子供にとって最適な学習環境を考えるうえで、学習用デスクライトは学習机と切っても切れない関係です。
ただ、私はもともと家具メーカーに勤めていた経験から学習机の評論をするようになったのであって、デスクライトに関しては無知と言って良いほどでした。そのため、照明器具メーカーを取材するなどして勉強して現在に至ります。
しかしながら、デスクライトについて学ぼうとすればするほどドツボにハマりました。デスクライトを作っているメーカーも肝心なことは分かっていないというか、LED素子メーカーでないと分からないことが多いのです。そこで、最近はもっと視野を広げて照明全般について勉強しています。
そのような折りにタイミング良く、灯りナビゲーターの結城未来(ゆうき みく)先生の講演を拝聴するチャンスに恵まれました。
※この記事は2019年3月23日時点の情報に基づいています
灯りナビゲーター・結城未来先生
結城未来先生はフリーアナウンサーとしてテレビなどで活躍される一方で、灯りナビゲーターとして照明を含む灯り全般が健康に与える影響などについて取材を重ねるなどして研究されています。
上の写真はご講演のあとに無理を申し上げて一緒に撮っていただいたもの。まさしく美女と野獣の構図ですが(苦笑)、まあ本当にお美しい方なのです。私は舞い上がって、IDカードまでねじれてしまっています(爆)
頭がよくなる照明術
結城未来先生はもちろん、お美しいだけではありません。さすがアナウンサーだけあって頭がいい。おまけに行動力もあります。ご自身の経験をひも解くだけでなく、全国の医師に取材を重ねるなどして『頭がよくなる照明術』を執筆されました(ほかにも著書多数)。
頭がよくなる照明術と聞いて、興味がない方はこちらにはいらっしゃらないでしょう。九州大学と
新潟大学で非常勤講師としても活躍されている、正真正銘あたまの良い結城先生が頭の良くなる方法を説くわけですから間違いなどあるはずがありません。当日のご講演タイトルも同じく「頭がよくなる照明術」でした。
私たちは光にコントロールされている!
当日のご講演の内容をここに詳細に記すことはできませんが、要旨は先にご紹介した本に沿ったものです。こちらでは、そのエッセンスを簡単に紹介させていただきたいと思います。
「頭がよくなる照明術」と聞くと、どこぞのデスクライトを買って子供に使わせれば頭が良くなるのかと思われるかもしれません。しかし、そういうことではないのです。照明は上手に使えば心身に非常に良い影響を与えることができるということなのです。
普段、私たちは無意識のうちに照明にコントロールされています。たとえば、高級レストランではゆっくりと寛いでディナーを楽しむことができます。一方で、ファーストフード店ではお腹を満たせばサッサと店を出てしまいます。誰と一緒に行くかで変わるところもあるでしょうが、照明にコントロールされていると言える部分があるのです。
もうちょっと真に迫って申しますと、就寝前に色温度が高い照明の下でガリガリと勉強してから布団に潜ってもスムーズに眠りに入ることはできません。集中力が増すということはつまり、体が緊張状態になってしまっているからです。
また、色温度が高いデスクライトで勉強をすれば集中力が高まるわけですが、2時間ほどで集中力が落ちてしまうそうです。これは短距離走を走る勢いでマラソンを走り続けることはできないのと同じ理屈ですね。しかし、色温度を低くしてリラックスさせてやると、再び集中力が高まるそうです。
さらに、色温度が低い状態で勉強をすると効率良く暗記できるということです。そのまま布団に入れば良質な睡眠を得ることができて一石二鳥。「頭がよくなる照明術」とはつまり、生活とは切っても切り離せない照明との上手な付き合い方のことなのです。
光は「色・高さ・当て方」が重要
もうひとつ重要なこと。それは光の効果を最大限に得るには「色・高さ・当て方」を工夫する必要があるということです。逆に言えば、ただ明るければ良いというわけではないということです。
色についてはこちらでデスクライトの調色機能の重要性を何度も説いていますのでお分かりですね。色温度が高いと文字がくっきり見えるだけでなく、集中力が高まります。反対に色温度が低いとリラックスすることができます。
高さについては普段あまり意識していない方が大半だと思います。家の中では天井にシーリングライトが付いているだけということが多いですからね。しかし、光の位置は低ければ低いほど刺激が少なく、安心感を得ることができます。
