前回ご紹介しましたくろがね工作所と時期を同じくして、ようやくコイズミファニテックの2019学習家具カタログも入手できました。
写真だとちょっと気づきにくいことですが、実はここ数年A4版だったのがB5版にコンパクトになっています。それでページ数が多くなったかと言うと、2018年度の114ページから2019年度は70ページに圧縮されています。それでも他のメーカーに比べれば圧倒的ボリュームですけどね。
コイズミファニテックも主なニュースは展示会レポートで既報の通りですので、こちらではカタログを見て初めて気付いたことを中心に取り上げてまいりたいと思います。

RD、コルフィ、プレオが終了
2019年度のコイズミファニテックは目立った新商品がないし、展示会レポートでほとんど紹介しちゃったと思っていたんですけど、カタログを改めて見ると結構いろんな変化があることに気づきました。
まず、時代の流れに逆行するかのように颯爽と2018年度に登場した「RD」(上写真)が消えました。息が長い商品作りをするコイズミファニテックにしては珍しく短命に終わったわけですが、カタログ掲載品の「WDスペシャル」はもちろん、「WDスタンダード」や「OD-1.5」などのカタログ外モデルもある中で支持を伸ばすのは難しかったのでしょう(と言いつつ、カタログ外で生き残っている可能性は現時点では否定できませんが・笑)。
ちなみに、既報の通り「デコプリ」からもハイタイプが消えています。くろがね工作所と同様に、上棚ハイタイプはこれまで以上に人気がなくなってきているということでしょう。
次に、これも既に紹介したことですが、スタディアップデスクの「コルフィ」と「プレオ」も廃番になっています。RDとコルフィの廃番という観点で見れば、短期間のうちにラバーウッドのデスクが登場して消えたと言えます。また、プレオは人気のあるデザインでしたが、やはり価格的に厳しかったんでしょうね。
CDシリーズのホワイト&ビーチが受注生産に
受難となったのはハイタイプやラバーウッドのデスクだけではありません。くろがね工作所同様にカラーデスクはどんどん人気に陰りが出ているようで、「CDファースト」「CDコンパクト」はカラバリが10色から8色に減っただけでなく、それぞれのNSビーチ色(上写真左上)とホワイトウォッシュ色が受注生産になりました。
カラーデスクですから、プレーンな色の人気が少ないことは分かります。また、取り替え用前板セットを別売しているのですから、この色を廃番にする必要もなかったのでしょう。しかし、大量生産の代名詞とも言えるカラーデスクが受注生産とは、世の中も変わったもんだとしみじみ思うところです。
なお、「Sラック」のベーシックタイプも5色から3色になっています。これは2018年度に「Sラック2」を大量に投入した結果、さすがにラインナップを増やし過ぎたと感じたのかもしれませんが、ホワイト系とブラック系なら幅こそ違うものの、ルトラのマルチラックがあるということも影響しているのでしょう。
オルレアがデザイン変更とともに値上げ
「オルレア」のデザインが変わったことについては展示会レポートで既報の通りですが、ステップアップデスクの定価が2018年度は税別122,000円だったのが2019年度は同131,500円に8%近くアップしています。窓の部分をスリ硝子調に切り替えたことでコストアップしたのでしょうか。オルレアのチェストやマルチラック(Sラック)は取っ手を金属製に切り替えても値上げしていませんので、取っ手の影響ではないと思います。
価格競争は激しさを増すばかりですが値上げ覚悟でデザイン変更したのは、単価アップというメリットもあったからでしょうか。もしくは、値上げをしてもライバルである税別定価158,000円のイトーキ「カモミール」に勝てると見込んだのかもしれません。実際、個人的にはオルレアのほうがコスパが良いと思います。オルレアにもベーシックデスクが復活した今、カモミールはますます厳しい戦いを強いられそうです。
ルトラにチェストシェルフ登場
展示会レポートでは触れませんでしたが、「ルトラ」にチェストシェルフ(上写真)が登場しました。これにより、いわゆるユニットデスク的レイアウトや、2台のデスクの間にパーテーション代わりに置いて使うレイアウトが実現可能となりました。
たった1アイテム増えただけですが、これはルトラがビーノのラインナップに近づいたことを意味します。個人的には、2台並べて設置する需要って、そんなにあるのかなと思うのですが。
デスクライトのスペックが省かれた!
あと個人的に驚いたことは、デスクライトの照度分布図(上写真は2018年度カタログ)などのスペック一覧が省かれたことです。直下照度や均斉度などの記載までなくなっています。
おそらく、見ても分からない方が多いので、省略しても問題ないだろうという判断なのでしょう。しかし、未だにコストや見た目を重視して安くてコンパクトなデスクライトを買ってしまう方が多い現状、むしろここはもっと訴求すべきところではないかと思います。
販売の現場ではお客さんに学習机を決めてもらうのがやっとで、デスクライトまで手が回らないという話も聞きます。ピーク時にはマネキン(メーカーが派遣した販売員)が多くを占めることも考えれば、カタログを通じてお客さんを事前に啓蒙しておくことは必須ではないでしょうか。
コイズミファニテックの照度分布図は他社と比べて独特で分かりにくいという点も問題だったと思います。今一度、見直すことが必要かもしれません。一方、読者の皆様にはデスクライトの詳細なスペックが掲載された2018年度版カタログを今のうちに入手しておくことをオススメします(デジタルカタログなら2018/09/23現在、まだ閲覧および印刷が可能です)。
そのほか2019年度のコイズミファニテックのカタログは、カリフォルニア工務店とのコラボの「ウエストコースト」シリーズがトップバッターとして登場していたり、一方でここ3年ほど前面プッシュしていたスタディアップデスクシリーズのラインナップが減っただけでなく扱いも小さくなっていたり、地味に驚くところが多々あります。
リファルド、ワイズ、フラックスといった書斎系デスクは繰り上げられる一方で、デスクカーペットはラインナップが減っており、いよいよ子供っぽさが薄れているように感じます。そのうち、学習机という単語は死語になるかもしれないですね(苦笑)
なお、2019年度のコイズミファニテックは2018年度と比較して、オルレアのステップアップデスクや照明付きになったマルチベッドは別として、基本的に値上げはありません。
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