消費増税に加え、暖冬、そして新型コロナウイルスの流行に、日本の流通各社が苦しめられています。
これまでほとんど前年実績を下回ることなくひたすら売上を伸ばしてきたニトリですら、直近の3ヶ月間は全店、既存店ともに、前年割れ。大人の女性向けアパレル「N+(エヌプラス)」や基礎化粧品「GUARDIO(ガーディオ)」など果敢に新ジャンルを攻めるも、さすがにすぐに利益貢献することはないでしょう。
とは言え、その状況に手をこまねいて眺めているニトリではありません。主力商品である家庭用品や家具に対する消費者ニーズを見極めながら、改良を加えたり価格を見直したりしている様子は随所に見られます。このたび投入した「デスクライト無し」の学習机もその一環なのでしょうか。
※すべて2020/02/26現在の税込価格
くみあわせですく(リビオJN ライト無し)
学習机商戦の最盛期というタイミングで投入されたニトリの「デスクライト無し」の学習机は2台あります。まずは「くみあわせですく(リビオJN ライト無し)」。上写真のWW/PU色のほか、LBR/BL色、MBR/BK色の3色展開です。
リビオJNは外観を見るに、2020年度モデルの「リビオS」からデスクライト(ND-10A)を省いただけのものです。しかしながら、リビオS(税込49,900円)からデスクライト(同5,990円)を差し引いた額(同43,910円)よりも812円高い44,722円となっています。これはファーストフード店のようにセットで買ったほうがお得というだけのことでしょうか。
不可解なのはむしろ商品名のほうです。2019年度は東日本が「リビオY」で西日本が「リビオJ」でした。しかし、このたび投入されたリビオJNはリビオJとは異なります。「リビオB」にするならともかく、なぜ今更「J」を持ち出したのかが気になるところです。
どうでも良い話ですか。スイマセン(苦笑)
くみあわせですく(DNS-C ライト無し)
もう1台のデスクライト無しは「くみあわせですく(DNS-C ライト無し)」です。こちらも奇妙なことに2019年度モデルの品名で、仕様も2019年度のままのようです。2020年度モデルは「DNS-G」ですが、今期は既に完売となっております。※在庫が復活しました。ただし、お届けは3月下旬以降です。
DNS-C、DNS-Gともに、3色展開でしたが、このたび投入された「DNS-C ライト無し」はLBR/NV色のみ。「デスクライト(DSL-N12T)はないけど、在庫があるから売っちゃえー」ってことでしょうけど、公式のニトリネットだけならともかく楽天市場店やYahoo!店でも売っているのですから相当数の在庫があるのかもしれません。
だからと言って特に安くなっているわけでもなく、もともとのセット価格からデスクライトの価格を差し引いて消費税10%をまんま乗せた34,537円。さすがはニトリ。2020年度モデルが完売になったので、この価格なら1年寝かせた在庫品でも値引きすることなく捌けると判断したのでしょう。
まあ、ナフコでほぼ同じ仕様の「Nスマート」が49,900円ですからね。それほど仕様が変わらないイオンの「フリースタイル学習デスク」も54,780円。同じメーカーの商品だとしたら、ニトリのほうが完売になるのも当然です。(D)デスクは(N)ニトリで(S)静和貿易のを買うのが(G)グッドというわけですね(笑)
ともあれ、DNS-Cはもともと装備していたデスクライトの在庫がなくなったのでデスクライト無しで販売したというのは分かります。しかし、リビオSはデスクライトが現在も販売中です。新型コロナウィルスの影響で輸入が滞り、このままセットで販売し続けることに不安が生じたのでしょうか。
ちなみに、イトーキも「リーモ・ベーシックタイプ」をデスクライト無しで売り始めています。これは新型コロナウィルス以前からの動きですから、在庫不足というよりは少しでも単価を下げて買ってもらいやすい価格にしたいとか、もう調色機能付きのL-77は在庫限りで生産しないというだけのことなのかもしれません。
賢い人たちは市場を冷静に分析して色々と先手を打ってくるものですねー。
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