どんなモノでもそうですが、ある程度の予備知識がないとモノの値段というのは分からないものです。学習机の場合も、かたや2万円以下で一通りのパーツが揃うものもあれば、2万円では上棚すら買えないものもあります。
販売店によって価格が違うことは当然ですし、微妙に仕様が異なるオリジナル仕様というのもありますから、なおさら分かりにくいです。なので、今回は販売店をひとつに絞って、その中で価格帯によってどのような違いがあるのかをチェックしてみたいと思います。
というわけで今回は、LOWYA(ロウヤ)の1万円台から5万円台の学習机の違いを見てみましょう。
※この記事は2023年10月7日時点の情報に基づいています
【1万円台】ラピス
商品名 | 幅100cmデスク3点セット |
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税込価格 | 19,990円(送料無料) |
天板サイズ | 幅100×奥行60cm |
天板素材 | 合成樹脂化粧繊維板(塩化ビニル樹脂) |
カラー | 3色 |
ロウヤの「ラピス」は税込&送料込で19,990円という低価格。それでいて、上棚もワゴンも備えたベーシックデスクです。
どうしてこんなに安いかと言うと、その理由は主に2つあります。ひとつは引出しまですべて自分で組み立てるという仕様だから。手間が大変というところに注目しがちですが、素人が組み立てられるようにパーツを少なくしているとも言えます。
もうひとつはやはり素材が安いということ。学習机と考えれば安いですが、基本的には3段カラーボックスのような材質です。そう考えると逆に決して安くないと感じられることでしょう。
【2万円台】アニスク
商品名 | 学習机4点セット |
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税込価格 | 29,990円(送料無料) |
天板サイズ | 幅100×奥行50cm |
天板素材 | 合成樹脂化粧繊維板(塩化ビニル樹脂) |
カラー | 3色 |
お次の「アニスク」は前述のラピスよりも1万円高い税込29,990円。どこがもっとも違うかと言うと、こちらは書棚付きのいわゆる組み替え式デスクだからと言えます。また、ワゴン上段に鍵が付いています。
ただし、書棚の上段(上棚)は簡素ですし、デスクの脚はスキー脚になっていないなど、これで1万円アップというのはおかしいだろうと思わされるところもあります。アニスクが割高というわけではなく、むしろラピスのほうがかなり無理をして1万円台をキープしていると思われます。
【3万円台】クレステ
商品名 | 学習机3点セット |
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税込価格 | 35,990円(送料無料) |
天板サイズ | 幅100×奥行60cm |
天板素材 | 天然木(パイン材)※塗装不明 |
カラー | 1色 |
税込35,990円の「クレステ」は天板や引出し前板が塩化ビニル貼りの合板ではなく天然木になります。とは言えこの価格ですからパイン材です。”乾燥や加工がしやすくログハウスにも使われる”なんて紹介されていますが、要は軟らかくてキズが付きやすいうえに反りや割れも生じやすく、家具用というよりは建築構造材ということです。
それよりもコストアップに繋がるのが、ワゴンはほぼ完成品、デスクの引出しも自分で組み立てる必要がないということです。組立式の引出しに比べて手間がないだけでなく、格段に壊れにくくなります。
また、荷姿が大きくなるため物流コストもアップ。ロウヤとしてはこれもなかなか価格を維持するのが厳しいところでしょう。
【4万円台】タリッド
商品名 | 学習机3点セット |
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税込価格 | 49,990円(送料無料) |
天板サイズ | 幅112×奥行60cm |
天板素材 | 天然木(タモ材)ラッカー塗装 |
カラー | 1色 |
税込49,990円の「タリッド」は先ほどのクレステに比べると1.4万円もアップ。それでいて、書棚ではなく上棚になり、ボリュームはダウンしているようにも見えます。
しかしながら、キズつきやすくて反りや割れが生じやすく木目も美しくないパイン材ではなく、硬くて暴れにくく木目も良好なタモ材を使っています。
ウレタン塗装に比べて変質しやすいラッカー塗装ではありますが、5万円を切る価格でタモ無垢のデスクというのは他ではなかなかお目に掛かれないと思います。
ちなみに、ロウヤの4万円台には他に日本製の「クアデルノ」というデスクもあります。確かに引出しの作りはタリッドに比べると丁寧ですが、引出内部材は箱組みではないし、天板は強化プリント紙です。ちょっと訴求力が弱いと感じます。
【5万円台】ウィガン
商品名 | 学習机3点セット |
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税込価格 | 52,990円(送料無料) |
天板サイズ | 幅110×奥行60cm |
天板素材 | 天然木(レッドオーク)ラッカー塗装 |
カラー | 1色 |
「ウィガン」は5万円台、と言っても先ほどのタリッドに3千円足すだけの税込52,990円です。にもかかわらず、ワゴンの引出しが1杯増えます。また、タリッドはワゴン上段だけローラー式のスライドレールでしたが、ウィガンは全段フルスライドレールとなっています。
さらに、天板は一般的にタモよりも人気の高いレッドオークです。ニトリの「スタンダードデスク・メルシーDT」が突板天板、奥行55cm、フルスライドレールはワゴン最下段のみというスペックで、税込&送料別で54,900円ですから、ウィガンが売れるのも納得できるところがあります。
ただし、メルシーはウレタン塗装ですし、引出内部材の箱組みもネジで接合するなんて雑なことはしてません。いま現在はショボいデスクライトとコンセントボックスも付属しており、決してウィガンにコスパで劣るわけではありません。
というわけで、LOWYA(ロウヤ)の1万円台から5万円台の学習机をご紹介しました。価格によってどういう違いがあるかお分かりいただけたでしょうか。
今回紹介した1~2万円台は、引出しからすべて組立式です。どうしても組み立てが大変という思いが先に立つことが多いと思いますが、それよりも耐久性に乏しいことが問題です。使い捨てでOKと思われる方もいらっしゃると思いますけど、子供が使うものですから多少荒っぽく扱っても壊れにくい完成品を買っていただくことをオススメします。
3万円台のクレステは引出しが完成品ですが、ぶっちゃけパイン材はやめておいたほうが良いです。キズや汚れは付きやすいし、反ったり割れたり、ひどいときはヤニが出てきたりもします。そんなわけで最近は、パイン材の家具なんてほとんどありません。
よって、消去法的に考えると4万円台のタリッドから。ですが、3千円足すだけで引出しが1杯多く、全段フルスライドレールで、レッドオーク無垢のウィガンが買えるのですから、そちらを選んだほうが絶対にお得です。
でも、ニトリならほぼ同じ価格で、ウレタン塗装、もっと堅牢な引出し、ショボいデスクライトとコンセント付きのメルシーが買えるんですよねー。さらに上を見だしたらキリがないですが、やっぱりモノの値段というのはよくできています。
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