学習机評論家のオススメ

学習机評論家・収納マンが、学習机の選び方やオススメのデスクなどを紹介します。

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フルスライドレールのメリットとデメリットとは?奥まで引き出せるvs収納量重視

   

昨夜はサーバーの障害により当ブログが閲覧できない状態となってしまい、皆様には大変ご迷惑とご心配をお掛けしました。

クリスマスイブイブに外部から攻撃を受けたのかと慌てましたが、サーバー側のプログラムの不調であったようです。

今後はサーバー環境を見直すとともに、変わらずブイブイ更新してまいりたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いします。

 

さて今回は、夏頃から書こう書こうと思いながらも、他の記事を優先したために後回しになってしまった話です。とは言え、決して重要でない話ということではありません。むしろ、ものすごく大事な内容です。

最近はデスクライトの話が多くなってしまっていますが、学習机でもっとも重要な部分はやはり引出しです。「引出しの耐久性=学習机の耐久性」と言ってもまったく過言ではないほど重要です。

なぜなら、学習机でもっとも壊れる可能性が高いのは引出しだからです。そしてその品質を左右するポイントは2つあります。ひとつは内部材の構造や材質。もうひとつはスライドレールなどです。

内部材の構造については、近年はほとんどの学習机が箱組(はこぐみ=四方囲い)構造となっているため十分な強度があると言えます。また材質については、樹脂フィルム貼りのものは剥がれると厄介ですけれども、防汚性という点で一応メリットもあるので一概に悪いとは言えません。

もう一つのポイントはスライドレールなどです。ここで「など」としているのは、スライドレールが付いていないものもあるからです。浜本工芸やカリモク家具クラスになると、スライドレールなしでも十分スムーズに引出しを開閉でき、しかも金属製のスライドレールが曲がったり、劣化して開閉が難しくなる心配もありません(深い引出しはのぞく)。

一方、東南アジアや中国から輸入される学習机のほとんどは金属製のスライドレールが付いています。これはこれでいい加減な精度でも問題がないというわけではもちろんありません。取付位置が1mmズレるだけでもスムーズに開閉できなくなってしまいます。

一口にスライドレールと言ってもピンキリで、おねだん相当なものもありますし、ハーフェレのような一流ブランド品もあります。また、2段引きやフルスライドレール(3段引き)など、様々な種類があります。

【関連】フルスライドレールだから良い?学習机の引出は何度も開閉して確かめてみよう

近年の学習机の引出しは、ほとんどが2段引きかフルスライドレールとなっています。そしておそらく、世間ではフルスライドレールのほうが良いと思われがちだと思います。しかし、実は一概にどちらと言えるものではないのです。

今回はそのあたりのことを説明するために、フルスライドレールのメリットとデメリットについて説明したいと思います。

 

フルスライドレールのメリット

  • 引出しを奥まで引き出せる
  • 一般的に高さがあるため変形しにくい
  • 引出しの取り外しが容易

フルスライドレールの最大のメリットは、フルにスライドできることです。たとえばワゴンの場合、引出し全体が見える状態まで外箱から引き出せるということですね。引出しの奥のモノまで手が届きやすいのがメリットです。

また、2段引きレールに比べて一般的に強度が高いと言えます。大人であれば引出しを開けた状態で上から荷重を掛けるようなことはしません。しかし、子供はそういうことをやっちゃう場合があります。そのときにフルスライドレールは2段引きレールよりも高さがあるため変形しにくいと言えます。

フルスライドレールは2段引きレールよりも引出しの取り外しが容易であることもメリットと言えます。2段引きレールの場合は引出しの内側からネジを外す必要がありますが、フルスライドレールの場合は両側からツマミを上下どちらかに動かして引出しを引き抜くだけでOKです。

【関連】ほとんどの引出に対応!誰でもできる引出の外し方

 

フルスライドレールのデメリット

  • コストが高い
  • 引出しの奥行が短くなる

近年では多くの学習机にフルスライドレールが採用されていますが、それも2013年度にコイズミファニテックが引出し全段にフルスライドレールを採用し、それに追随するメーカーが増えたためです。フルスライドレールは2段引きレールに比べてコストが高いため、簡単には採用できなかったという事情があります(デスク本体引出しとワゴン最下段はフルスライドレール)。

フルスライドレールのデメリットはコストが高いだけではありません。基本的に、フルスライドレールを使うと引出しの奥行は浅くなってしまうのです。なぜそうなってしまうかと言うと、引出し全体を引き出すと、重心が手前に寄ってしまうからです。重心が手前に寄ることを防ぐためには引出しの奥行を浅くする必要があります。

フルスライドレールを使用する場合は引出しの奥行を浅くすることで重心が手前に偏る問題を回避していると言える

ちなみに、子供が下敷きになって死亡したIKEAのMALMチェストは、日本の家具メーカーであれば当然考える重心を無視した設計であったことが問題だったと私は考えています。

【関連】IKEAのMALMチェストが北米で死亡事故&中国でもリコールへ!日本ではどうなの?

 

奥まで引き出せるコイズミ vs 収納量重視のイトーキ

フルスライドレールのメリットとデメリットには以上のようなものがあり、それを受けて設計思想に大きな違いが表れているのがコイズミファニテックとイトーキです。イトーキは基本的に、ワゴンの上2段の引出しには2段引きレールを採用しています。

コイズミファニテックは全段フルスライドレールを採用し、引出しが奥まで引き出せることを重視しています。他方でイトーキはというと、「手が届きにくい引出しの奥の部分を削って全部引き出せるようにしても意味がない。それだったら多少手が届きにくくても収納量を確保したほうが良い。」と考えていると私は思っています。

ワゴンの引出しにA3用紙が入るかどうかということ自体は別に重要ではないのです。「A3用紙が入る」というのは分かりやすいフレーズとして持ち出しているだけであって、実際のところ重要なのは、手は届きにくいけれども収納量を重視しているということなのです。

 

スタディアップデスクもA3用紙対応

そのような事情で、私は正直言って全段フルスライドレールというのには否定的だったんですが、コイズミファニテックが2016年度からスタディアップデスクを投入してきたことでちょっと事情が変わってしまいました。スタディアップデスクのチェストは、イトーキのロングサイズワゴンと同様に、A3用紙が収まる奥行となっているのです。

フルスライドレールを採用すると、引出しを引いたときに重心が手前に寄って倒れやすくなるという事実は変わりません。しかし、スタディアップデスクのチェストは床に直接置く構造で安定感があり、なおかつチェスト自体の奥行が十分あるため、A3用紙が収まる引出しのサイズでフルスライドにしても問題ないのです。

チェストとワゴンでは構造もサイズも違うわけですから、これらを直接比較することには意味がありません。しかし、同じ袖引出しという観点で言うと、「フルスライドレールにするとA3用紙が入らない」という説明では不十分になってしまったわけです。

 

以上述べましたように、フルスライドレールが一概に良いと言えるわけではありません。ただ、メリットが多く、スタディアップデスクのようにフルスライドレールを採用していてもA3用紙が入るほどの収納量を確保した学習机も登場しているという事実もあります。

一口にフルスライドレールと言っても品質は様々で、引出しを引くと「ザーッ」と音が鳴るものから、「ヌルッ」とした感触で引けるものもあります。あくまで主観的なものですが、浜本工芸やカリモク家具などで採用しているのは後者です。

そんなわけで、やっぱり引出しはフルスライドレールか否かというスペックで判断するのではなく、実物に触れて確認してもらうのが一番ではないかと思います。

 - 学習机の選び方, 2017学習机

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