コイズミファニテックの2020年度学習家具カタログがようやく公開されました。学習机メーカー最大手のコイズミファニテックのカタログが発行されると、今年も学習机シーズンが始まったなーという感じがします。
私もそろそろ気合いを入れていかなければと思うところですが、早速カタログの中身をチェックして参りましょう。
コイズミ2020学習家具カタログ

出典:コイズミファニテック
2020年度のコイズミファニテックの学習家具カタログは表紙を見た瞬間にシビれてしまいました!なんて芸術的なのでしょう!こんなにストーリー性を感じさせる学習机のカタログは初めてです!
学習机のディスプレイ写真って子供部屋やリビングダイニングというシチュエーションが一般的なので、壁に沿ってレイアウトしていることがほとんどなんですよね。しかし、こちらは奥行を感じさせるように前後方向に自由に並べています。手前には横棒状のオブジェ、奥には階段のようなものも見え、夢の中のような雰囲気です。
これはおそらく、「歴史」や「進歩」など時間の流れを感じさせる手法だと思います。上から電球がぶら下がっているのは「照明のコイズミ」というルーツを彷彿とさせるためでしょう。また、ガーランドがディスプレイの途中になっているような状態なのは、歩みが今なお続いていることを示しているのだと思います。
これ、たぶんプロのデザイナーの作品ですよね。すごいですねー。さすが最大手のコイズミ、掛けるべきところは投資を惜しみません。
新作「ファリス」は定着する?
さて、肝心の中身を見て参りましょう。まずはカタログの表紙を飾った新作「ファリス」。奥行48cmというのが特徴のひとつですが、シンプルなセレクトタイプのデスクという点では「ビーノ」や「ルトラ」とも似ています。
色合い、デザイン、ラインナップなどがそれぞれ微妙に異なるので単純に比較することはできないのですが、個人的に気になるのはファリスの価格です。
ビーノ&ルトラと価格を比較
ファリス | ビーノ | ルトラ | |
---|---|---|---|
90デスク | 42,200円 | 43,500円 | 30,300円 |
105デスク | 44,900円 | 46,100円 | 34,000円 |
120デスク | 47,400円 | 52,700円 | 39,000円 |
105回転デスク | 92,200円 | – | – |
120回転デスク | 94,800円 | – | – |
キャビネット | 47,400円 | 42,100円 | ワゴン24,400円 |
スリムキャビネット | 42,200円 | ワゴン32,300円 | ワゴン21,800円 |
※価格はすべて2020年度カタログ記載の税別定価
こうやって価格を比較してみると、天板がメラミン合板のルトラはともかく、ファリスとビーノは価格が近いように感じます。ファリスとビーノはいずれも天板がナラ突板です。しかし、奥行60cmのビーノに対して、ファリスは奥行48cmとコンパクトです。また、ビーノは引出しが2杯付属しますが、ファリスは引出しがありません。にもかかわらず価格がほとんど変わらないというのは割高感に繋がります。
キャビネットについても、引出し3段で奥行が短いファリスのほうが引出し4段のビーノよりも割高というのは不思議です。さらに、デスク本体引出しに鍵が付いているビーノに対し、ファリスはキャビネットにも鍵はありません。このあたりが果たして子供の支持を得られるかどうかというところですね。
ぶっちゃけ、ファリスを見てビビビッと来た消費者のうち少なくない人数が、予算や実用性を考慮してビーノやルトラに流れるように思います。サイズ感で言うと島忠ホームズやファニチャードームの「ビーノ50」、色味で言うと「アルフ」とカニバることも少なくないでしょうね。
新作「ブロスト」
同じく新作デスクの「ブロスト」も気になるところです。テイスト的にはイトーキの「ウットフォーク」と丸被り(苦笑)おそらくウットフォークが店頭に並ぶことはほとんどないので、ほとんどの方がこれらを比較することなく購入に至るかと思いますが、敢えてこちらではそれらを比較してみたいと思います。
ウットフォークと仕様を比較
ブロスト | ウットフォーク | |
---|---|---|
デスク天板サイズ | 100×55cm | 100×60cm |
デスク天板材質 | ホワイトオーク無垢 | ナラ無垢 |
デスクサイドフック | × | 使い分けフック |
デスク引出し仕切り | × | 専用お片付けトレー |
ワゴンA3用紙対応 | × | ○ |
ワゴンスライドレール | 全段フルスライド | 最下段のみフルスライド |
ワゴン2段目 | 浅 | 中深 |
ワゴン最下段機能 | × | フリーボックス型 |
上棚コンセント | ○ | 別売 |
上棚可動仕切り板 | ○ | × |
上棚棚板 | 固定式 | 可動式 |
ウットフォークと価格を比較
ブロスト | ウットフォーク | |
---|---|---|
デスク | 37,300円 | 44,900円 |
ワゴン | 27,200円 | 30,000円 |
上棚 | 19,600円 | 25,000円 |
合計 | 84,100円 | 99,900円 |
ブロストの価格はアイルインテリアエクセル楽天市場店、ウットフォークはイトーキオンラインショップ楽天市場店。いすれも2019/09/04現在です。同じ店舗ではないうえにイトーキは組立設置サービス付きということで単純比較はできませんが、そこは無視して進めると、ブロストの3点セット合計84,100円に対し、ウットフォークは99,900円で、ブロストのほうが2割近くも安い計算です。
しかし、仕様面で見るとむしろウットフォークのほうが魅力的なように思います。特に上棚をセットした場合は奥行60cmのウットフォークのほうが広々使えて良さそうです(ウットフォークには奥行45cmタイプもあります)。ホワイトオーク無垢に対してナラ無垢、使い分けフック、専用お片付けトレー、A3対応ロングワゴンといった仕様や装備の面でも価格に見合っていますし、一般的に片づけやすいと思います。
というわけで、個人的には価格がちょっと高くてもウットフォークのほうが魅力的かなと思います。また、ウットフォークもどきが島忠ホームズやニトリに並ぶと、そちらを選ぶ人もいるかもしれません。
そのほか、2020年度のコイズミファニテックは新作ベッドデスクの「ペグ」が登場しています。これはデザインが良いので一定の需要を獲得できそうです。
あと、スタンド式デスクライト「PCL-711/721」のクランプ仕様である「PCL-811/812」がカタログ初掲載となっていますが、これは以前から販売していたそうです。しかしながらこちらは調色機能がなく、ちょっと眩しい感じもするので、学習用としては「SCL-357」もしくは「ECL-611」のほうが良いと思います。
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