昨年、ベネッセ×カリモク家具の「学びデスク」がひっそりと販売を終了しました。さらに、オカムラは2020年度カタログに「ピエルナ」を冠した学習机を1モデルも掲載しませんでした。こうして、かつてコクヨ「くるくるメカ」などの天板昇降式デスクのブームが過ぎ去ったように、今回のブームも終わりを迎えたのであります。
しかし、人気がなくなったとは言え、完全に消えてしまうと寂しいものです。きょうだいで揃えようと思っていたのにいきなり梯子を外された感じの親御さんもいらっしゃることでしょう。
そういう事情を察してか、オカムラがピエルナを公式オンラインショップ限定で復活しましたよ!
オカムラ「ピエルナ」
今回復活したのはピエルナシリーズの中でももっともロングセラーとなるモデルです。デスク+ワゴンの2点セットが「865RBZ-W964」、デスク+ワゴン+木製チェアの3点セットが「865RBS-W964」という品番であることから、おそらくは2019年度モデルとまったく同じ仕様と考えられます。
天板はMDFダイレクトプリント、引出しは白塗りの粗悪な桐、金属製のスライドレールは開閉のたびにザーッと音が鳴ってイマイチな品質ながら、2006年度グッドデザイン賞に輝いたデザイン性はなかなかのものです。
公式ショップだから実現できた低価格
公式ショップ税別価格 | 2019年度モデル税別定価 | |
---|---|---|
2点セット | 45,300円 | 114,000円 |
3点セット | 54,400円 | 145,000円 |
かつて一世を風靡したピエルナが廃番に追い込まれたのは、決して天板昇降式デスクのブームが下火になったことだけが原因ではないと私は考えています。むしろ、価格が問題でした。メーカー都合でどんどん値上げをした結果、「こんなスペックなのにこんな価格で誰が買うの?」と思うような価格になってしまったのが不人気化の一因と考えられます。
このたび公式ショップ限定で復活したピエルナは、デスク+ワゴンの2点セットが税別45,300円というお手頃価格です。この価格帯ならニトリで学習机を買うのと変わりません。逆に、2019年度までの税別114,000円、つまり実売価で税込9万円弱だったら、誰も買うわけがないんですよ(苦笑)
ともあれ、メーカー直売にすることで中間マージンを省いてお手頃価格を実現したピエルナ。これなら売れる可能性はあると思います。
ニトリ「ハイトN」との比較
自分で組み立てる必要があるとは言え、ピエルナがお手頃価格で買えることは消費者にとってありがたい限りです。しかし、ほかの商品と比較してみるとどうでしょうか。今回はニトリの「ハイトN」(上写真)と比較してみたいと思います。
ハイトNの天板はバーチ突板、引出し内部材は桐です。ワゴンとは別にキャスター付きの書棚がセットされており、天板昇降式デスク特有の問題である収納力不足も解消されています。
さらに、LEDデスクライトも付属。それで税別45,364円ということですから、ピエルナの2点セットとほぼ同じです。おまけに、送料1,000~2,000円(税別)で配送員が組立設置してくれます。
というわけで、ピエルナのほうがデザインが良いという点を除いては、ハイトNの圧勝という感じがします。
以上の通り、ニトリのハイトNと比較してみたところ、やっぱりピエルナは厳しいかなという感じがします。しかしながら、直営ショップで販売すればこの低価格が実現できるというのは、メーカーにとっても消費者にとっても大きな福音となるかもしれません。
諸事情を考えるとなかなか難しいかもしれませんけど、ピエルナ消えるなー!
2020/06/02追記:
ピエルナは5月まではまだ在庫があったみたいですが、現在は完売となってしまったようです。想定以上に売れてしまったのか、逆に思ったほどじゃなくて生産終了したのか、どちらでしょうね?
