スマッシュヒットの予感!オカムラ2019学習家具展示会レポート

学習家具メーカー4社合同展示会レポートの第2弾は、オカムラの2019年度学習机を紹介します(岡村製作所は2018年4月1日にオカムラに社名変更しました)。

実は私、オカムラの展示会に伺うのは初めてです。前回もちょっと触れた通り、展示会は基本的に得意先との商談の場ですので、呼ばれていないのに行くのは控えていたのです。

しかし、今回は家具新聞社の外部ライターとして、大手を振って潜入することに成功したのであります(笑)

 

4変化!新作「ヴィチーノ」

オカムラ・ヴィチーノ

まずは新作デスクから紹介しましょう。「VICINO(ヴィチーノ)」はリビングダイニング学習用に開発されたシンプルなシェルフのようなデスクです。

上写真左から順に、シェルフ付きのオープンタイプ、扉付きの片開きタイプ、単体(シェルフ&デスク)の3タイプが用意されています。また、天板の位置を変えることで、上写真左から順に、床座ポジション、イス座ポジション、立ちポジションで使えるようになっている、新しいかたちの天板昇降式デスクと言えます。

右端はちょっと見切れていますが、天板をもっとも低くすることでシェルフスタイル、つまり普通のオープンラックのように使うこともできます。

奥行は45cmでリビングダイニングに置いても圧迫感を感じさせず、リビングダイニング学習だけでなく大人が使っても良い感じです。

ちなみに、デスクライトにも新しいモデルが追加されています。上写真中央のシングルアームタイプがそのひとつです。コンパクトデスク用にアームの関節を少なくしているのですね。

2018/12/05追記

こちらは4社合同展示会ではなく、11/14~16に東京ビッグサイトで開催された「IFFT/インテリアライフスタイルリビング2018」の模様です。家具新聞編集長の加納さんによる取材で、オカムラのオフィス営業本部インテリア営業部製品開発室室長の丹さんが応じています。

丹さんはこれぞオカムラという感じの紳士で、今回の取材では淡々と応じていますが、商品について話しているときは実にニコニコされている様子が印象的な方です。

それはさておき、あまり実物を見る機会がないヴィチーノの質感が動画だと分かりやすいと思います。



奥行65cm!「ラトリオ」

オカムラ・ラトリオ

オカムラには新作デスクがもう1台あります。「Latorio(ラトリオ)」は天板の奥側が取り外せるようになっており、そこに電源タップやケーブルを収納できるようになっています。パソコンやタブレットなどのデジタル機器を使うときに便利で、大人が書斎デスクとしても使っても良さそうです。

各社から奥行がコンパクトなデスクばかり発売される昨今において、珍しい奥行65cmであることにも注目です。デスク本体の幅は100cmと120cmの2サイズ、サイドチェストとワゴンが用意されており、別売の本体引出ユニット、上棚、書棚も用意されています。

なんで今さらこんなデスクを発売したのか不思議な感じがしますが、とにもかくにもこれはすごく良い出来栄えです。脚形状も機能的かつスタイリッシュで、中高生にオススメな感じと言えるでしょう。

あと、上の写真だとちょっと分かりにくいですけど、LEDデスクライトにコンセントとUSBポートが設けられたものが追加されています。このUSBポートが実にオカムラらしくて、2.4アンペア対応となっているのです。容量が2.4アンペアもあればタブレットを急速充電することが可能です。

 

マルチパーパスチェア「ルサック」

オカムラ・ルサック

ラトリオの奥にセットされている椅子にもご注目ください。こちらも新作、マルチパーパスチェア「Ressac(ルサック)」はロッキングチェアのように接地面が弓なりになっています。

そのため、重心を前に移せば前傾になり、楽にパソコンを操作したり、文字を書くことができます。普通、それらの作業をするときは、体が前傾するというよりは首だけが前に行きがちですけど、姿勢良く自然な態勢で体全体を前に傾けることができるんですね。

これ、文章だとうまく伝わらないと思いますが、実際に座っていただけると分かってもらえるはずです。私も1脚欲しいくらい気に入りました(笑)

足置きがないので新入学児童向けではないですけど、座面は2段階に高さを調節することもできます。また、脚の裏にアジャスターを取り付けることで前後傾しないようにすることも可能。中高生や大人にオススメしたいですね。

 

ストレスレスチェアより良い!「ルシェロ」

オカムラ・ルシェロ

こちらは学習家具はおろか書斎家具でもありませんが、一緒に展示されていて私もすごく気に入ったので、ついでに紹介させてください。

「Ruscello(ルシェロ)」はパーソナルチェアと呼ばれるジャンルのチェアですが、オフィスチェアで培われたノウハウが詰まっており、最適なポジショニングが可能です。それだけでなく、ご覧の通り見た目にもすごくスタイリッシュです。

パーソナルチェアではエコーネスの「ストレスレスチェア」が圧倒的なシェアを握っていますが、ハッキリ言ってストレスレスチェアより座り心地もデザインも素敵!これで20万円台というのは、むしろ安いと言えるでしょう。置く場所さえあれば私も1脚欲しいです(笑)

 

