一昔前のまだタブレットやスマホが普及していない時代、家電量販店では各系列オリジナルのパソコンが店頭に多く並んでいました。
価格自体決して安くもないのですが、外見はメーカーのカタログ掲載モデルと同等でも、オフィスソフトを搭載していなかったり、CPUのグレードを下げることで、お店の粗利益をしっかり確保したものです。それでいて「○○○は安い!安心!」などと連呼していたのですから、タチが悪いです。
あ、すいません。いきなり関係ない話をしてしまいました。しかし、ナフコ21スタイルの2017年度の学習机売場を見ていると、ふとそんなことを思い出してしまったのです。
コイズミファニテック・NODL-330WWL
ナフコ21スタイルが2016年度にコイズミファニテックのスタディアップデスクを並べなかったことを、私が否定的に述べたことが影響したというわけではないと思いますが、2017年度はオリジナル仕様のスタディアップデスク「NODL-330WWL」を投入してきました。
ベースとなっているのはコルフィ(上写真)です。ただ、主材はラバーウッドからMDF合板に変更されており、10パターンに変形するはずのスタディアップデスクが7パターンにしかならないのです。
減っている組み替えパターンは、コンパクトスタイル、リビングスタイル(上写真)、ワイドスタイルの3パターン。どうもシェルフを上下分離式の完成品にしてしまったおかげで、その3つのパターンができなくなったようです。
これはおそらく配送設置の際に配送員がミスしないことを狙ったんじゃないかと思いますが、コンパクトスタイルが実現できないのはちょっとどうかなと個人的には思います。また、これだけ廉価版仕様にしておいてこの値段なら、私だったら他店でプロパーのコルフィを買いますね。
オカムラ・ピエルナバリュVI
出典:ナフコ
ナフコは2016年度もオリジナル仕様のオカムラの「ピエルナバリュBL」というのを扱っていましたが、これはその後継機でしょうか。
「ピエルナバリュVI」は特徴としてカタログ品より仕切り板が多いとか、LEDデスクライトが付属しているとか謳ってますけど、代わりにワゴンの引出しが1杯少なくなっていますし、LEDデスクライトはクレオのT字型の安いタイプです。T型センターライトやツートンカラーというのは消費者にとって魅力的なところもあるものの、コストを考えるとバリューとは言えません。
全部が全部というわけではないですし、今に始まったわけでもないですが、ナフコは万事そんな調子が目立ちます。
イトーキ・学習机2点セットJAQ-F9Q
一方で、「お?」と思うようなものがあったのも事実です。たとえばイトーキの「学習机2点セットJAQ-F9Q」(デジタルカタログ10ページ参照)。
アンティーク調の学習机で、デスク本体とワゴンはカモミールに似ています。で、上棚は前回も話題に上がりましたポルク棚付デスクに似ていて、棚板は固定となっております。
個人的には素敵な形だと思うんですけど、天板がMDF合板でこの値段というのと(※)、せっかくのアンティーク塗装もワゴンの側板と上棚とデスクのバックボードがアンティーク塗装ではないプリント紙というのがちょっと興醒めです。色味はまったく違いますが、天板がバーチ無垢のカモミール・ベーシックタイプのほうがオススメですね。
※2017/10/13追記:
今さらではありますが、イトーキの「学習机2点セットJAQ-F9Q」の天板は天然木突板だったようです。現在、イトーキ公式ショップで税込59,800円で販売されています。
あとは浜本工芸のNo.61デスクを100cm幅にした「35グランデスク」(デジタルカタログ13ページ参照)というのが税込99,800円でちょっと魅力的かと思いましたけど、スペースさえ問題なければプロパーで良いかなという感じです。
ナフコは落ち目の学習机に力を入れるよりもコタツを頑張ったほうが良いという経営判断なのかもしれませんが、冒頭でも述べました通り、過去の家電量販店の手口に近いものを感じます。年寄りならそれでも騙せると思いますが、特に今どきの若いお母さんはそんなに甘くはないですよ。
昨年度は「ナフコ21スタイルのバイヤーがイオンと同じ思考回路にハマっている」と評しましたが、イオンは2017年度から独自の方向性を見出したように感じます。ナフコはこのままのスタイルで21世紀を生きていくつもりなんでしょうか。
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