縮小傾向の学習机市場において、杉工場は数少ない勝ち組であるように思います。もちろんそもそもシェアが少ないですし、私は正確な売上を知りませんので、あくまでも肌感覚での話ですが。
もともとは同じく自然塗装のアルダー無垢デスクを扱っている堀田木工所と同レベルだったんです。数年前に突然学習机を作り始めて、クオーレやポルテが主体だった頃は。デザイン面で頭角を現したのはレグシーやMUCMOC(ムックモック)が登場した以降ですね(たぶん2014年度以降)。
※この記事は2015年9月24日時点の情報に基づいています(2022年11月14日一部更新)
無印良品っぽいデザインで消費者のハートを掴んだ杉工場
個人的には、杉工場の学習机は価格の割りにあまり良くないと思います。自然塗装(オイル仕上げ)のアルダー材という時点であまり感心しませんし、引出内部材はヒノキですから、引出しの中身が空のときはスムーズですけど中身を詰め込むとスムーズさは失われると思います。もっとも、それを踏まえて引出しをユルユルに作っている(=遊びが多い)んだとは思いますけどね。
とは言え、それでも売れているのは、やっぱり無印良品っぽいデザインが良いからと、雰囲気を上手に作り出しているからではないかと思います。杉工場は2015年度の途中からイメージブックのようなカタログを追加してきましたが、2016年度は最初からそのスタイルを採用してきましたので、かなり手応えがあったんじゃないかと思います。
マーケティングの勝利と言うと聞こえは悪いですが、他の家具メーカーも見習うべきことだと思います。良いものを安くとか、消費者は分かっていないとか、寝ぼけたことを言っている場合ではないですよー。
2016年度の杉工場の新商品は「スティック」
商品ラインナップを見ても杉工場の勢いを感じます。2016年度は新商品「スティック」が増えて計8モデル。他社の多くは減らす一方なのに、杉工場は単純に1モデル増えているわけです。スゴイですね~。
スティックは奥行53cmと60cmの2サイズが用意されていることが一つの特徴です。いわゆるリビング学習を意識した商品と言えるでしょう。また、専用の袖ワゴンは用意されていません。あくまでもシンプル、あくまでも価格対応ということだと思います。
でもこの上棚、カッコイイですけど、どうやって使うんでしょうかね?右上はファイルボックスでも使わない限り本は収められませんので、小物を並べるんでしょうか。まさか学習机ではなくてドレッサー代わりというわけではないとは思いますが…。
2016年度の価格は前年度比で概ね3~10%アップ
2016年度の杉工場の学習机の価格は前年度比で概ね3~10%アップとなっています。アルダー無垢(輸入材)が多いデスク本体の値上げが大きく、国内材であるヒノキと合板の比率の高いワゴンは据え置きの傾向です。
ちなみに旧型シリーズのクオーレやポルテなどは値上げ幅が大きいです。元々レグシー以降は割高感が強かったので、そちらに合わせてきたということだと思います。
というわけで杉工場。2016年度も更なる飛躍があるんでしょうか。先輩の堀田木工所に加え、最近は安価な中国製のものも増えている自然塗装のアルダー無垢学習机というジャンル。今までは利益を上げやすかったかもしれませんが、そろそろ厳しい時期がやってくるかもしれません。
同日追記:アクタスから消えたと思ったら「こどもビームス」に!
