近年はリビングダイニングに学習机を置くご家庭が増えています。リビングダイニングに学習机を置けば子供が賢くなるかどうかはともかくとして、親の目の届く範囲で子供が勉強してくれれば家事がスムーズにできますし、親子ともに安心感を得られることは事実だと思います。
それはさておき、リビングダイニングに学習机を置こうと思うと、どうしても不都合なことがあります。スペース的に難しかったり、レイアウトが難しいだけではありません。一般的な学習机とダイニングテーブルは天板のサイズと高さが同じくらいであるため、それらが近い場所に置いてあると、どうしても違和感が生じやすいということです。
インテリアコーディネーターとしてはこれは見るに堪えない状況です。しかし逆に言えば、学習机とダイニングテーブルが別のものに見えるようにすることでこの問題は解決することができます。そのためのコツは以下の3つです。
- 学習机は天板の奥行が浅いものを選ぶ
- 天板昇降式デスクを選ぶ
- テーブルと学習机の色などを揃えない
では、これら3つのコツを順番に詳しく見ていきましょう。
LDに最適な学習机を選ぶ3つのコツ
1. 学習机は天板の奥行が浅いものを選ぶ
リビングダイニングに学習机を置く場合、学習机はできるだけ天板の奥行の浅いものを選びましょう。サイドボードやTVボードなどと奥行が近くなるように、奥行45~55cmのものを選ぶのがベターです。
ほかの収納家具などの奥行と学習机の奥行が近くなると、視覚的には学習机の天板がテーブルのように見えなくなります。そのため、ダイニングテーブルと学習机という同じような天板がひとつの部屋に2つもあるという違和感が生じないのです。
ただし、学習机の奥行が浅いということは、子供が成長して受験勉強に取り組む時期になると不利を感じる可能性があります。教科書類とノートを奥と手前に並べるには不十分だからです。そのため、そのデメリットを少しでも解消するために、幅の広めのものを選ぶことが理想的と言えるでしょう(幅120cm程度)。もしくは、ワゴンをプラスしてL型デスクのように使えるようにするのも良いと思います。
ほか、組み替え式デスクの一部モデルのように、将来的に天板の奥行を拡張できるタイプの学習机をチョイスするというのもひとつの方法です。
2. 天板昇降式デスクを選ぶ
問題のひとつはダイニングテーブルと学習机の天板の高さが近いことにあるのですから、学習机の高さを変えることで解決可能とも考えられます。その点で、天板昇降式デスクを選ぶというのは良い方法かもしれません。新入学児から子供部屋に移るまではリビングダイニングでデスクの天板を低くして使用することで、ダイニングテーブルと同じようには見えず、子供にとって座りやすい高さとなり、しかも圧迫感を軽減することもできます。まさに一石三鳥です。
ただ、第二次天板昇降式デスクのブームが終わってしまったことで、現在はその選択肢がかなり少なくなっています。最初は浜本工芸の「No.17デスク」(上写真)とチェアを購入し、子供部屋に移ってからワゴンを買い足すというのが現実的な方法と言えるでしょうか。
3. テーブルと学習机の色を揃えない
インテリアのセオリーのひとつに「家具などの色を統一する」というのがあります。しかし、ナントカの一つ覚えのように家具の色を統一させると逆効果になることが多々あります。ダーク系で揃えれば部屋が暗く感じられますし、ナチュラル系で揃えるとこれは膨張色ですから存在感が強くなりすぎることもあるのです。それだけでなく、今回のケースで言うと、ただでさえ同じくらいのサイズかつ高さの天板の学習机とダイニングテーブルが色まで似ていると、もう本当に同じようなものが2つもある状態になってしまいかねません。
こういった状態にならないようにするためには、学習机とダイニングテーブルの色は違うものを選ぶのもひとつの方法です。これから購入する学習机の色をほかの収納家具や、壁や建具の色に近いものにすることが望ましいと思います。そうすると、学習机とほかの収納家具などの一体感が増し、より良く「同じようなテーブルが2つもある状態」を回避しやすくなります。
色だけでなく、材質やデザインの面でダイニングテーブルとは違った感じのものをチョイスするというのも良いでしょう。意外と木目や塗装、質感などが異なるだけでも違った感じになるものです。
