先日ニトリに足を運びましたら、2020年度の学習机カタログが置いてありました。大型店でもまだ展示はほとんどこれからという感じですが、基本的には昨年度と比較して大きな変化はないように見えます。
逆に言うと、微妙な変化がいくつかありますので、そこらへんを解説してまいりたいと思います。
くみあわせですくデラックス「リビオS」
まずはニトリの看板商品である「くみあわせですくデラックス」から。2019年度にフルモデルチェンジされて、2020年度もそれを踏襲したかたちです。
品番は「リビオY/J」から「リビオS」に変更されています。2019年度はYは東日本、Jは西日本向けに出荷となっていましたが、2020年度はそういう区分はないようです。おそらく一つの工場でまとめて生産できるようになったのでしょう。それによって合理化できたというよりは、合理化できてしまうほどカラーデスクのロットが少なくなってきているのだと思います。
USB+2口コンセントに変更
変わったのは品番だけではありません。パッと見た感じは同じに見えても、随所でバージョンアップされています。まずは3口コンセントがUSBポート付きの2口コンセントになりました。
学習机にUSBポートが付いてるのって、コイズミファニテックの一部モデルだけじゃないですか。スタディアップデスクの減少で供給がダブついて価格が下がったのかもしれませんが、スゴイことだと思います。
デスク片脚を外しての連結が可能に
2019年度のリビオは上写真のようにデスクの片脚を外して本棚の下台に直接ジョイントすることができませんでした。おそらく、そういう機能は組み替えが大変だという声があってナシにしたのでしょうが、やっぱりそれができたほうが良かったという声が多かったのでしょう。結果的に、2020年度モデルでは2018年度以前のくみあわせですくデラックス同様にデスク片脚を外しての本棚との連結が可能になりました。
ちなみに、脚は2019年度モデルよりもボリューム感のあるデザインになっています。横から見たときにロの字の内側の角に丸みを持たせることで安っぽさが緩和されました。
上棚の背板もリバーシブルに

出典:ニトリ楽天市場店
2019年度モデルのリビオは引出しの持ち手が3色に変えられる仕様でした。ところが2020年度版は2色に変更。その代わりに上棚部分の背板が2色のリバーシブルになりました。
これは上棚の背板をリバーシブルにしようと思ったら、引出しだけ3色というのはおかしいからでしょう。無駄なコストを掛けることなく子供が喜ぶことを頑張ってやってくれていると思います。
ワゴン引出しの持ち手が大型化
ワゴン引出しの持ち手も大型化されました。これにより、手を差し入れやすくなっただけでなく、見た目も良くなったと思います。
これもコストを掛けずに上手にバージョンアップした点と言えるでしょう。
消費増税後も税込価格を据え置き
以上の通り、リビオは2019年度モデルと比較して随所に改良が加えられています。劣化したと言える点は特に見当たりません。
にもかかわらず、税込価格は消費税が8%から10%になっても据え置きの49,900円。さすがニトリと唸ってしまいますねー。

メルシーG→Rに
近年はくみあわせですくデラックスよりも売れていると思われる「メルシー」もGからRにバージョンアップしています。
些細な違いばかりですが、ホワイトウォッシュ色のワゴンのキャスターがホワイトに変更。デスク天板の前縁の形状や、上棚や書棚の背板の形状が少し変わっています。また、こちらも増税後の価格は据え置きです。
ちなみに、カタログには掲載されていないのですが、メルシーRのハイタイプデスクというのもあります。メルシーRのくみあわせですくプレミアムじゃないですよ。ベーシックデスク、しかも懐かしい上下分離型の上棚です。売れているデザインだとは言え、スゴイことをやってくれますね(笑)
なお、昨年度のカタログではイメージ写真に映り込んでいただけのメルシーGの木製チェアもカタログに掲載。2018年度モデルよりもグッとデザインが良くなりました。
ユーティリティプラスみたいな「PLABO」
2020年度のニトリは従来品をバージョンアップしただけではありません。もちろん新作デスクもあります。その中でも気になるのがオーク突板を使った「PLABO」。プラボ?プラーボ?呼び方がよく分かりませんが、カリモク家具のユーティリティプラスを彷彿とさせるようなセレクトタイプのシリーズです。
まだ実物は見れていないので何とも言えないところがあるんですけど、さすがにカリモク家具と競合する価格帯ではないものの、コイズミファニテックのビーノあたりとは競合するかもしれません。杉工場のレグシーあたりも油断できないところでしょうね。
コイズミ「ハイブリッドチェア」は継続

