もう1ヶ月近く前になりますが、ヒカリサンデスク(光製作所)の2026年度カタログが公開されました。
前年度は廃番品がたくさん出てラインナップがかつてないほどスッキリしたヒカリサンデスク。さて、2026年度はそれを補うような勢いが感じられるのでしょうか。期待しながら見て参りたいと思います。

※この記事は2025年11月5日時点の情報に基づいています
L-スモアPlus
ブックシェルフ(ベーシックデスク)
2026年度はプリンセス系デスクの「L-スモア」が「L-スモアPlus」にリニューアルされました。2タイプありますので、まずは「ブックシェルフ」から紹介しましょう。
L-スモアPlusブックシェルフは従来のL-スモアと同様、いわゆるベーシックデスクのスタイルです。どこが変わったかと言うと、主に4つの変化が見て取れます。ワゴンがスリムになり、上棚の扉収納部も幅が狭くなりました。あと、デスクの背板(桟)の位置が下がっています。ホワイト色に加え、側板がピンク色のバージョンも追加されました。
ワゴンと扉収納部のスリム化はコスト削減のためでしょう。背板の位置を下げたのは、これまで机全体の揺れを気にして上げていたところ、足元の揺れが気になったためと考えられます。
いろいろコスト削減を頑張ったものの、価格は旧モデルに比べて約13.8%の値上げとなりました。
ユニットラック(組み替え式デスク)
もうひとつのL-スモアPlusは「ユニットラック」。いわゆる組み替え式デスクです。
L-スモアは2024年度の登場で、それまでヒカリサンデスクの看板商品のひとつだった「スカーレット」の後継モデルです。そのスカーレットも晩年は組み替え式デスクがラインナップから外されており、今回の組み替え式デスクの登場は実に8年ぶりとなります。ヒカリサンデスクのラインナップ全体で見ても、8年ぶりのことです。
この8年間、ベーシックデスクとセレクトデスクに注力していたヒカリサンデスクが今さら組み替え式デスクを投入する意図はどこにあるのでしょうか。おそらく、シリーズを増やさずにそれなりのアイテム数を確保しようとすると、このような手法を採用せざるを得ず、無難に組み替え式デスクを登場させたということではないかと思われます。
ちなみに、2018年度の「スカーレット3ユニット」にはデスク奥行拡張天板が付いていませんでしたが、L-スモアPlusユニットラックには付いており、奥行を55cmから63cmに拡張することができます。
スモアのリニューアルに合わせ、「G-スモアチェア」が投入されています。なお、L-スモアPlusのデスク2型はホワイトと側板がピンクの2色展開となっており、後者は全体が赤みを帯びているように見えますが、こちらのG-スモアチェアの商品ページに記載されているもののほうが正しい色合いだと思われます。
U-トルテ・デュアルラック
2025年度はKEYUCA(ケユカ)にヒカリサンデスクの「U-トルテ」が登場して世間を(?)驚かせました。結果的に、これまで「ニノス」と「アロン」で売場を独占していたコイズミファニテックを追い出し、「ヘンリー」の敵討ちを果たした格好です。
勢いに乗るU-トルテは2025年度に投入した「ブックシェルフ」に続き、2026年度は「デュアルラック」を登場させました。デュアルラックは幅がデスクの奥行と同じ60cmで、いわゆるユニットデスクのレイアウトに最適です。また、2台のデスクの間に挟んで使うこともできる仕様という点が”デュアル”の所以と考えられます。
U-トルテのデスクの奥行は60cmあり、それをラック(W104書棚)の前に並べると圧迫感が強すぎる感がありましたから、圧迫感を押さえつつ収納量も確保できるデュアルラックの投入は理に適っていると思います。これでますますU-トルテはヒカリサンデスクの看板商品になりますね。
ベリー 二段ベッド
光製作所と言えば、学習机と二段ベッドと座椅子…というのは一昔前の認識ですが、二段ベッドは主力商品のひとつです。2026年度は「ベリー」が投入されました。上写真の「掛けハシゴ」と「固定ハシゴ」の2タイプがあります。
「エキストラベッドD1」をセットして3段ベッドとして使える構造などから、従来の「ガレットバンクベッド」と「カスティナ3バンクベッド」をミックスした商品と考えられます。
廃番多数でロフトベッドは絶滅

2025年度は廃番品が多数ありましたが、2026年度はより深刻です。U-トルテが登場するまで看板商品のひとつだった「M-コンパクト2」に加え、「M-ラシュレ」、「ロイス」が廃番。デスクライトは5モデル減って2モデルになりました。
二段ベッドとロフトベッドはもっと深刻です。「ガレットバンクベッド」、「カスティナ3バンクベッド」、「カスティナ3ロフトベッド」、「スリーミンバンクベッド」、「サンロフトベッド」が廃番になり、ロフトベッドは絶滅、二段ベッドは前述のベリーだけになってしまいました。
いやこれはヤバいでしょ。先にも触れた通り、光製作所にとって二段ベッドは主力商品のひとつだったはずで、実際、私も家具販売店で応援販売をしていた頃(20年以上前)は何台も売ってました。
もっとも、これも時代の流れでしょうか。ともあれ、光製作所の半分以上は不動産会社です。家具も近年は家庭用よりもコントラクト(業務用)に重きを置いていますから、会社としては安泰のはずです。
値下げはなく値上げのみ
2025年度は値下げもありましたが、2026年度は値上げだけです。主力の「U-トルテ」は0~12.2%の値上げとなったほか、木製椅子、デスクライト、ベッド用マットレスの一部が10~28%程度の値上げとなっています。
なお、「B-バスク」と「SDW-サンノット」は据え置きです。
以上、2026年度のヒカリサンデスクのカタログから判明したことを紹介しました。
あれだけたくさんの学習机を抱えていたヒカリサンデスクが、今やトルテ、スモア、バスク、サンノットの4モデルだけとなり、二段ベッドに至ってはたったの1台だけ。まさに世紀末の様相です。家具業界に身を置く者としては、東海地方を地盤とするファニチャードームが本店のみになってしまったのと同じくらいの衝撃があります。
でもまあ、これが現実。少子化の影響も大きいですが、昨今のオンライン販売の増加を低く見積もっていた戦略ミスも否定できないと思います。特に光製作所の場合は各地に販社を置く体制なので、地域の販売店をおざなりにすることはできなかったのでしょう。
もっとも、その体制だからこそコントラクトに強みを持っているのも事実です。むしろ、成長性がまったく見込めない学習机や二段ベッドに見切りをつけることなく踏みとどまっているのが、私にとってはありがたく感じられます。
2026年度はもちろん、2027年度もヒカリサンデスクには頑張ってもらいたいと願うばかりです。
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