前回、学研とコイズミファニテックがコラボした「毎日のデスク」を取り上げたことで、ふと岡村製作所と陰山英男氏がコラボ(?)したデスク・K-model(ケーモデル/かげやまデスク)を思い出したので、改めて取り上げてみたいと思います。
※岡村製作所・K-model(ケーモデル/かげやまデスク)・スクリーンショット
陰山英男(かげやまひでお))氏とは?
読み、書き、計算など学習の基礎を重視した「陰山メソッド」と呼ばれる徹底反復学習を兵庫県朝来(あさご)町立(現朝来市立)山口小学校教師時代に確立し全国的に脚光を浴びる。さらに家庭学習の重要性を説き、家族ぐるみでの早寝、早起き、朝ごはんなどに代表される生活習慣の改善指導でも子どもたちの学力を驚異的に伸ばし、スーパー教師の異名をとる。
「百ます計算」をはじめ陰山メソッドを教材化した「徹底反復シリーズ」(小学館)は累計780万部の大ベストセラーとなる。ほか著書多数。そろばん指導やコンピューターの活用など新旧を問わず積極的に導入する教育法によって子どもたちの学力向上を実現している。
1958年兵庫県生まれ。現在、立命館大学教授、立命館小学校校長顧問を勤める。さらに文部科学省の中教審教育課程部会特別委員、2012年より大阪府教育委員会委員長を委嘱される。
引用:岡村製作所
大阪府教育委員会委員長の職については、現在、橋下徹・大阪府知事との間で「辞めろ、辞めない」というすったもんだをやっている最中ですが、百ます計算をはじめとする陰山メソッドで人気を博した立派な先生です。学習机・K-modelだけでなく、積水ハイムとのコラボで住宅の「かげやまモデル」も発売していますし、最近は小学館の通信教材「ドラゼミ」ともコラボしています。
K-model(ケーモデル/かげやまデスク)の特徴
K-modelの特徴についてはオカムラのホームページに詳しく書かれていますので、ここでは私なりの解釈によるK-modelの特徴についてまとめたいと思います。
- デスク本体の幅が広く奥行が狭い(幅1100/1400×奥行500mm)
- 基本的には上置きを置かない
- レターケースのような浅い引出がたくさん
- 天板昇降式(6段階)
- サイドシェルフの大引出にランドセルがすっぽり収まる
ベネッセ×カリモク家具の「学びデスク」や学研×コイズミファニテックの「毎日のデスク」に比べると、K-modelは陰山氏の意向がかなり取り入れられたと思われる特徴的なスタイルのデスクです。
陰山氏がご自分のお子さんに、”ホームセンターの年度末の処分品の中にあった折りたたみの会議机を格安で買ってきた”のが思いのほか良かったことから、その知見を踏まえてこのような形になったようですが、机が横長になることでたくさんの学習用品を置くことができ、また手を伸ばしやすいそうです。これがデスクの幅が広い理由ですね。
ほか、上置きがないのはそのほうが勉強に集中しやすいため。レターケースのような浅い引出がたくさん付いているのは、各教科ごとに教材を入れるため。天板昇降式であることは改めて言うに及ばず、サイドシェルフの大引出にランドセルがすっぽりと収まるのは、ランドセル自体が収納になっている現実に則したということです。
教育の専門家がおっしゃっていることを否定する気はさらさらないのですが、学習机評論家としてK-modelを評価すると、これはこれでひとつの形としてはアリだと思いますが、まあハッキリ言って割りに合わない買い物だと思います。陰山氏のメソッドを実践するのであれば、ホームセンターで格安の会議机を買ってきて置けば十分。オカムラの品質でこの値段はボッタクリです。
2012年度に発売されて、今年度もまだ売ってたんだと思いながら改めてK-modelを見ましたが、金属製レールがショボすぎて、引出を開けるのにかなり力がいりました。ひょっとしたら、頭だけでなく、体も鍛えるようにという陰山氏のメッセージが込められているのかもしれませんが(苦笑)
また個人的には、インテリア性重視のためにであったり、子供が成長してからであれば、上置きを置かないという選択肢はアリかなと思いますが、学習机は勉強するための道具という側面だけじゃなくて子供にとっての居場所ですから、最初のうちだけでもやっぱり上置きはあって欲しいなぁと思います。
あと、引出については効率的に見えますけど、プリント類を一時保管するのにこんなにスペースを取ったら、それ以外の文房具などの収納には困ると思います。
最後にランドセルを大引出に入れるっていうのは画期的なように見えますが、これはクローゼットの中に整理タンスを入れるようなもので、スペースやコストの無駄な使い方ですね。デスク側面にランドセルを引っ掛けておけば済む話だと思います。
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