10月に入ってすぐ、くろがね工作所の2016学習机カタログが公開されました(デジタル版)。オカムラ同様、くろがね工作所も2016年度はリビング対応&天然木路線を鮮明にしているようです。
もっとも、オカムラがリビング対応&天然木路線に進んだのは2016年度から。くろがね工作所の場合は2015年度からその動きがありました。2015年度は家具店の店頭ではほとんど既存路線の学習机しか見なかったのですが、2015年度に投入したLibeple(リベプル)やLineare(リニア)に手応えを感じたんでしょうか。
実際のところ、2015年度はくろがね工作所の学習机については、あまり良い評判を聞きませんでした。クレームが多い。コンテナ買いを求められる、など。通常、メーカー品の学習机は、発注毎に納品されるのですが、コンテナ単位での納入となればそれなりに売上が見込めなければなりません。そのためそれなりの規模の家具量販店でないと、くろがね工作所の学習机を扱うことができなくなってしまうわけです。
それでも安く仕入れられるのはメリットではありますが、クレームが多いと二の足を踏む家具店も多いことでしょう。実際のところコンテナ買いというのは「広告の品」的な無名メーカーのやることですから、もはやくろがね工作所の学習机はそのレベルの商品ということでしょうか。
2014年のくろがね工作所の決算を見る限りそれほど危機的状況とは思えないのですが、こういう話を聞くと私としてもあまりオススメする気にもなりません。以前に問い合わせをしたときの対応もちょっと…でしたからねー。頑張って欲しいとは願っているんですけど、厳しいもんですね。
リニアをより学童向けに改良したリニア・プレミアム
2016年度のくろがね工作所の学習机カタログのトップバッターはLineare Premium(リニア・プレミアム)。アルダー材のオイル仕上げだったリニアをホワイトオークのウレタン塗装に改良。カラーもダーク系からナチュラル系にし、デスク本体には引出しも取り付け、ラインナップに書棚も加わって、より学童向けになった印象です。
スペック的にはコイズミファニテックのBEENO(ビーノ)と比べても遜色ないように感じるんですけど、実物を見ないことには何とも言えないですね。
ラインナップがプラスされた風のシンプル・プラス
2015年度にはアルダー材でウレタン塗装と同じくオイル仕上げの2つの「Kシリーズ」というデスクがあったんですが、2016年度新登場の「Simple+(シンプルプラス)」はその後継機種と見られます。
以前のKシリーズはベーシックデスクのみで、オプション下棚を組み合わせれば組み替えデスクとして使うことも可能でした。2016年度はそういうオプションはなく、最初からシンプル(ベーシック)、ユニット、コンポーネント(組み替え)の3つから選ぶようになっています。つまるところ「プラス」という名称には、ラインナップをプラスしたというメーカー側のエゴが込められているようです。
価格は先代Kシリーズから5.8%値上げして税別定価105,600円(ベーシックデスクの場合)。でも先代が最終的にかなり安く売られていたので、急いで買う必要はないと思います。
価格は対前年比0~25%アップ
2016年度のくろがね工作所の学習机はお値段据え置きのものも一部あるものの、概ね10%前後の値上げとなっているものが多く、最大では約25%ものアップになっています。2015年度には13あったラインを2016年度は10に減らしてもなおかつ値上げしないといけないのですから、やはりなかなか苦しいんでしょう。2014年の決算では家庭用家具セグメントの営業利益率が大幅に低下したようですし、利益率の向上は必須課題ですもんね。
その他、2016年度のくろがね工作所の学習机は、今までほとんどアルファベット1文字のシリーズ名だったのが、一応ちゃんとしたシリーズ名称に変わっています。
ともあれ、くろがね工作所にはここで何とか踏ん張ってもらって良いニュースを聞きたいですね。どこのメーカーもカツカツでマンパワーが足りないのは同じです。クレーム対応が後手に回るとどんどん評判が悪くなってしまいます。そこのところしっかりとしていただいて、「やっぱりくろがねの学習机を買って良かった」という声を聞く機会が増えることを願っています。
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