学習机シーズンの端境期に入るのでしばらくお休みしますと宣言しておきながら、舌の根も乾かないうちに更新です(苦笑)
本当はもうちょっとゆっくりお休みしたかったんですけどね。新商品が出たと知っておきながらスルーするわけにもいきません。
さて、今回ご紹介する新商品は、通信教材「チャレンジ」などでお馴染みのベネッセが企画し、国産家具トップメーカーのカリモク家具が作る、「あしたの準備ステーション」というランドセルラックです。
ベネッセ×カリモク「あしたの準備ステーション」
ベネッセ×カリモク家具の「あしたの準備ステーション」(上写真)は、大ヒットしたという忘れ物対策ランドセル「わすれまセブン」&「わすれナイン」に続く、忘れ物対策シリーズ第2弾という位置づけです。いわく、”ランドセルよりも大事なのは、実は!ランドセル&教科書置場”だということです。
それを言っちゃあ、これまでオリジナルのランドセルをプッシュしてきたベネッセ自身の立場が台無しじゃないかと思うんですけど(苦笑)、まあ確かに、収納のプロとしてはそう感じるところはあります。特に学習机を買わずにリビングダイニング学習する場合は、大きくて重たいランドセルや教科書類の置き場所には困りがちですからね。また、朝になってからバタバタと準備したり、忘れ物をしてしまうのを、何とか防いでやりたいのが親心というものでしょう。
ただ、個人的には「あー、やっちゃったね」という感じがします。こういう風に小学生に特化した作り込みをすれば、何をどこに収納すれば良いかを子供に示しやすいです。収納スペースを確保するという当初の目的も果たせますし、忘れ物対策としてもある程度有効だと思います。
しかし、小学生の6年間を経て中学生になったとき、これはどうすれば良いんでしょうか。潔く処分するなり、親戚の子供に譲れば良いのでしょうけど、私にはちょっと思い切れません。そういうこともあって、私は基本的にアンチ・ランドセルラックという立場です。
「あしたの準備サポートワゴン」との違い
新商品の「あしたの準備ステーション」はこれまでベネッセが販売してきた「あしたの準備サポートワゴン」(上写真)に似ているように見えます。ただ、細かく見ていくと、まったく別物であることが分かってきます。
「あしたの準備ステーション」の優れている部分については商品紹介ページで述べられている通りですので、ここでは「不都合な真実」に照準を合わせて見ていきたいと思います。
あしたの準備ステーションの下段はA4非対応
「あしたの準備サポートワゴン」は下段にもA4が収まるサイズであると明示されているのに対し、「あしたの準備ステーション」は写真を見る限り、A4サイズ非対応と見られます。今後、通信教材や塾のファイルなどが増えることを考えると、A4サイズにも対応していたほうが良いことは明らかです。
では、なぜA4サイズに対応しなかったかというと、「あしたの準備ステーション」は「あしたの準備サポートワゴン」よりも総高さが高いため、子供の手の届きやすい高さを考慮すると、本を収納するスペースは低く抑える必要があったのではないかと考えられます。
あしたの準備サポートワゴンなら可動式裏板付き
「あしたの準備ステーション」には教科書などを収納したときに教科書類が奥に入り込みすぎるのを防ぐのに役立つ可動式裏板が付いています。一方で、「あしたの準備ステーション」は裏板が固定式となっています。
この違いが意味するのは、「あしたの準備サポートワゴン」ならランドセルラックとしての役目を終えても何かしら収納するのに使えるのに対し、「あしたの準備ステーション」は奥行が無駄に深い本棚にしかならないということです。
あしたの準備ステーションはかなりスペースを取る
「あしたの準備ステーション」にはランドセルハンガーが付いており、力がない小学生でもランドセルを掛けやすくなっています。また、幅は「あしたの準備サポートワゴン」よりも5cmコンパクトになっており、省スペースで済むような印象があります。
しかし実際のところは、「あしたの準備ステーション」のほうがスペースを取ります。ランドセルの厚みを15cmとしても、子供がランドセルを掛けるのに必要なスペースは最低でも30cm程度必要になります。そうすると合計45cm程度のスペースが必要になり、「あしたの準備ステーション」本体と合わせると幅100cmのスペースが必要になります。
誤解のないように申し上げておくと、決して「あしたの準備サポートワゴン」を推奨しつつ「あしたの準備ステーション」をダメだと言っているわけではありません。子供に何をどこに収納すれば良いか教えられないという親御さんがいらっしゃることは事実ですし、小学校スタートにあたって子供に最適なものを与えたいというならばコスパ云々言っている場合でもありません。
しかし、私はむしろ小学校スタート時点だからこそ、親子ともに収納力を身に付けるべきだと思うのです。だからこそランドセルに特化したものではなく、シンプルな収納家具を推奨しています。コイズミファニテックの「Sラック」や、たなとつくえの「フレムオープンシェルフ」をオススメするのはこのためです。
電子レンジの置き場所を考えるときにレンジ台を買う人は今はほとんどいません。「ランドセルの置き場所に困ったからランドセルラックを…」という人もこれから減っていくのではないかと私は考えています。
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