今年はまだアクタスに行ってませんが、昨年、アクタスから杉工場の学習机が消えたと思ったら、こどもビームスに登場していたんですね~。上写真の通り、まるでアクタスのときと同じノリです。オリジナルデスクと言っている通りカタログ掲載品とは仕様が異なりますが、おそらくはほぼクッカのサイズ違い+Nワゴンにオリジナルの上棚を乗せた感じです。上棚は前述のスティックのものにも似ていますね。
たぶん杉工場がアクタスを見限ったんだと思いますけど、こうやってまた次のお相手を見つけてくるとは、杉工場も隅に置けませんね~。というか、引く手あまたで大人気のようです。結構なことじゃないでしょうか。
コメント 皆様からご質問・ご意見など
収納マン様初めまして。
私は新一年生の息子のためにこちらのスティックを購入しました。ポイント還元がいい楽天ショップで購入し、自分で上棚を取付ようとしたのですが、上棚をとめるネジが右側はすんなり、左側は合わずネジが付けれませんでした。ショップに問い合わせし、金具の不具合だと金具のみメーカーから送られてきましたが、やはり左側は取付できず……。ショップ側からメーカーに私の訴えをお伝えして頂きましたが、メーカーからは、もともとキツめの作りであり、交換しても同じだとの回答がありました。どうしても気になるならネジ穴の加工をするとのこと。
学習机というのはもっと精巧に作られているものだと思いましたが、左右でそのような違いがあるものなのでしょうか?杉工場は手作業なので仕方ないのでしょうか?
楽天ショップの方もどうしたらいいかわからず、メーカーからの回答をとりあえず見てくださいとの連絡が最後で、私もどうしたらいいかわかりません。
このまま泣き寝入りするか、送料を使ってでも加工してもらうべきか、なにかいいアドバイスをいただけたら幸いです
yucaさま
はじめまして^^
そんなことがあったのですねー。
杉工場は丁寧に作っていると思っていただけに、私も残念です。
ネジ穴の位置や大きさについては、基本的に機械で穴開け加工をするため、ズレが生じることは考えられません。
考えられるとすればそもそもコンピューターの設定値が間違っていたという可能性はありますが、もしそうだとすれば同じ製造ロットで同様の問題が頻発しているはずなのでメーカー側も把握しているはずです。
あと考えられるとすれば、代わりの金具を送ってもらったけれどダメだったということから、ひょっとすると上棚側の雌ネジを破損してしまったのではないかと思ったんですけど、どうでしょう?
よろしければ、こちらのコメント欄に問題の箇所の写真をアップロードしていただけませんか。
収納マン様
早速お返事していただき、ありがとうございます。
実は、雌ネジの写真を撮る前に、もう一度メーカーが言うとおりの手順(L字金具の上部分から留めるように指摘されました)通りにやってみると、ネジはまわり、天板にキツいながらつけることができました。はじめは、スムーズにつけれた右側からとめて、あとで左側をとめようとすると全くネジが回らず天板につけれませんでした。取り付ける順番でこうも違うものなんですね。あと主人が作業してたので、仮留めの力加減も関係してたのかもしれません…。
右と左でつけたときの差はありますが、それは許容範囲ですので、納得して大切に使おうと思います。
先程はメーカーの対応に、じゃあどうしたらいいの?と焦り、いつも参考にさせてもらっている収納マン様につい、コメントしてしまいました。
机のデザインや質感に関しては、リビングに置いたのですが、凄く素敵なインテリアとなっています。ただのインテリアにならないように子供には頑張ってほしいです。
お忙しい中ありがとうございました!
yucaさま
うわ~、それは良かったですぅ~^^
ネジって、普段の生活の中に溶け込んでいるので軽く見られがちですが、実は結構奥が深いんです。
最近はDIYerの動画がYouTubeにもたくさん上がってますけど、マトモにネジを使える人なんてほとんどいないのが実情です。
木工でネジを留めるときは真正面から体重を乗せて回すことがまず基本。
手首から先でドライバーを回すのではなく、肩から力を入れて回す必要があります。
次に大事なのが、複数のネジを留める場合は、いったんすべて仮留めしてから本締めをするということです。
それをしないと、カラーボックスすらマトモに組み立てられません。
ともあれ、杉工場はちゃんと仕事をしてくれていたということで私も安心しました^^
スティックは特にデザインも質感も素晴らしいですから、リビングダイニングに置いても映えますよね~♪
末永くお使いいただければ幸いです。