ここが変だよ家具業界!値引されるブランド家具、値引されない不人気家具

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先日ちょっと腹立たしいことがありまして。まあ、勝手に憤っているだけですけれども。こうなったらもう、全メーカーの値引率を晒してしまおうかと。いやいっそ、下代(卸価格)まで晒しちゃおうかと。そんな恐ろしいことを考えておりました(笑)

家具業界って本当に変な業界なんです。自動車業界、家電業界、アパレル業界、食品業界などで公正取引委員会が介入するような事件がたまに起こりますが、家具業界ではそんなことは日常茶飯事なんですね。表沙汰にならないだけで。私自身、家具メーカーに勤めていて、勤めている会社からも得意先からも理不尽な思いをさせられることが本当に多かったです。まあ私ごとに関しては、それ自体は良い勉強だったと思っていますが。

※この記事は2015年1月24日時点の情報に基づいています(2023年10月24日一部更新)

 

家具業界はもっとIT化を進めなければならない

家具業界が変なことは色々と挙げられるのですけれども、今回まずテーマにしたいのはIT化が遅れているということです。そもそも家具業界ってローテク産業ですが、だからといって外部環境と切り離されているわけではないのですから、IT化していかなければ社会の流れに付いていけずに置いとけぼりにされるばかりです。でも今までアナログでやっていけたし、IT化する費用も捻出できないし、そもそもよく分かんないし・・・で、未だに原始的なことをやっているわけですよ。

そんなわけでネット対応も非常にお粗末です。ホームページは作ったけど放りっぱなし。問い合わせても返事する人がいない。情報開示したら得意先の販売店からクレームが入りかねないからと言って余計にちゃんとしない。そんなことをしなくても「良いものを作れば売れる」と未だに真剣に思っているのです。IT化よりも気合と根性。そして義理と人情で得意先ともたれ合う。こういうことを頑張ってやってきたのが家具メーカーです(もちろん全部が全部ではないですが)。

情報を遮断するのではなく、もっとネットを活用すべき

冒頭でも言いましたが、私がその気になれば各メーカーの値引率でも下代でも全部晒してしまうことは可能です。でも今までも控えてきましたし、これからもそれはしません(たぶん)。ですがね、私がやらなくても誰かがやるんですよ。それがインターネットの世界なのです。

現実に、ネットでちょっと調べたら、さすがに下代までは出てきませんが、値引率については出てきます。特に標的にされるのはブランド化されている一部の国産家具メーカーの値引率ですね。家具メーカーの年寄り連中は知らないと思いますが、ネット検索にちょっと慣れた人が調べたらいくらでも出てきます。値引率だけじゃありません。様々な評判などもたくさん出てきます。

こういうのに対してはいくらメーカーが情報を開示しないようにしても無駄です。いやむしろ、情報が少ないから不都合な情報が表に出やすくなります。これに対抗するには逆に情報を発信し続けるしかないのです。公式ツイッターアカウントやFaceBookページでも作って情報を発信しつつ、消費者とコミュニケーションを取って、またそのためには専任のスタッフを置くべきだろうと思います。

たとえば住宅市場では競合他社が根も葉もない悪評をネット上に流布するということが横行しています。家具業界ではそういうことは少ないものの、そういうことが起こり得るからこそ情報発信が大切だということを家具業界の人たちはまったく理解していないのが現状です。

 

家具メーカーの成長を止めているのは家具販売店

今となってはごく一部に限った話ですが、家具メーカーが積極的に情報を開示しないのは家具販売店の存在が大きいと思います。競合になったらメーカーに文句を言い、値引を要求し、クレームが出たらメーカーの営業マンを呼びつける。ただ、現在はそういうことはほとんどなくなりました。それは業界が健全化のために努力したからではなく、そういう家具店が潰れていったからです。しかし未だにそういう店が残っているのもまた事実です。

で、放っておけば潰れていくようなそういう家具店の言いなりになっているメーカーが未だにあるんですね。コンチクショーと思いながらも、売上が減るのも支払いを遅らされるのも困るからです。でもこういうのとは早く縁を切らないと仕方ないと思うんですよ。そうしないと自分ところのほうがダメになっていくだけなんだから。

 