最後の当て方は、簡単に言うとデスクライトが机上を照らすように直接当てるか、壁などに反射させて間接的に当てるかということです。間接照明を使うことで空間を広く感じさせたり、視線の先を明るくすることで気分まで明るくすることができます。
結城先生の「頭がよくなる照明術」は単に照明器具をどう使うかという話で終わりません。日照やロウソクの炎も含めて「あかり」と上手に付き合うことで、健康で快適な暮らしを実現することを目的としています。
照明は現代の生活に必須であり、知っておいて損はありません。お子さんの勉強や健康に影響が大きいことを考えればなおさらです。お子さんだけでなく、大人の日々の仕事や睡眠にも大きな影響があります。その影響は実に多岐に渡りますから、私のかいつまんだ話ではなく、是非とも本をお買い求めいただいて読まれることを強くオススメします。
コメント 皆様からご質問・ご意見など
収納マン様、初めまして。高校生のはまこーと申します。
自宅学習で使っているデスクライト(スワン電器 AS-743)だと目が疲れてしまうので新しいものを購入すべく、収納マン様のブログを拝見させてもらっています。
当方が使用するデスクは140cm幅と大きめですが、おすすめのデスクライトがあればご教授お願いします。
今のところ、検討しているのは山田照明「Z-S7000」かコイズミ「ECL-357」、「ECL-611」あたりです。
また、Benqの親子デスクライトにも興味をそそられてはいますが、値段が高いので購入は難しそうです
大学生になっても使えるデザインを考慮すると、山田照明がいいかなと思いつつもスペック的にはコイズミのほうかなあ…と悩んでいます。
アドバイスよろしくお願いいたします。
はまこーさま
はじめまして^^
スワン電器のAS-743について調べてみたところ、いわゆるパワーLEDを2つ使ってJIS規格AA形相当の照度を実現しているので、かなり眩しいことが推定されます。
眩しさについては個人差はあるものの、多灯式(LEDを複数使用)でできるだけシェード幅が広いものに変えることで、問題を解決することができると考えられます。
それでもさすがに140cm幅全体というのは難しいですから、そこはアームを適宜動かして対応するか、明るいシーリングライトを設置することが望ましいでしょう。
(シーリングライトについては今夜公開予定の記事で取り上げます)
以上を踏まえまして、BenQの親子デスクライトは予算的に厳しいということで、山田照明のZ-S7000、コイズミファニテックのECL-357、同ECL-611あたりが候補に挙がるということですね。
コイズミファニテックは一般的な照度分布図は公表していないのですが、ECL-611はECL-357に比べると狭い範囲しか照らせないので、はまこーさんの条件には合わないと思います。
直立した支柱ゆえ、アームの可動範囲も狭いです。
また、ECL-357は直下1100ルクス、半径50cm地点で500~750ルクスとなっています。
これはZ-S7000の直下1255ルクス、半径50cm地点では250~266ルクスと比較して、直下は明るさが押さえられている一方、広い範囲までムラなく照らせると言えます。
よって、デザインの好みは別として学習用としてはECL-357の圧勝です。
ECL-357の姉妹モデルと言える浜本工芸の「C3763」ならデザインがスマートです。
ただし、直下1420ルクス、半径50cm地点で390~420ルクスと、性能面ではECL-357に少し劣ります。
また、価格が倍ほど高くなります。
なお、ECL-357よりも家電量販店ルートの「SCL-357」のほうが若干安いことが多いです。
写真で見たり店頭で見降ろすと大きくて野暮ったく見えるECL-357(SCL-357)ですが、普段使っていると意外に圧迫感はありません。
もちろん大学生や大人が使っても問題ないレベルだと思いますので、コスパを追求するならやっぱりSCL-357がもっともオススメです^^
早速のご返信ありがとうございます。
浜本工芸のデスクライトという選択肢もあるんですね。
魅力的なライトが多くて決めかねていましたが、収納マン様のおすすめ通り「SCL-357」にしようかと思います!
貴重なアドバイスありがとうございました。
はまこーさま
SCL-357、お気に召せば幸いです^^