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【コメント】 皆様からご質問・ご意見など
はじめまして。
いつも大変参考にさせて頂いてます。
小学校1年生の子どもに机を新調しようかと思いご意見を頂きたくコメント致しました。
関連が見つからなかったので同じオカムラの机ですのでこちらに失礼します。
机に向かう姿勢が悪く、椅子(バランスチェアなど)+角度がついた天板イージーライティングボードの組み合わせがベストという口コミを見ました。
確かに椅子と天板と両方で調整できれば姿勢は良く保てるのではと思いました。
調べたら今ある机に乗せるタイプのイージーライティングボード(サカモトハウス)と、オカムラから出ている角度のついた取り外し可能な天板つきの新モデル(天板昇降機能なし(オカムラKモデルⅡ86NK1C-WE86デスク)天板の一部が上がり昇降機能もついた次世代デスクニューヒーローという机かを検討しています。
ちなみに本人は小柄で床に足がついた方が集中できると言っています。
今のところ天板の一部が角度調整でき、昇降機能もあるニューヒーローという机にしようかと思っていますが、天板の角度調整機能がどれだけ良姿勢維持に有効か迷っております。
ご意見頂ければ幸いです。
よろしくお願い致します。
レオさま
はじめまして^^
オカムラの「Kモデル2」のような傾斜天板を備えた机、もしくはイージーライティングボードについてのご質問、これは難しいですねー^^;
個人的には、姿勢を良くするという一点においては非常に良い方法だと思います。
しかし一方で、カリモク家具が過去に挑戦したものの廃番になったことや、イージーライティングボードが未だ市民権を得ていないという現実もあります。
その理由はいろいろ考えられるのですが、おそらく最大の弱点は計算ドリルとノートを広げられるくらいのスペースしか確保できないということです。
教科書とノートを前後や左右並列に並べられませんし、ノートパソコンとの相性も悪いです。
結果的に、傾斜天板は小学校低学年まで、もしくは絵を描くときなどに有効という認識にとどまっているのではないかと思います。
そう考えると、サカモトハウスの「目にやさしい学習台」や豊橋木工の「スラントアップ」などのように机の上に置くタイプのほうがのちのち対処はしやすいと思います。
ただ、置いたり外したりするのが面倒臭い、肘の近くが当たって痛いといった問題もあるようです。
「NEWヒーロー」のようなデスクは台湾などでは主流のようです。
ただ、日本ではカラーデスクよりも木製デスクに主流が変わりつつあることから、逆行するかたちとなるのでしょう。
私はスチールデスクが好きですし、機能的で良いと思いますけどね^^
はじめまして。
もうすぐ6才になる愛娘の机を探していて、
白くて広々していて、オシャレなものを探していたら、
オカムラのアイティア というモデルに興味が出てきました。
でも、こちらのサイトではオカムラの評価は高くないので、
購入するのが心配になってきました。
そこで、対抗馬としてボナシェルタの白も比較しています。
ただ、ボナシェルタはシンプルすぎるかな、という印象もあります。
そこでさらに対抗馬として、カリーシルの白にも興味が湧いてきました。
でもカリーシルはデザインが凝っている分、他の家具を買い足すときに噛み合わないかも、という心配もあります。
使い方のイメージは、低学年まではリビングに置いて、高学年から子供部屋に移そうと思っています。
また、リビングにある間は親子で使いたいので、机の幅が、袖机を繋いだら広く延長できて、かつ白いモデルがあるということで、上記のモデルが候補にあがっています。WEBで写真を見ただけなら、アイティアが一番かっこよく見えたのえすが。
(さらに上記の条件に合いませんが、オカムラのソラノプリティアも可愛いですね。)
いきなり長々とした質問で申し訳ありませんが、アドバイスいただけると安心です。
テルさま
はじめまして^^
オシャレで白い机をお探しですね。
学習机に限らず、家具は写真だとすごく良さそうに見えたのに実際に手元に届いてガッカリするということが多いです。
カリモク家具のボナシェルタやカリーシルも検討の余地がある場合、オカムラのアイティアを見ると値段相応か、むしろカリモクのほうがコスパが良いと感じると思います。
オカムラの学習机は品質管理はちゃんとできているものの、スペックで見れば非常にコスパが悪いのです。
一方でボナシェルタはシンプルというよりもちょっとボリューム感が強いと感じるかもしれません。
ユーティリティプラスのほうがボリューム感が少なく、シアーホワイト色も選べますし、ワゴン天板はリフティング式で天板面の拡張をしたいというニーズにマッチするかと思います。
おまけにサイズバリエーションも豊富なうえに、ボナシェルタよりも価格が手頃です。
もちろん、アイティアをオススメしないというわけではありません。
信頼できる会社だと思いますし、天然木よりもMDF合板のほうがキズが付きにくくて丈夫と言えるところもあります。
実際に見比べていただいたうえでご判断いただければと思います^^
収納マンさま
早速アドバイスいただき、ありがとうございます。
やっぱり実物を見に行った方がいいですね。
ユーティリティプラスも候補に入れてみます。
テルさま
店舗では机の前に立った状態で見ることになるので、印象は全然違ってきます。
カリモク家具の学習机はショールームだと多くのバリエーションをご覧いただくことができます。
一生に一度の買い物なので、是非じっくりご検討ください^^