杉工場の学習机はオシャレっぽい雰囲気で一時は堀田木工所を駆逐するんじゃないかというくらい人気が上がりました。しかしながら、やはり割高な価格が敬遠されてか、最近は堀田木工所に押し戻されている様子です。
それを裏付けるように、こちらでも杉工場の学習机に関するご質問は減ったように思います。そのせいでしょうか。昨年度は杉工場のカタログが発行されてもこちらで取り上げるのを忘れておりました(苦笑)ポルテ、クオーレ、アクシス2が廃番になったことは結構ビッグニュースだったはずなんですけどねー。
ともあれ、気を取り直して今回は2022年度を迎えて杉工場の学習机がどのように変化したかをチェックしたいと思います。
2022年度は最大30%強の値上げ
商品名 | 値上げ率 | |
---|---|---|
レグシー(レクス) | 13.0~20.7% | |
クッカ | アルダー | 1.5~15.6% |
ウォールナット | 2.9~6.3% | |
スティック | 15.6~21.4% | |
SD | 廃番 | |
ユニシス | 6.1~25.0% | |
ムックモック | – | |
1900 | – | |
アルベロ | – | |
セノヴィ | 0~10.0% | |
木と風 | メープル | 1.7~25.0% |
ウォールナット | 1.7~23.8% | |
キヴァ | ウォールナット | 18.4~33.2% |
パドウク | 0.2~13.3% | |
ファミリア | メープル | – |
ウォールナット | – |
2022年度の杉工場のカタログでもっとも大きな変化と言えるのは値上げでしょう。2020年度にも概ね5~10%ほど値上げしたのに、また値上げです。
しかも、今回は主力のレグシーおよびレクスのデスクで20%前後、クッカのアルダーモデルで約10~15%の値上げとなるなど、消費者にとって無慈悲なまでの値上げです。売れ筋も売れ筋じゃないものも関係ないばかりか、樹種による値上げとも思えません。書棚などかさばるものから順に物流コストの影響を受けそうですが、今回はそういう感じでもないです。まさに無差別値上げの様相と言えましょう。
なお、2022年度は「SD」がカタログから消えました。個人的にはコンセプトが好きだったので残念です。代わりと言っちゃあナンですが、クッカのアルダーモデルに奥行60cm(×幅100cm)のデスクが登場しています(従来は奥行53cm)。
新作「昇降椅子」
椅子のほうも容赦なしで、「レオ」は布座も板座も約25%、「スピカ」のビーチモデルは約16%の値上げとなるなど、すべて値上げ。「ルナ」と「ミラ」に至っては廃番となりました。
一方で、新作「昇降椅子」が登場。なんだかこの商品名だと他の学習椅子は座面高の調節ができないと誤解を生じかねないように思うのですが、ともあれ決して硬いとは言えないアルダー材でこんな線の細い学習椅子を作ってしまう杉工場には脱帽です。他人事ながら、子供が座ったまま後ろに傾けたら脚が折れるんじゃないかと心配してしまいます。
新作「オープンラック」
あと新作と言えば、「オープンラック」くらいでしょうか。上写真の2×2のほか、2×1がラインナップされています。
いわゆるグリッドシェルフですが、奥行が40cm弱でランドセルなどを収納するにも使い勝手が良さそうです。また、すべてアルダー無垢でできており質感も上々。個人的には学習机メーカー各社もこういうインテリア性に配慮した棚をラインナップに増やしていって欲しいと思うところです。
というわけで、値上げの話ばかり書いてしまいましたが、原料や物流コストに苦しんでいるのはどこのメーカーも同じです。おまけに市場は縮小、販売促進にもコストが掛かる一方ですから、値上げはやむを得ないと思います。ラインナップが縮小傾向というのも、適正化という観点から言えば正しいことでしょう。
でも、分かっちゃいるけどやっぱりなんだか寂しいですねー。2023年度は心ときめく新作デスクを期待したいところです。
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