競合しない不人気家具をありがたがる家具販売店

競合し、値引き要求が強い一部のブランド家具を扱うことは、家具販売店の信用を高めるとともに集客力にもなります。インターネットの普及とともに消費者が地域の差なく情報を得るようになったことで、そのメリットはますます増大していると言えるでしょう。

それなのに一部の家具販売店はまったく逆の発想をするのですね。儲からないのはそういうブランド家具メーカーのせいだと言うのです。そして競争に晒されない不人気メーカーの家具は定価で売ってもお客も分からないから儲かると言うわけです。

 

結局、損をさせられているのは消費者

すいません。ここの下りまで何のことを言っているのか分からなかった人が大半だと思いますけど、要するに消費者は馬鹿にされてるんですよ!メーカーにも販売店にも!

ここで言う不人気メーカーがどこのメーカーということは差し控えますが、そういうところの家具は実質的な定価で販売されていたり、二重価格だったりするわけです。どこに行っても置いてあるというわけではないから競争が起きないし、話題にもならない。半値になったと喜んでいたら実は買った値段が実質的な定価だったりするわけです。

だから消費者は賢くならないといけません。あちこちの家具店で見て回って値引き交渉をしてみてください。どこを見てもほぼ同じ値段が表示されているというものは値引余地があると思って良いです。メーカーのカタログがないとか、ホームページに価格が載っていないというのは論外です。そういうのは不誠実なメーカーのすることですから、いくら値引きしてもらっても、何かトラブルがあったときに誠実には対応してくれないと思ったほうが良いでしょう。

 

私がこんなところでグダグダ言っても世の中は良くはなりません。ただ放っておいても、消費者のほうを向いていないメーカーや販売店は遅かれ早かれ潰れます。でも本当に良いものを作っているのに時代についていけていないだけのメーカーが多いのも事実です。とにかく、家具業界は零細企業が多いですからね。金はない、人はいない、だから売上を販売店に頼らざるを得ないのです(もしくはこれはメーカーの妄想かもしれませんが)。

あとちなみに、一応誤解のないように言っておきますが、多くの家具店はだいたいちゃんとしていますよ。ごく一部におかしなところがあるだけです。メーカーと取引きがないのに商品を並べている怪しいネットショップとか。もし今回の記事を読んで怒ってくるようなメーカーや販売店があったら、思い当たるところがあるから怒るのだと思います。だから消費者の皆様には安心して信用できそうな家具店で買っていただければ問題ないはずです。

2022/06/07追記:

ここのところ、「浜本工芸 値引き 交渉」というキーワードでこちらのページへのアクセスが多かったので、改めて記事を読み直しました。

この記事を書いた7年前と比べて、自社ホームページを活用するメーカーは増えたと思います。同時に、直接販売に乗り出すところも増えました。そういうこともあってか、オンラインショップ上の表示価格のまま抵抗なく購入する消費者も少なくないように思います。

逆に言うと、消費者としては怪しいネットショップで買って詐欺やトラブルに遭うのが心配なのです。私も公私に渡って家具や家電の価格をネットで調べますが、ちょっと安いと思ったら詐欺サイトらしきところということが少なくありません。Yahoo!知恵袋なども含め、デタラメな情報(というかむしろ悪意ある情報操作)も相変わらず多いです。

安心はタダではないと言われて久しいですけど、やっぱり何かあったときに逃げも隠れもしない地元の家具屋で買うのがもっとも安心です。2~3店舗まわってみて、値切るというよりは値引率や実売価を聞いてもらうと良いでしょう。

最近は配送コストが上がっており、以前ならたとえば大手国内メーカーの家具は2割引けたところも1.5割になっていたりします。個人的には、楽天市場のセール時のポイントバック率で配送までしてよく利益が出るなーと感心するところです。つまり、そこを計算してもらうと値引き率の上限はイメージしてもらいやすいのではないでしょうか。

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この記事を書いた人

学習机評論家。前職である家具メーカー勤務の経験をもとに、オススメの学習机を紹介しています。
日本で初めて一般家庭向け収納&インテリア・コーディネートサービスを始めて20年の収納&インテリアのプロでもあります。TVチャンピオン収納ダメ主婦しつけ王優勝。詳しいプロフィールはこちら

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