今回はちょっと趣向を変えまして、学習机を購入する消費者向けではなく、学習机を作るメーカーに向けての内容です。
メーカー各社とも2017年度の学習机の開発は既に相当進んでいるはずですので、今さら色々な要望を出しても遅いとは思います。しかしながらシーズン中に持ち出す話でもないので今頃になったという次第です。
消費者の方も共感していただけるところがあればコメントをいただければと思います。学習机メーカーの方も読んでくれているので、いただいたコメントが商品開発に反映されることもあるかもしれません。
シンプルなベーシックデスクが欲しい!

出典:KEYUCA
コイズミファニテックのデコプリやイトーキのカモミールなどももちろん捨てがたいのですが、親世代のニーズとしてはよりシンプルなものを求める傾向が強くなっていると感じます。
コイズミファニテックのアルフやイトーキのコファーノもシンプルと言えばシンプルですけど、そうじゃないんです。カリモク家具のボナシェルタはシンプルですけど、学習机としてはちょっとどうなのかなと感じるところがあります。浜本工芸はシンプルだけど野暮ったいです。
大人でも普通に使える、学習机と呼ぶよりはデスクと呼びたいようなものが欲しいと感じます。ケユカの学習机ならギリギリOKな感じ。杉工場のクッカがウレタン塗装なら一番しっくりくるかなーと個人的には思います。
今後ますます少子化が進む可能性があり、嗜好の多様化によって学習机を買わないご家庭も増えると思います。そのときに指をくわえて学習机市場の縮小を眺めているわけにもいかないでしょう。しかし大人が自分のために欲しいと思えるような学習机があれば、書斎用に買い求めることもあるはずです。何と言っても学習机は使いやすく耐久性も高いのですから。大人でも普通に使えるシンプルな学習机なら広い世代に支持される可能性があります。
ダイニングにセットして違和感のないチェア
近年はリビングダイニングで学習させるご家庭が増えています。リビングダイニングに学習机を置く家もあれば、ダイニングテーブルで勉強させるご家庭も多いです。子供部屋に学習机を置いてもダイニングテーブルで勉強する子供も少なくありません。
ダイニングテーブルで子供が勉強する場合、ダイニングチェアで良いはずがありません。座面の高さはテーブルに合っていないし、足はブラブラするからです。それなら学習椅子を使えば良いわけですが、正直に言ってダイニングテーブルにセットするには躊躇するデザインの学習椅子がほとんどです。
その点、市場のE-Toko子供チェアは良いところに目を付けたと思います。豊橋木工のアップライトチェアも良いですが、ちょっと重い。ヒカリサンデスクのG-55DXはなかなか良い線をいっているんじゃないかと思います。
学習机メーカーは椅子の重要性をよく分かっているわけですから、ダイニングテーブル用にふさわしい学習椅子をもっと訴求したほうが良いと思います。そうすれば学習机1台につき椅子を2脚買うことが当然のようになるかもしれません。
無印良品じゃなくて!背の高いオープンラック

出典:無印良品
学習机メーカーは、子供が大学に通う頃までずっと使える品質と機能を備えた学習机を作っていると思います。ではなぜ、小学生を対象にしたランドセルラックやハンガーラックを作るのかと私は疑問を呈したいです。
まあ消費者のニーズがあるわけですから作ってもらうことはやぶさかではありません。しかし、ラックも大学生になる頃まで使えるものを作って欲しいのです。
もともと好きでもない無印良品のユニットシェルフの売上アップに私がどれほど貢献してしまったことか!無印良品と同じものを作れとはもちろん言いません。奥行35~40cmくらいで高さが180cm以上、幅が45、60、90cmくらいで、デスクの天板と高さが合うような、学習机メーカーが作ったオープンラックが欲しいのです。
奥行が35cm以上あれば書道セットや絵の具セット、通学や部活のバッグも収納できます。理想を言えばチェストもセットできるとなお良いですね。シンプルなデザインのものなら子供だけでなく大人にも買ってもらえるはずです。
もっとプレスリリースすれば!?
