
近年は学習机の新商品が発売される機会が少なくなっています。新しいカタログを手にしても、ラインナップが減っていたり、値上げされているだけ、ということも珍しくありません。
そんな中、大商産業(ニノキンデスク)だけは気を吐いています。2025年度は電動昇降デスクを一気に3台も登場させたほか、新作デスクも多数投入しました。その甲斐あってか、売場でも大商産業のデスクは勢いを感じさせられます。
さすがに2026年度は少し大人しくなるだろうと予測していたのですが、カタログを見てびっくり!ラインナップに大きく手が加えられているのです。
さて、2026年度の大商産業の学習机のラインナップはどのようになっているのでしょう。見どころをまとめてみました。
※この記事は2025年11月12日時点の情報に基づいています
手頃なスタンダードデスクを強化
GC-950
BC-950
大商産業は2025年度に多数の新型デスクを投入しました。その中に「CD-950」というモデルがあります。2026年度も継続されるのですが、従来よりもスペックをカジュアルにしたベーシックデスクで、セールスがとても好調だそうです。
CD-950がヒットした理由のひとつは、5万円前後という値ごろ感でしょう。そこで大商産業はラインナップをより厚くすべく、2026年度は姫系にアレンジした「GC-950」と、ブラック系を含む3色展開の「BC-950」を追加しました。
スッキリした印象のCD-950に対し、GC-950とBC-950は個性を強くしたわけですが、値ごろ感が評価されているのであればこれらもヒット間違いなしでしょう。
パイプデスク大幅増
近年、大商産業ではガチの学習机よりもパイプデスク(スチールデスク)の伸びが顕著だということです。私は「こんなのは学習机じゃない!」という偏見を持ってスルーしていたのですが、世間のニーズがそうなっているのであれば従わざるを得ません。
2026年度、大商産業はパイプデスクをなんと10モデル以上投入しました。その全てを紹介してもワケが分からなくなってしまいますので、私が注目した3モデルを以下にピックアップしたいと思います。
JD-240
2026年度のニノキンデスクのカタログ表紙を飾ったのが「JD-240」。袖に3段の棚を備えたメラミン天板のデスクです。幅1015mm、奥行515mmということで、リビングダイニングに置くのに最適なサイズ感となっています。なお、カラーは3色あります。
JD-151
「JD-151」はスノコ状のバックパネルが特徴です。スチール製のフック、トレー、ボードが付属しており、マグネットでプリントなどをピンナップすることができるようになっています。こちらの天板サイズは1000×500mmで前述のJD-240とほぼ同じです。天板はメラミンで、2色から選ぶことができます。
GO-110
「GO-110」はスチールメッシュが特徴的な上棚のあるシンプルなデスクです。こちらも天板はメラミンで、2色展開となっています。サイズは少しワイドな1080×500mm。なお、これら3モデルの実売価はいずれも1万円台後半といったところです。
低~中価格帯の木製学習机が大幅減
2026年度はパイプデスクが大量に投入された一方で、低~中価格帯の木製学習机がたくさんカタログから消えました。2025年度に登場したばかりの「WEX-100」(上写真)なども容赦なくリストラです。これは正直、驚きました。
これにより、大商産業の学習机ラインナップは、主力の学習机とパイプデスクに大きく分けられる様相となっています。ちなみに、約3万円で買える学習机としてオススメしている「LD-960A」は主力のひとつとして2026年度も健在です。ご安心ください。
オークシリーズ
ハンスD
先ほど、大商産業の学習机ラインナップはガチの学習机とパイプデスクの大きく2つに分かれたと申し上げたばかりですが、一方で、オーク材を使った大人っぽいシンプルなデスクも2つ加わっています。
まずひとつは、片袖机の「ハンスD」。天板はメラミンで、引出前板などがオーク突板、脚がラバーウッド無垢と思われます。
エレンD
もうひとつは「エレンD」。こちらは天板がオーク突板、脚はラバーウッド無垢と思われます。奥行は550mmでハンスDと同じ、幅はハンスDよりも少しワイドな1100mmとなっています。価格はいずれも4万円弱といったところ。
ぶっちゃけ、両者とも一生紀の「リフレ」などに比べるとコスパは良くありません。ただ、もともと大商産業の総合カタログに掲載されていた商品なので、基本的には大人用で、学習用としても注目してもらえたらラッキーという認識なのではないかと思います。
値上げはチェアなどに限定
気になる値上げについてですが、デスクに関しては全て据え置きです。一方で、チェアは例えば「スタイルチェアBC-101」が税別で1千円アップとなるなど、一部商品が概ね数%程度の値上げとなっています。
以上、2026年度の大商産業の学習机ラインナップの変化をお伝えしました。
大商産業なんて二流メーカーだと思ってらっしゃる方もいるかもしれませんが、ここは大手よりも小回りが利き、市場に敏感に反応します。なので、大手メーカーの動きを見るよりも消費者のニーズを的確に捉えることができると私は考えています。
それで言うと、いま学習机を買い求める消費者のボリュームゾーンは、ガチの学習机と言える組み替え式デスクと、デザインや機能がシンプルなベーシックデスクと、パイプデスクを含むカジュアルデスクの大きく3つに大別されると考えられます。一昔前ならコイズミ、イトーキ、くろがね、オカムラなど大手メーカーが独占していたガチの学習机の市場が細かく切り刻まれ、全体的に低価格帯に移行したと言えましょう。
もちろん、大商産業もそうなることを望んでいるわけではありません。もともと大商産業はコイズミファニテックと同等もしくはそれ以上のスペックでありながらより安くを志向したデスクがメインでしたからね。しかし、少子化と消費者の節約志向、ECを含めた他社との競争の結果、現在のラインナップに変化していったというところです。
少子化は予想できていたことなので、本来は単価アップで売上を維持するのがセオリーです。しかし、現状は減る一方のパイを低価格帯で奪い合う様相となっています。困ったものですね(苦笑)



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