出典:ニトリ
2020年度もイトーキとくろがね工作所の学習机はニトリの店頭に並びますが、コイズミファニテックは消えました。なので、ハイブリッドチェアやデスクマットなども消えるのかと思っていたんですけど、ニトリオリジナルモデルのハイブリッドチェアは継続されました。デスクマットやデスクカーペットもコイズミファニテック製のものが並びます。
なお、ハイブリッドチェアとデスクマットは増税後も税込価格が据え置かれましたが、デスクカーペットは増税分がそのまま転嫁されます。消費者としては残念だと思いますけど、私はホッとします。「ニトリ、鬼かよ!」って思ってましたから(苦笑)
以上の通り、2020年度のニトリの学習机は市況の変化に臆することなく、前進あるのみといった感じです。一昔前に比べるとラインナップは相当減らしているにもかかわらず、消費者ニーズの多様化にシッカリ対応できている感じがします。
ニトリはとにかく手を緩めません。大手学習机メーカーが年度ごとの仕様変更をおこなわなくなった一方で、ニトリは知恵を絞って少しでも良くしようとしてきますから。さすがです。
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コメント 皆様からご質問・ご意見など
いつも楽しく拝読しています。
二人目にオカムラのクオーレを、と思っていましたが、ニトリも気になります(笑)。
引っ越しをした関係でリビングに2台並べるスペースがなく、続きの和室に置くのでお揃いにはこだわっていません。
メルシーのハイタイプデスクいいですね。下にかがむより、上に手を伸ばして物を取るのが好みです。
男の子なので色々と並べて楽しめそうです♪少し料金アップしますがオカムラよりは材質的にはこちらの方が良いのでしょうか?
とんこさま
実物が見れないオカムラのクオーレよりもニトリのメルシーのほうが安心感がありますよね^^
材質的にはメルシーのほうが上です。
クオーレの天板はMDFダイレクト印刷、メルシーは天然木突板です。
以前はアルダーと表記されていましたが、現在は明示されていないところを見ると、アルダーではなさそうです。
引出し内部材についても、クオーレは白塗りの桐、メルシーは塗っていない桐です。
低級の桐は褐色なので、白く塗って誤魔化すのです。
一方で、メルシーは塗るほどではない、と言えます。
また、クオーレを作っているのはたぶん静和貿易の学習机と同じ工場(マレーシア)です。
オカムラの学習机はその工場で作ったものが多いように感じます。
イオンのできるんデスク、コンパクトフリースタイルデスク、ニトリのくみあわせですくデラックスなども同じ工場だと思います。
ちなみに、メルシーGは中国製でした(Rは未確認)。
クオーレとメルシーでは形がちょっと違いますが、予算的に問題ないようであれば一般的にはメルシーのほうがオススメと言えると思いますよ^^
さすがの的確なコメント、ありがとうございます!
どちらのサイトもいったり来たりするのですが、どうも良く分からなくて。ニトリは天然木なんですね。
クオーレの天板、手前は角が少し削れてきています。
問題なく使えてはいますが、確かに木っぽさはないですね。
ニトリは手前が予め少し斜めカットしてあるのも細やかな配慮があると思いました。
予算と相談ですね。ありがとうございます。
とんこさま
先のコメントでは失礼しました。
とんこさんは既にクオーレをご購入になってよくご存知でしたね^^;
おっしゃる通り、学習机はどこから傷んでくるかというと、まず天板の前縁です。
丈夫なMDFダイレクトプリントでもそこから傷んでくるのですから、やはり材質や塗装というのは重要だと思います。
昨日、ニトリでメルシーRを確認してきました。
引き続き中国製で、仕様も大きくは変わっていないようです。
変わったのは主に天板の前縁の形状で、左右の角に丸みを持たせつつ正面は斜めにカットしてデザインが向上したように思います。
なお、メルシーの天板は天然木突板ですが、手前の縁は無垢(集成材)を使っているので、削れてもMDF合板がむき出しになるようなことはありません。
ちなみに、メルシーRはウレタン塗装のはずです。
塗装の面でも問題ありません。