ここ数年、夏頃に大商産業から新年度の学習机カタログをいただいておりました。しかし、今年は9月になっても届かず、コイズミファニテックと同様にデジタル版のみの発行に移行したものと思っていたんです。
そんなところに届いたカタログは、今までのイメージを覆すほどオシャレ!さらに中身を見ると、表紙以上にビックリしました!
※この記事は2024年10月23日時点の情報に基づいています
電動昇降デスク・シャルル
近年、新商品が少なくなっている学習机市場ですが、2025年度の大商産業は新作デスクがてんこ盛りです。
まずはカタログの表紙にも掲載されている電動昇降デスク「シャルル」。デスクを囲っている家型の棚はあくまでディスプレーだと思ったのですが、実はこれ一式で一つの商品なのです。
幅は162cm、奥行は70cm、高さは178cmもあり、ベッド付きデスクを除いては学習机市場最大規模の大型商品だと思います。背板がペグボード(有孔ボード)になっていてフックやペン立てを取り付けられるとか、そんなことはもうどうでもよくなってしまうほど大きさに圧倒されてしまいます。
天板右上に埋め込まれたタッチパネルで天板高を52~76cmに調節可能。つまり、未就学児童でも床に足が着く高さまで下げられるのが大きな特徴です。
さらに、天板は最大50度まで無段階で傾斜させることができます。また、天板はUV塗装を施したビーチ材です。見た目のインパクトが強いだけでなく、学習机としても非常に魅力的な仕様になっていると思います。
電動昇降デスク・マルタン
お次も電動昇降デスクで「マルタン」。パッと見た感じ、IKEA(イケア)の「BERGLÄRKA(ベリレルカ)」っぽいデザインですが、こちらは天板が傾斜するのに加えて、前述のシャルルと同様に手動ではなく電動で昇降させることができます。
価格はシャルルと1割ほどしか変わらないのですが、さすがにシャルルは大きすぎると感じる場合はこちらを選ぶと良いでしょう。
天板昇降デスク・エミール
電動ではない天板昇降デスク「エミール」もあります。こちらも天板傾斜機能付きですが、電動昇降式ではないので前述のマルタンに比べると半値近くと大変お手頃になっています。
それにしてもオニギリ型の上棚がインパクト大ですねー。こんなのが学習机売場に並んだら、ほかの商品が霞んで見えます。
昇降デスクチェア・ガレ
新しい天板昇降デスク3型の投入に合わせて、昇降デスクチェア「ガレ」が用意されています。ガレはIKEAの「GUNRIK(グンリーク)」のように背中側の支柱に沿って背もたれと座面の高さを調節できる構造になっています。座面を前後に調節することも可能です。
切替キャスター付きで安全にできており、背もたれはメッシュ素材で夏も快適。肘置きは前後にスライドできるので、デスク天板に閊(つか)える心配はなさそうです。
組み替えシェルフデスク・WEX-100
天板昇降デスク以外にも新型デスクが多数あります。「WEX-100」はヒカリサンデスクの「U-トルテ」のようなシェルフデスクです。ナフコ21スタイルで販売されている「ルトラ」のシェルフデスク仕様(NOD-7834BGDW)に近いスタイルとも言えます。
Uトルテは書棚の前にデスクを置くかたち、ルトラはシェルフの棚板を跳ね上げてデスクを収めるかたちですが、WEX-100はデスクの後ろ脚を外してシェルフに組み込むかたちとなるのが特徴です。その点で言えば、カリモク家具の「ボナシェルタ」のほうが近いかもしれません。
組み替えシェルフデスク・SHD-150
2023年からIKEAで「KALLAX(カラックス)」のコンビネーションデスクが販売されています。組み替えシェルフデスクの「SHD-150」はそれに似た感じで、上写真のように書棚を倒せばL型デスクのように、書棚を立てればユニットデスクのようになるというものです。
デスク天板はメラミンで、天板高はカラックスのデスクよりも3cmほど低い73cmというところがメリットと言えるでしょうか。反対にデスクの幕板がちょっと邪魔に感じます。
アイアンデスク・JDD-950
アイアンデスク「JDD-950」はくろがね工作所の「ヴィンテ3」っぽいスチール製フレームを使ったデスクです。書棚はセットではなく別売となっています。
幅95cmでややコンパクト、上棚がペグボードになっているほか、普通に本を並べられる棚板になっている点も特徴と言えるかと思います。
多機能収納デスク・MRS-550
「MRS-550」は上棚の右側にA4ファイルやプリントを差し入れやすい構造になっているのが特徴です。タンスのゲンの「現役ママが考えた学習机3点セット」に近いコンセプトと言えるでしょうか。
天然木デスク・NLD-100
大商産業には「XD」シリーズという「ビーノ」っぽい天然木デスクがありますが、テーパー脚の「NLD-100」も追加されました。天板はUV塗装を施したラバーウッド無垢。幅95×奥行55cmとややコンパクトなので、XDとの住み分けも出来そうです。
スタンダードデスク・CD-950
天然木を使ったデスクを求めるユーザーを取り込む一方で、価格を重視したモデルの投入にも余念がありません。「CD-950」はここ数年手薄になっていたベーシックタイプのカラーデスクです。
6色展開となっており、パステルカラーの4色はイトーキの「ジョイカラーネオ」(販売終了)もしくはニトリの「くみあわせデスク(GL24)」を彷彿とさせる雰囲気です。また、ブラック×ネイビー色はくろがね工作所の「クールボーイ」に近いと感じます。
3Dデスク・LWD-560
大商産業の主力デスクは引き続き3Dデスクの「MWD-550」ですが、より手頃な価格の「LWD-560」が投入されました。UV塗装を施したラバーウッド無垢天板という特徴は引き継ぎつつ、全段フルスライドレールではなく、ワゴンはスリムにするなどして、コストを下げています。
ワゴンのデザインやカラーリングは前述のCD-950に近く、最近のトレンドに則していると感じます。
3Dデスク・MHS-560
売れ筋の姫系の3Dデスク「MHS-520」は「MHS-560」にモデルチェンジされました。引出しが丸みを帯びた形状に変更されたほか、ワゴンはスリムになっているように見えます。
学習デスク・LD-960A
完全組立式の学習机とさほど変わらない低価格が支持されていた「LD-960」は「LD-960A」にモデルチェンジしました。
一瞬、どこが変わったのかと戸惑ったのですが、天板の塗装がUV仕上げにグレードアップしてるんですね。つまり、よりキズに強くなったということです。引き続きよく売れるんじゃないでしょうか。
という感じで、2025年度の大商産業の新作デスクを片っ端から紹介しました。およそ一般の方からすると冒頭の電動昇降デスク以外は普通の学習机にしか見えない感じのものばかりでしょうけど、私はむしろ「今年度のニノキンデスクは盤石の布陣だな…」と感心しきりです。
特に注目しているのはシェルフデスクのWEX-100とSHD-150の2モデルですが、アイアンデスクのJDD-950、スタンダードデスクのCD-950、3DデスクのLWD-560も競合商品と比較すると興味深い存在です。また、天然木デスクのNLD-100はガチで競合する商品が見当たらないので、これもどこまで売り上げを伸ばせるか楽しみです。
一方で、一時は全段フルスライドレールにこだわっていた金次郎デスクも最近はモデルによって仕様にバラつきが出てきています。価格が手頃なのは魅力的ですが、店頭で確認するなり、ディテールを詳細に伝えているネットショップで購入するなどして、真にお得な買い物ができるように気を付けたいところです。
コメント 皆様からご質問・ご意見など