以上、リビングに置くのに適した学習机を選ぶコツはご理解いただけたでしょうか。デスク天板の奥行や高さ、色や質感などを敢えてダイニングテーブルと違う感じにすることで、同じような天板がひとつの空間にあるという違和感を回避することが可能です。逆に言うと、何でも揃えてしまえば良いというわけじゃないということですね。
ただし、これはあくまでインテリアコーディネートの話です。子供の学習環境を第一に考えれば奥行が広いに越したことはないと思いますし、理想的な機能や好みのデザインの机を買ってあげたいと思うのが親心というものでしょう。インテリアは二の次で学習机をドンと置いてしまうというのも、私は決して悪くないと思いますよ。
コメント 皆様からご質問・ご意見など
はじめまして。れんぽこ母と申します。
小1から小2へ上がる子供へリビングに置くデスクを探していたところ通りがかりコメントさせていただきます。
記事を参考にデスクは3種類まで絞りました。
1.ALデスク(デスク+机上ラック セット 2段タイプ デスク幅1000mm×奥行600mm)
2.コクヨ リーン 幅100×奥行60cm
3.コクト ストラタ H720 幅(mm)1000 奥行(mm)600
ここにライトはECL-357、C3764のどちらかを。
ワゴンは収納マンさんが使用されているオフィス用のもの検討しています。
組み合わせ的に大丈夫なのかが不安なのと、リーンでは収納力がないのでストラタではどうだろうと思いましたが口コミが全然ないので困ってしまいました。
お返事頂けますと幸いです。
れんぽこ母さま
はじめまして^^
オフィスコムのALデスク、コクヨのリーンとストラタの3台を候補に挙げられているところですね。
個人的にはナイスチョイスという感じです^^
ただ、ALデスクはECL-357などのクランプ式デスクライトを取り付ける場所が悩ましいところです。
ECL-357のシェード高は50cmが基準となるので、机上ラックの最上段の棚板の側面にクランプを取り付けて、最上段の棚板と同じ高さまでシェードを下げるという方法がひとつ。
もうひとつはデスク天板側面にクランプを取り付けて、同じく棚板最上段と同じ高さにシェードを持ってくるかです。
前者の場合、最上段の棚板の左側が少しモノを置きにくい状態になります。
また、後者の場合、目の前をアームが横切るとともに、腕がアームに当たることもあるかもしれません。
個人的には前者のほうが妥当かと思います。
もしくは机上ラックは1段タイプを選ぶかです。
リーンは天板奥側が配線溝になっているとともに、天板奥に出っ張りがないのですが、読者の情報提供により、配線溝の左右ないし中央の穴の部分にECL-357を取り付け可能ということが分かっています。
ストラタもH720mmタイプならクランプ式のデスクライトの取り付けは問題ないでしょう。
ただし、足元棚の奥行が198mmあり、一方でワゴンWF036753の奥行は450mmなので、奥行600mmのデスクでは50mmほど手前に飛び出す形になります。
もっとも、それが気になるかどうかは人それぞれでしょう。
以上、ご参考になれば幸いです^^
いつも楽しく拝見しております。
とても参考になる記事を有難うございます。
この記事を読む前にリビングに学習机を購入してしまい大変後悔しています。
ただ学習椅子はまだ購入していないので色々参考にさせていただきたいと思っています。
早速ご相談なのですが、我が家がホワイト、ウッド家具メインなのですが、先日学習机をウッドのものを選んでしまいました。せめて椅子くらいはインテリア的に正解にしたいです。
椅子は黒か白かどちらの方がインテリア的に正解でしょうか。
私はど素人なのでどちらも良く見えてしまい、悩みに悩んでいます。
アドバイス、ご意見いただけると嬉しいです。
りんごさま
はじめまして^^
写真を拝見させていただきましたが、中間色の木目の家具で揃えられていて素敵じゃないですかー♪
ホワイト系のラグも壁とシームレスに繋がっているように見えて広々と感じられます。
レイアウトも機能的で、ごきょうだい(?)で適度な距離感が保たれていて、とても良いと思います。
こちらの写真はイトーキのトワイスをARで置いてみたものですよね。
完全に好みの問題だと思いますが、私はホワイトの椅子を置いたほうが素敵だと思います。
椅子って結構、存在感がありますからね。
ホワイトの椅子のほうが壁やラグに溶け込んで部屋が広く見えるように思います。
なお、「この椅子みてみて~!」と主張したいときはこの限りではありません。
むしろ存在感をアピールできる色を選んでもらえたらと思います。
以上、ご参考になれば幸いです^^