いま小学生を持つ親はファミコン世代。パソコンやスマホにもあまり抵抗なく、むしろ日頃から活用している世代です。新聞を取らないご家庭も増えており、情報の多くをインターネットで収集しています。
なのに学習机メーカーはネットに全然力を入れていません。なぜネットに力を入れないのか不思議に思います。学習机メーカーがプレスリリースしているのってほとんど見ないですからね。
もちろん、メーカーは本来消費者と直接繋がる存在ではないという考えが根強くあって、それは販売店の仕事であり、余計なことをすれば販売店から睨まれるだけという考えがあるのかもしれません。また、やりたくてもマンパワーが足りないという問題もあることでしょう。
しかし時代はもう変わってしまったのです。メーカーは消費者と直接繋がっていくことを考えないとブランド力を高められません。家具メーカー勤務の経験から言うと、営業マンの半分をネット担当に移籍させても問題ないとすら思います。というか、それくらいのリソースを割くくらいの覚悟が必要ということです。
なぜプレスリリースしないかということを突き詰めると、それはたぶん、プレスリリースするに値する価値を感じてもらえるような商品を作れていないからじゃないかと思います。いや正確に言うと、素晴らしい商品のはずなのです。しかし、打ち出し方に面白味がないのです。
学習机も本も同じです。良いものを作っても正論を書いても、それだけでは売れません。時流に乗り、新機軸を打ち出し、キャッチーでなければ売れないのです。今の時代、ちょっとやそっとのことで消費者はビビビッとは来てくれません。
ですからもっと、マスコミや消費者に積極的に情報を発信していくべきじゃないでしょうか。
という具合に、言いたい放題言わせていただきました。本当はもっと個別に色々と言いたいことがあるのですが、まあそこは敢えてうやむやにしてみました(笑)
率直に言って、学習机メーカーはどこも真面目すぎると思います。右を向いても左を向いても良い話がなくて、うつむき加減になりすぎなのではないでしょうか。
でももっと面白いことができるはずなんです。学習机は子供も親も、おじいちゃんおばあちゃんもハッピーにさせてくれる素晴らしい商品です。もっと視野を広げて、笑顔を届けてまいりましょう!
【コメント】 皆様からご質問・ご意見など
収納マンさまこんにちは。
今回の提言、特に「天板の高さとそろえられる背の高いオープンラック」について同意です。他の点もすごく大事な点だとは思いますが、私的にはこちらの提言に深く頷いてしまいました(^^ゞ
浜本工芸さんのNo.32あたりが最初は好みで眺めていましたが、寸法から考えて、たぶんA4のボックスファイルなんていれたらはみ出しそうだなというので残念に思ってました。
いろいろな提言ついでに、収納マンさんに意見を伺いたいことがありまして。
ワゴンの収納力についてです。
各社A3用紙対応サイズで出してますよね。私的には1段ぐらいはもう一回り大きいA4クリアファイル(景品とかでもらうペラペラのやつです)2列に並べられるサイズ(W315,D445~D450程度)の引き出しが欲しいと考えています。
それに、A3用紙を裸で引き出しに収納する可能性って、あまりないような気もしまして(A3クリアファイルはW310,D430)。
どうせ巨大化させるならいっそ、という気もするのですが。
やはり外寸が大きくなる可能性が高いので厳しいのでしょうか?
それとも、自分が知らないだけでどこかそういうこっそり大きい引き出しを持つワゴンってあるのでしょうか?
タケタケさま
こんにちは^^
「天板の高さとそろえられる背の高いオープンラック」、そうなんですよね。
イトーキのコファーノのお片付けラックのもっと背の高いもので、間に帆立がない感じ…ともまたちょっと違いますが、単にオープンラックじゃなくて、学習机メーカーらしく学習机の天板に棚板の高さが合えば良いかなーと思った次第です。
引出しの奥行についても確かにその通りですよね。
現状、引出しの奥行を短くしたり、数そのものを少なくすることでコストを下げようとするメーカーが多いです。
ですから逆にもっと奥行の深いものを…となると難しいとは思いますが、できないこともないかな、という気もします。
2017年度はそういうところも含めて、もっとトガった学習家具が登場すればと思います^^
収納マンさまこんにちは。
学習机メーカーらしいオープンラック、出てくるの楽しみですね(^^
>コストを下げようとする
引き出しはコストですか…。
うーん、いろいろ難しいですね。
自分の学習机探しはまだまだ続いているので、どんな机が出てくるのか。
2017年度もいろいろなレビュー、楽しみにしています。
タケタケさま
こんにちは^^
そうなんです。引出しはズバリ、最大のコスト要因なんです。
だからこそ学習机は引出しが命なんです。
2017年度もタケタケさんのご期待にお応えできるように頑張りますp(^^)q