに良さそうなライトがあれば教えてください。
学習机ではなくてすみません。
ガラスの三十代さま
ECL-611を購入されたのですね!
サイズ感、操作感、そして壁にアームをぶつける心配がないということで、やはりこれがベストチョイスなのだと思います^^
さて、今度はご家族で使われるパソコンのライトをお探しということですかね。
ご検討中の「SOAIY デスクライト」については照度や光束に関する記載がなく、ちょっと私では判断しかねます。
デスクトップパソコンをお使いということでしたら、以下のようなものはいかがでしょうか。
BenQのスクリーンバーが発売された当時は画期的だったのですが、現在は類似品が多数販売されています。
この形状のデスクライトが良いのは、モニターに反射することなく、その手前の書類やキーボードを照らすことができ、おまけに設置スペースを必要としないというところです。
記事中にもあるようにノートパソコンには適しませんが、デスクトップパソコンなら最適だと思います。
amazonで見ると現在は3000円くらいから類似品が販売されていますが、今なおBenqのものが売れ筋上位になっているようです。
類似品は高演色で画面が鮮やかに見えるような表記が見られ、メーカー自身がまったく意味を理解していないように思われます。
(画面を照らすわけではないので、いくら高演色でも画面が鮮やかに見えることはあり得ません)
返信ありがとうございます。
良さそうですね。確かに安いものを買って失敗するよりも、きちんとしたものを購入したほうが長く使えますよねー。
じっくり検討します!
ガラスの三十代さま
BenQのデスクライトはとにかくセンサーが良くできているので、ストレスなく使えると思います。
またお役に立てることがあれば、いつでもお気軽にご相談ください^^