2018年度の「くろがね工作所」の学習机がなんだかイトーキっぽくなっている件

近年の学習机市場のトレンドのひとつに「天然木」であることが挙げられます。

より正確に言うと、学習机の天然木ブームはもう15年以上も前からです。当時はナラ無垢（集成材）が高級、ラバーウッド無垢が標準という感じで、とにかく無垢であることが良しとされていました。

一方で近年の天然木ブームは無垢であるかどうかは重要ではありません。木を薄くスライスして貼った突板でも良いし、天板面以外は質感さえ損なわなければ木目調のプリント合板でも良いのです。無垢かどうかよりも、いかにも学習机という風体でなく、他の家具と並べても違和感がないということが重要になってきているように思います。

逆に言うと、子供っぽいデザインのカラーデスクはどうも敬遠される傾向にあるようですね。早くも2018年度モデルの販売を開始したくろがね工作所の学習机はそのことを示しているように感じます。

キュートガールがフレンチカントリー風に！

2018年度のくろがね工作所のラインナップは2017年度に比べてかなり変わっているようです。そのひとつがこちらの「キュートガール・クラシック」。従来通りの天板メタリックのキュートガールも健在のようで、さらにフレンチカントリー風のものが加わった模様です。

これはパッと見た感じ、イトーキのカモミールっぽい感じですねー。もっとも、カモミールはバーチ無垢、キュートガール・クラシックは天板がツヤツヤのMDF合板ですから、質感はまったく違います。

しかしながら、おそらくくろがねはイトーキよりも1～2万円安い価格帯で攻めてくるでしょうから、そこに商機があると考えているのかもしれません。

クールボーイは書斎デスク風に？

くろがね工作所は基本的にカラーデスクのラインナップを女子用と男子用で明確に分けて展開しています。女子用のキュートガールに対して男子用はクールボーイと非常に分かりやすいです。そして、クールボーイは従来は黒をベースにしていましたが、それに加えて2018年度は書斎デスク風の「クールボーイ・クラシック」を投入してきました。

ただこれは、2017年度のアルダー無垢の「シンプルプラス」とデザインが被っているように見えます。2018年度はシンプルプラスが継続となっているのかどうかは今のところ分かりませんが、おそらく、シンプルプラスはくろがねでは売りきれなくて、材質をMDF合板に落としてクールボーイに組み入れたということではないかと思われます。

カフェ風デスクも登場！

個人的にはむしろこちらのほうがくろがね工作所の2018年度モデルの目玉かなと思います。その名もズバリ（？）「カフェナ」という商品名で、ホワイト（上写真）とブラウンの2色展開、コンポーネントデスクタイプ（組み替え式デスク）もあります。

ちょっと縦に走った線が目にウルサイようにも感じますが、カフェ風のインテリアが好きな方にはハマるんでしょうか。個人的には、イトーキのカモミールとリーモとウットフォークを足して3で割ったような感じにも見えます。

ちなみに、先ほどシンプルプラスについて少し言及しましたが、カフェナがバーチ無垢、シンプルプラスはアルダー無垢ということで、やっぱりシンプルプラスは廃番になって代わりにカフェナを投入したと見るのが自然ではないでしょうか。

というわけで、まだ全容は分かっていませんが、2018年度のくろがね工作所の学習机を紹介しました。ちょっとイトーキを意識しているようなデザインのものが増えていると感じますけど、決してパクっているとは言えませんし、個人的には悪くないラインナップではないかなと思います。

ちなみに価格については、従来型のキュートガールやクールボーイを見る限り、基本的には前年度と変わらない感じです。おっと、価格のことをここで書くと、またクレームが飛んでくるのでほどほどにしておきましょう（苦笑）

ともあれ直近の決算では、少子化の影響などで各社が売上減に苦しむ中、学習家具の売上が前年度を上回ったくろがね工作所です。その反動か、今年度の第2四半期までは苦戦しているようですが、下半期は盛り返して2018年度もきっと大活躍してくれることでしょう。