「リュブレ」にオープンラック追加

オカムラ・リュブレ

2018年度に登場した「lieuble(リュブレ)」には、オープンラック(上写真中央)が追加されました。

ぶっちゃけ、リュブレはスタイリッシュだけど単にコンパクトなデスクという感じで、イマイチ使いにくいと感じていました。しかし、オープンラックが追加されたことで、リビングダイニング学習用に使いやすくなったと思います。

 

「プリティア」は高さ調節タイプのみに

オカムラ・ソラノ・プリティア

ここまでオカムラの新作デスクを紹介してまいりましたが、一方で従来のラインナップには大ナタが振られています。

まず、リビングダイニング用のヴィチーノの登場とともに、同じジャンルの国産デスク「ラポール」が廃番に。これはリュブレとカニバる要素があるうえに、価格が高かったということもあるでしょう。

また、2017~2018年度は「ソラノ・プリティア」と「ノベル」にそれぞれ高さ調節タイプと広さ調節タイプが用意されましたが、プリティアは高さ調節タイプのみ、ノベルは広さ調節タイプのみとなりました。これは他のメーカー同様、新入学児童向けを減らして中高生向けを増やすという流れでしょうね。

 

以上、ご紹介しました通り、2019年度のオカムラはかなり良い感じです。学習机の購入率が下がっていることなんてどこ吹く風といった感じで、独創的かつアグレッシブな開発姿勢を窺い知ることができます。

これまで私は「オカムラって面白いなー」と思うことはありましたけど、正直言って、あまりオススメしたいと思ったことはありませんし、自分が欲しいなんてコレっぽっちも思ったことはありません。しかし、2019年度は本当にビビビッと来るもののオンパレードです。

近年、売場シェアを落としているオカムラの学習家具ですが、是非一度、店頭でチェックしていただきたいですねー。なお、オカムラの2019年度カタログの配布、ホームページ上の製品紹介は、7月以降順次配布、公開の予定ということです。

続編

ブラッシュアップに余念がない!くろがね2019学習家具展示会レポート
くろがね工作所2019学習家具展示会レポート。新作「ラティック」はラダー状のパネルをセットできるDIYテイストの学習机。アーム式LEDデスクライトも新型が登場し、従来のスタンダードデスクは上棚の棚板が左右入れ替え可能になるなど、ブラッシュアップに余念がありません。
オカムラメーカー2019学習机
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【コメント】 皆様からご質問・ご意見など

  1. 2時パパ より:

    立て続けにコメント失礼します。

    今までオカムラの学習机はノーマークだったのですが、この記事で「ラトリオ」の脚形状やタブレット学習にも対応している所がとても気になりました。

    そこで質問なのですが、以前収納マン様がオカムラの学習机について指摘されていたスライドレールと引出内部材の品質は改善されていたでしょうか?

    • 収納マン より:

      2時パパさま

      ラトリオ、いいですよねー♪
      個人的には使い勝手は非常にナイスだと思いますし、デザイン的にも素敵だと思います。

      オカムラの引出しのスライドレールについては、3年くらい前からそんなにひどいことはなくなったと感じます。
      ただ、コイズミファニテックやイトーキに比べると、少し品質が低いのかなという感じもします。

      2019年度に関してはまだ何とも言えません。
      展示会に並んでいる新作は概ね試作品で量産品ではないからです。

      また、引出し内部材はやはりオカムラの場合、白塗りの桐材で統一されているようです。

      このあたり、「学習机は引出しが命」と考える私としては正直、快く思わないところもあるのですが、嗜好が多様化する現在、引出しの品質はもはや選ぶ要素の一つに過ぎないのかもしれません。
      当たり外れもありますが、また店頭で実際に引出しを開閉してみて、許容範囲か否かをご確認いただければと思います^^

  2. 2時パパ より:

    さっそくの回答ありがとうございます。

    スライドレールは3年も前から改善されていたんですね(^^;
    試作品と量産品とは同じではないということも勉強になりました。

    以前不動産屋に100%理想の物件はありません。70%理想に当てはまれば良い物件です。と言われたことがあります。
    学習机も100%理想は無いですよね。
    引き出しのスムーズさを取るか、天板の広さを取るか、デザインを取るかなど取捨選択が難しいです。

    ともあれ、店頭に並び出したら、実物の良さも感じたいですし、引き出し具合も含めて一度見に行きたいと思います。

    ありがとうございました。

    • 収納マン より:

      2時パパさま

      > スライドレールは3年も前から改善されていたんですね(^^;

      あくまで主観ですが、そう感じます。

      > 以前不動産屋に100%理想の物件はありません。70%理想に当てはまれば良い物件です。と言われたことがあります。
      > 学習机も100%理想は無いですよね。

      不動産の場合は立地という世界に一つの要素がありますが、家具の場合はそこまでではありません。
      しかしながら、「家具は縁のもの」ともよく言われます。
      その点で言えば、理想に近いものに巡り会えるかどうかは縁次第なのでしょう^^

      地域にもよりますが、概ね9月後半~10月頃に店頭に学習机売場が作られると思います。
      是非ありこちご覧になって、理想に近いものを手に入れていただければと思います^^