ここ数年、ナフコ(21スタイル)の学習机に対する私の評価は散々なものでした。
もともと、私はナフコが好きだったのです。婚礼家具もナフコで買いましたし、やっぱり西日本で育った人間にはナフコの感性が合うのです。
学習机についても、100cm幅に集約されていった中でナフコでは110cm幅以上を取り揃えるなど独自性がありました。しかし、このところは大手家電販売店オリジナルのパソコンのように、粗利重視で消費者にとってはメリットがないオリジナル商品をゴリ押ししているように感じられました。
そんなわけで正直、今年度もナフコにはなーんにも期待していなかったのですが、昨年末にデジタルカタログを見て「おやっ?」と思いました。それでも忙しさにかまけて店舗に足を運ぶのを先延ばしにしてしまっていたんですけど、読者の石橋さんに背中を押していただいて見に行ってまいりました!
ナフコ×イトーキ・NUF-18-VB
出典:ナフコ21スタイル
ナフコ21スタイルの2018年度デジタルカタログを見てもっともトキメいたのは、イトーキのウットフォークにクリソツな「学習机3点セットNUF-18-VB」です。
誰がどう見てもウットフォーク!そしてウットフォークなら同じような組み合わせで14万円ほどになるところが、ナフコ版だと税込79,800円という激安価格なのです。「これはきっと裏があるに違いない…」と思ったら、やはり裏がありました。
まず素材。ウットフォークはナラ無垢、ナフコ版はラバーウッド無垢です。しかし、木目はナラです。
実際に確認してみたところ、ナフコ版の天板はラバーウッド無垢にナラの木目をプリントしたものでした。また、引出し前板や書棚の棚板はMDF合板に木目をダイレクトプリントしたものでした。
そう言うとかなり安っぽく感じるかもしれませんが、ウットフォークのナラ無垢に比べると少しツヤがあるものの、おそらく素人目にはほとんど違いは分からないと思います。私ですらパッと見た目は気付かないほどです。
また、本来のウットフォークの引出し内部材は桐ですが、ナフコ版はアクがキツイ桐を白く塗ったものです。ワゴン引出しの1~2段目のスライドレールはウットフォークより少し硬いと感じるものの、中身は基本的に同じベトナム製のジョイカラーネオに近い仕様と言えます(ウットフォークは中国製)。
ほか、LEDデスクライトはチープなものが付いていると思いきや、興和のルピナスEK310(ウォルナット色)でした!調光機能しかなくシェード幅も狭いので、お世辞にも学習用に最適とまでは言えないものの、決して安いLEDデスクライトではありません。
総じて、ナフコ版は本物のナラを使ったウットフォークと比べると明らかな廉価仕様となっているわけですが、この価格差を考えるとこれは十分にアリですねー。
ナフコ×イトーキ・NSU-18-MD
出典:ナフコ21スタイル
もうひとつナフコ×イトーキの学習机を紹介しておきましょう。「学習机2点セットNSU-18-MD」は、長らくナフコ×イトーキの定番だった「学習机2点セットJSD-17-TB」の廉価版と言える仕様です。幅方向に天板を拡張できるという点が共通しています。
定番の「JSD-17-TB」はリーモに似た仕様で、天板はアルダー無垢、引出し内部材は桐で、中国製。新作の「NSU-18-MD」は天板がMDF合板のダイレクトプリント、引出し内部材は白塗りの桐で、ベトナム製。こちらもやはりジョイカラーに近い仕様と言えます。
ただ、単に安いだけじゃなくて、デザインはポルク譲りの脚付き片袖机となっています。価格差を考えれば微妙なところですが、デザインの好みで選ぶのもアリでしょう。
ナフコ×コイズミ・リファルドNF
出典:ナフコ21スタイル
頑張っているのはイトーキとのコラボだけではありません。コイズミファニテックのリファルドのオリジナル仕様(リファルドNF)というのもあります。
残念ながら70マルチラックの写真しかないんですけど、デスクは幅105×奥行55cmで、ランドセルハンガーとコンセントが付いています。カタログ掲載品のリファルドはそれらがない書斎机という位置付けなので、それを学習机にアレンジしたというわけですね。
ちゃんと専用の木製学習チェアも用意されており、リファルドが書斎机ということで躊躇していた人にはピッタリなデスクだと思います。
まさかのヒカリサンデスク登場!
今年のナフコの売場にはヒカリサンデスクの「サンワークス2」があって驚きました。ヒカリサンデスクは基本的に東京寄りの家具店でしか扱っておらず、まさかナフコが扱うとは思いもよりませんでしたー。
より正確に言うと、ナフコにあったサンワークス2のナチュラル色はアルダー突板というカタログに載っていない仕様(ウォールナット色はウォールナット突板のまま)。本来、オーク突板であるところがアルダー突板というのは廉価仕様と言えますが、これはこれでアリかなという感じもします。
店舗によって異なるかもしれませんが、私が訪問したナフコ21スタイル和泉店では、プロパーのウットフォークとナフコ版ウットフォーク、プロパーのリファルドとナフコ版リファルドが一緒に並べられていたりしました。
これはつまり、自信を持ってオリジナル仕様を並べているという証で、明らかに今までのスタンスとは異なります。今までは極力プロパーを並べず、ただ「オリジナルだから安い」とゴリ押ししている印象でしたから。
プライスカードを見ても、「オリジナル」、「プロパー」などと明示していました。これは販売員ですら違いが分からなくなっているという問題を解消するためかと思いますが、消費者にとっても分かりやすくて良いことだと思います。やっぱり商売は誠実であることが一番大事です。
総じて、今年度のナフコはかなり好印象です。商品ラインナップを見ても、売場を見ても、消費者の立場に立っていることがうかがえます。ひょっとして、ここ数年わたしがボロクソに書いていたのをナフコの方が見たんじゃないかと思うくらいに改善されています(笑)
昨年は家具&ホームセンター業態のナフコと島忠ホームズは大苦戦でしたけど、今年はV字回復を果たすでしょうか。学習机以外の売場を見ていても、ちょっと期待ができるような気がしています。
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