もう20年以上も前から、学習机は天然木のシンプルなものの人気が高まっています。しかしながら、天然木と言ってもピンキリで、安いものは木目が汚く、逆に木目が美しいものは高価です。また、高級材を使っているものほど作りに妥協がなく、価格が跳ね上がっていきます。
そんなわけで、学習机市場はどんどん二極化していっています。5万円台で買える天然木突板のベーシックデスクもありますが、浜本工芸やカリモク家具などはもはや20万円に届く価格帯です。
もちろん、その中間となる価格帯も選択肢は決して少なくありません。コイズミファニテックやイトーキのほか、堀田木工所や杉工場もあります。しかしながら、前者はシンプルという感じではなかったり、後者は自然塗装でキズや汚れが心配というところもあるかもしれません。
今回ご紹介する一生紀(いっせいき、ISSEIKI)の学習机も元々は自然塗装だけでした。しかしながら近年、ウレタン塗装のデスクも扱うようになって、私の中でも評価が上がっています。
※2024年8月2日一部更新
一生紀とは
一生紀は静岡県焼津市に本社を置く家具メーカーで、ベトナムで製造し、日本に輸入しています。学習机だけでなく、テレビボードや食器棚、ドレッサー、ダイニングセット、ソファ、ベッドなど、一通りの品群を扱う総合家具メーカーと言えます。
いずれの品群もオイル塗装を施したアルダー材の家具が中心ながら、ウレタン塗装や他の樹種も扱っています。学習机でベトナム製と言うと品質は中国製に劣る印象がありますが、一生紀に関しては主に自社工場で作っているためか、中国製に劣らない品質だと感じます。
家具販売店では大手や老舗よりも中堅で扱われていることが多いという印象です。自社ネット直販にも力を入れています。
一生紀の売れ筋デスク
Lデスク
一生紀は学習机のラインナップが多く、割りと人気が分散しています。そんな中でも、比較的人気が高いと言えるのは上写真の「Lデスク」。ロの字脚でシンプルなデザイン、それでいてリフティングワゴンが用意されており、コイズミファニテックの「ビーノ」よりも安いことから売れているのだと思います。
天板にコンセントがビルトインされているのもポイント高し。ただ、Lデスクはオイル塗装なのでキズや汚れの心配があるのが難点です。
エリス・キッズ
直線的なデザインのエルデスクに対し、「エリス・キッズ」は丸みを持たせた天板のデザインで人気があります。天板サイズが100×50cmとコンパクトなので、リビングダイニング学習だけでなくテレワーク用としても売れているのだと思います。
上写真のナチュラル色のほか、ナチュラルブラウン色も選ぶことができます。なお、いずれも天板はアルダー無垢ですが、ナチュラル色はオイル塗装、ナチュラルブラウン色はウレタン塗装となっています。価格は同じです。
リフレ
「リフレ」は天板がホワイトオーク突板のウレタン塗装なのでキズや汚れの心配は少ないです。塗装の重要性が分かっておらず雰囲気だけで買っている方が多いのか、未だにLデスクのほうが売れてはいるものの、ここのところリフレのほうが追い上げてきていると感じます。
リフレにはもともと上棚の用意はありませんでしたが、2024年8月から追加されています。また、リフティング式の3段ワゴンが用意されているので、無印良品の「木製デスク オーク材」の購入を検討されている方は選択の余地があるかもしれません。
フリンク
「フリンク」はウォルナット突板にウレタン塗装を施したデスクです。奥行が50cmとコンパクトなものの、逆にリビング学習やテレワークに向いていると言えるでしょう。
プリンターカートとの組み合わせならランドセルの収納スペースを確保するのにも良いかもしれません。
エクリュ
上棚付きのベーシックデスクで人気が高いのは「エクリュ」。一時的に流行ったツートンカラー、そしてテーパー脚というところも人気を集めているのでしょう。
ただ、エクリュは脚などはウレタン塗装であるものの、肝心の天板がオイル塗装です。コストの問題もあるのでしょうが、どうも一生紀はナチュラル色はオイル塗装、ダーク色やオークはウレタン塗装とする傾向があるようです。
圧倒的人気はフィオーレ
一生紀で人気なのはデスクよりもむしろ学習チェアの「フィオーレ」です。最近は新入学時に学習机を買わないお宅が増えており、その代わりにダイニングテーブルにセットする椅子として売れているものと思われます。
フィオーレが登場する前は、市場の「イートコ」くらいしかダイニングセットに合わせる4本脚の学習椅子ってなかったんですよ。ですが、イートコはあまりデザインが美しない割りに価格が安くなくて、そこにフィオーレを私がプッシュしたことで売れるようになったと考えています。
ちなみに、フィオーレは価格の安い組立品もありますが、私は完成品をオススメします。完成品のほうが丈夫だからです。ときどきネジの増し締めをする必要もありません。
一生紀のデスクはニトリにも
一生紀の学習机は主に中堅の家具販売店で扱われていることが多いですが、実は2024年度からニトリでも扱われています。販売元はニトリとなっており、一生紀が作っているという証拠はないものの、一生紀のカタログ商品と瓜二つなので間違いないでしょう。
以上の通り、一生紀の学習机はベトナム製だからと言って品質が劣るわけではありません。ぶっちゃけ、オイル塗装の机を買うなら国産の某メーカーと比べても遜色なく、むしろ価格は安く済むと思います。もはや日本製だから良い、海外製だから悪い、という時代ではないのです。
ともあれ、個人的にはキズや汚れの心配をすることなく学習机を使っていただきたいので、ウレタン塗装のリフレやフリンクあたりをオススメしたいところです。一生紀には公式ショップでは扱っていないカタログ外商品も多いので、いろいろ探してみていただければと思います。
コメント 皆様からご質問・ご意見など
はじめまして、学習机の購入を考えて、1年以上となりました。
入学時に購入を止めたものの、下の子の入学に合わせて再び検討を始めています。
当初は国産でと思っておりましたが、予算からすると我が家が購入できるのは無垢でオイル塗装。色々とブログで勉強させていただくと、オイル塗装はメンテナンスが無理ということもあり、候補から外れました。
そうなると、国産を諦めるしかないのですが、材質の素材が気になります。
オススメされている学習机は例え外国産でもそれなりの質がある学習机ということでしょうか?素材を見たところで素人では見分けることはほぼ不可能でして、お教えいただけると嬉しいです。
トアルさま
はじめまして^^
学習机の場合、国産家具でも輸入家具でも使われている木材はほとんどが輸入材です。
国内でまかなえるのは、ヒノキやスギくらいだと思います。
また技術水準についても、もはや輸入品に比べて国産品のほうが優れているとは断言できません。
国内で作られたものなのに輸入品に劣るものもありますし、国内で作ればただ価格が高くなるだけという感じもします。
輸入品でも安心して使っていただける学習机メーカーを具体的に挙げれば、コイズミファニテック、イトーキ、ヒカリサンデスクあたりでしょうか。
ただし昨今の円安により、必ずしも値頃感を感じにくい価格になってしまっていますが。
いずれにせよ、価格は正直です。
安いには安い理由、高いには高い理由があります。
上を見ればキリがありませんが、下を見てもキリがありません。
まずは気に入った学習机を見つけていただいて、不安を感じるところがありましたらご相談いただければと思います^^