回転チェアのキャスター【ナイロンvsウレタン】メリット&デメリット

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テレワークの普及とともに、一般家庭でも回転チェアを使うことが増えたと思います。しかしながら、購入する際にキャスターの材質まで気を配ったという人は少ないのではないでしょうか。

回転チェアのキャスターには主にナイロン、ウレタン、ゴムの3種類がありますが、近年メジャーなのはナイロンとウレタンです。いずれかの材質を選べる椅子もあります。

ナイロンとウレタンのどちらが良いのかと思ってネットで調べてみると、ウレタンのほうが優れているという論調で書かれているものが散見されます。しかし、事はそんなに単純ではありません。いずれもメリットとデメリットが存在するのです。

今回は回転チェアのナイロンキャスターとウレタンキャスター、ついでにゴムキャスター、それぞれのメリットとデメリットについて簡単にまとめてみました。

※この記事は2022年11月30日時点の情報に基づいています(2025年8月17日一部更新)

ナイロンキャスター

ナイロンキャスター(イトーキ・サリダYL2)
  • 転がり抵抗が少ない
  • 劣化する心配が少ない
  • 滑りやすい(特にタイル)
  • フローリングを傷める可能性がある

まず、従来メジャーだったナイロンキャスターから。ナイロンキャスターは摩擦抵抗が少ないため、カーペットの上でも比較的軽い力でスムーズに転がります。また、ウレタンキャスターと比べて劣化する心配が少なく長く使えます。

一方で、特にタイルなど硬くて平滑な床面では滑りやすいと言えます。また、フローリングの上で使用した場合、床面に押しキズがつくことがあります。

なので、フローリングの上でナイロンキャスターの椅子を使う場合は、できるだけカーペットやチェアマットを敷くようにしましょう。「キャスタースリッパ」を履かせるというのも方法のひとつです。

ウレタンキャスター

ウレタンキャスター(イトーキ・トルテR)
  • 適度なグリップ力がある
  • フローリングを傷めにくい
  • カーペットの上では動きが悪い
  • 劣化して剥がれてくることがある

ウレタンキャスターは表面が軟らかいため、床面に対して適度なグリップ力があります。フローリングの上で滑りにくく、それでいて床面を傷める心配も少ないです。

一方で、カーペットの上ではナイロンキャスターに比べると動きが悪いと感じる場合があります。それよりも重大なデメリットは、だいたい5年以上経つと表面が劣化して剥がれてくることがあるということです。自動車のタイヤがバーストしたときのようにベローンと帯状に剥がれてきます。

ゴムキャスター

ハンマーキャスター(Hammer Caster)プレート式 旋回式ゴム車輪 50mm 405P-R50
  • 木製家具にマッチする
  • 適度なグリップ力がある
  • カーペットの上では動きが悪い
  • フローリングを傷める可能性

ゴムキャスターはオフィスチェアでは一輪のものが、木製チェアではボールタイプが採用されるケースが多いです。ナイロンやウレタンの双輪キャスターよりも見た目を損なわないと考えられているのだと思います。ウレタンキャスター同様に、もしくはそれ以上にグリップ力があります。

一方で、カーペットの上では動きが悪くなります。また、ゴムキャスターはフローリングを傷める心配が少ないと言われることもありますが、私自身は逆だと思っています。ゴム製の一輪やボールのキャスターは床との接点が双輪に比べて少ないため、床への負担が大きいと考えられるためです。実際に、ゴムキャスターでフローリングに押しキズがついてしまった状況を私は何度も見ています。

以上、キャスターの素材の違いによるそれぞれのメリットとデメリットはご理解いただけたでしょうか。

学習用の回転チェアはほとんどがナイロンキャスターを使っています。その最大の理由はナイロンのほうが耐久性が高いからです。某大手学習机メーカーにウレタンキャスターを使わない理由を聞いたところ、やはり同様の理由が挙げられました。

しかしながら、近年はリビングダイニングでテレワークやリビング学習に取り組むご家庭も増えています。その際に、カーペットは敷かずに回転チェアを使いたいというニーズはこれからも増えてくるでしょう。たとえウレタンキャスターの寿命が短いと分かっていてもです。

ウレタンキャスターが劣化して剥がれてきたら新しいキャスターと交換できるものもあります。ただ、5年以上も使っていると、座面のウレタンがヘタってきたり、張地が汚損または摩耗したり、座面高さ調節用のガスシリンダーが馬鹿になってしまったりもするので、椅子全体を交換すべき時期になっているとも言えます。メーカー保証の期限もとっくに切れている頃合いの話なので、メーカーも敢えてそういったネガティブな要素には触れないのでしょう。

個人的には学習家具は耐久性が高くあって欲しいと思う一方で、椅子は途中で買い替えることも多いですから、ウレタンキャスターという選択肢があっても良いし、欲を言えば交換用のキャスターを用意してくれているとありがたいと思うところです。

学習椅子では珍しいウレタンキャスター採用モデル

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この記事を書いた人
収納マン(芝谷 浩)

家具メーカーを退職後、2002年に収納スタイルコーディネーターとして独立。多くのご家庭の片づけの悩みを解決してきました。TVチャンピオン「収納ダメ主婦しつけ王」選手権で優勝するなどメディア出演多数。
長女が小学校に入学するのを機に学習机を購入してブログで報告したところ、学習机について相談が殺到。以後、「学習机評論家」としてメーカーの展示会や販売店に足を運ぶなどして日々情報収集に努めています。詳しいプロフィールはこちら

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