基本的に私は市販のランドセルラックに否定的な立場です。一昔前はMDF合板むき出しだったり、ダンボール製で1万円を超えることもあったことを考えれば、最近はまだマシになったとは思います。しかし、それでも使い勝手が良いと感じたことはありません。
山善・パイン材ランドセルラック
最近発売されたばかりの山善の「パイン材ランドセルラックYRSR-1140」(上写真)も然りです。
低級天然木のパイン材ながら雰囲気は良く、引出し内部材もメラミン樹脂で汚れにくい点は評価できます。これで1~1.5万円程度なら決してコスパは悪くありません。
しかし一方で、致命的な問題があります。ランドセルを乗せる天板部分の高さは105.5cm。対して小学校入学時の身長の平均はだいたい110cm強です。子供が目線よりも高い位置にランドセルを持ち上げて乗せるのは普通に考えると難しいと言えるでしょう。
コイズミファニテック・Sラック
わたくし収納マンが唯一認めたランドセルラックであるコイズミファニテックの「Sラック(マルチラック)」(上写真)はどうかと言うと、ランドセルを乗せる棚板の高さはデスク天板面と同じ73cmです。この高さなら身長が110cmくらいの小学校入学時の子供でも楽にランドセルを置くことができます。
学習机メーカーが作ると値段が高いだとかデザインが野暮ったいとか思われがちですが、こういった気が付きにくいところもちゃんと考えて作られているのです。ランドセルラックが売れているからと言って安易に参入してくるメーカーにはこういうノウハウがありません。
「うちの子は全然片づけないんです!」と相談を受けて収納を拝見させていただくと、3段カラーボックスに目一杯オモチャや絵本を収納しているということが多々あります。しかし、この場合は片づけてくれない子供が問題なのではなく、子供の身体的特徴を考慮していない親が問題です。
子供のモノを収納するとき、親はどうしても大人の目線で見てしまいがちです。天板高が100cmを超えるランドセルラックでも、普通の大人なら楽に上にランドセルを乗せることができます。しかし、身長が低いうえに力もない子供にはそんな芸当はできません。
山善のパイン材ランドセルラックは他にも、ランドセルを掛けるにはフックの強度が足りないのではないかと感じるところもあります。すべての学習机メーカーが必ずしも子供の身体的特徴を十分に理解して開発しているとは言い切れないところはありますが、やはりその点では一日の長があると言えるのではないでしょうか。
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