
クランプ式のデスクライトのメリットは、スタンド式に比べて机上面を広く使えることです。しかし、どんな学習机にでも取り付けできるというわけではありません。取り付ける際にはいくつかの条件があるのです。
まず、取り付け可能な天板などの厚み。たとえばコイズミファニテックの「ECL-111」の場合、”板厚18mm以上35mm以下”となっています。そのため、3段カラーボックスのような薄い板や、天板厚が37mmあるカリモク家具の「ボナシェルタ」には取り付けできません。
もうひとつの条件は、天板下面などにクランプ金具を取り付けられる奥行があることです。ECL-111の場合、”奥行30mm以上”となっています。要はデスクの天板が背板や幕板などから30mm以上出っ張っていないといけないということです。
これらの条件はもちろん製品によって異なります。取付部の奥行は記載がないことも珍しくなく、対応板厚すら記載していないこともあります。ですが、どうでも良い情報というわけではなく、むしろかなり重要なことです。購入前に必ず確認するようにしましょう。
そこまでご理解いただいたうえで、では上棚付きの学習机にクランプ式のデスクライトをセットする際はどこに取り付ければ良いのでしょうか。取り付け可能な場所は主に3つ。順番に説明して参りましょう。
- Q上棚付きの学習机にクランプ式のデスクライトを取り付けるには?
- A
上棚の棚板の取付穴、デスク天板の側面、上棚の側板や背板の上部の、主に3ヶ所が考えられます。ただし、それぞれ寸法、クランプ金具の大きさ、アームの構造などもチェックしなければなりません。家具販売店の店頭で取り付けの可否を確認するのがもっとも無難です。
※この記事は2025年9月10日時点の情報に基づいています
学習机のクランプ可能な場所
上棚棚板の取付穴

大手メーカーの学習机の上棚には、棚板の端にクランプ金具を取り付けるための穴が設けられていることが一般的です。棚板の左右どちらか、もしくは両方に上写真のような穴が設けられています。その場合はそこがデスクライトを取り付けるのに最適な場所となります。
逆に言うと、大手以外の場合はデスクライトの取り付けをまったく考慮していないことが多く、取付穴が用意されていません。こういう場合が非常に厄介で、以下に紹介する他の2つの方法を検討する必要があります。

取付穴が設けられていてもクランプ金具に対して小さいことがあります。また、棚板をいったん外す必要がある上棚や、クランプ金具からアームを外せないと取り付けできないデスクライトもあります。取付穴の大きさ、棚板の構造、クランプ金具の大きさ、デスクライトの構造などもよく確認してください。もっとも良い方法は、家具販売店で実際にセットしてみることです。

上写真のように上棚の棚板の側面にクランプ可能なものもあります。その際は上棚の側板がアーム(支柱)に干渉しないものを選んでください。

上写真のように上棚の棚板の手前側にクランプ金具を取り付ける事例が一部の販売店やSNS等で散見されますが、この方法は危険です。理由は主に3つあります。
(1)アームを引っ掛けてしまって抜け落ちる可能性がある、(2)金具で手を怪我する恐れがある、(3)棚板が割れる可能性がある。
そのほか、電源コードが丸見えになって不細工ですし、接触不良を起こす可能性が高まります。なんとなくオシャレに見える以外にメリットはありません。絶対におやめください。
デスク天板の側面

上棚に取り付けられない場合、次にチェックすべきはデスク天板の側面に取り付けできるか否かです。デスクの左または右側に天板の出っ張りがあれば取り付けできる可能性があります。
ただ、クランプ金具を取り付けるには天板の出っ張りが40mm前後必要であることが多いです。対して、学習机の場合は出っ張りが20mmに満たないことが多々あります。
ちなみに、こちらで確認できているもので、取り付けに必要な奥行がもっともコンパクト(いずれも30mm)なのは、以下の3商品となります。
コイズミファニテックの「ECL-111」(上写真)および「ECL-611」は支柱が真っ直ぐに立ち上がり、上アームだけが可動式のT型ライトです。そのため、デスク天板の側面に取り付ける場合は、シェードを中央に寄せることができず、机上面全体を照らすことができません。幅100cmのデスクに取り付ける場合、シェードがデスク天板の左もしくは右半分に収まる状態です。
よって、デスク天板の側面に取り付ける場合、かつ天板側面の出っ張りが30~35mm程度の場合は、事実上、オーム電機のAS-LDC6K-W一択ということになります。
なお、アームが短い、もしくは十分なゆとりがないデスクライトの場合は、シェードが天板中央に届かなかったり、目の前をアームが横切って邪魔に感じる可能性があります。デスク天板の側面に取り付ける場合はその点もご注意ください。
なお、上棚がない場合はデスク天板の奥側に取り付けできる可能性があります。その際は背板や幕板が干渉せず、側面と同様に奥行(天板の出っ張り)が30mm以上あることをご確認ください。
上棚の側板または背板の上部
最後の手段として考えられるのは、上棚の側板または背板の上部にクランプ金具を取り付ける方法です。ただし、これは選択肢がそれほど多くありません。私の知る限り、以下の2つの商品だけです。
ジェントスの「ルミサスDK-R190」は2WAYクランプが標準で付いておりコスパが良いのですが、アームの耐久性に疑問符が付くのが難点。山田照明の「Z-C2SL」は同社製クランプ式デスクライトのほとんどに取り付けできるものの、標準で付属していないので別途買い求める必要があります。
ちなみに、上棚の側板や背板の上部に取り付けできるものとして、他にクリップ式のデスクライト(ex. オーム電機LTC-LC36-W)がありますが、天板全体を照らすにはパワー不足で学習用としてはオススメできません。
以上の通り、上棚付きの学習机にクランプ式のデスクライトを取り付ける方法をご紹介しましたが、ご理解いただけたでしょうか。言い回しがくどくてとても分かりにくかったと思います。
このように、学習机とクランプ式のデスクライトの組み合わせはとても難しいのです。「これさえ選べば間違いない!」というものは残念ながら今のところ存在しません。
メーカーに問い合わせても正確な回答を得るのは難しいでしょう。その点、購入を検討している学習机とデスクライトの両方を扱っている家具販売店なら、回答が期待できると思います。
もしくは、私にコメント欄でご相談ください。過去の事例を参照したり、可能な限り調べて答えさせていただきます。
関連記事




コメント 皆様からご質問・ご意見など