以前にサラッと紹介してそれっきりになっておりました。しかし、これはちゃんと紹介しておかなければなりますまい。
何のことかと言いますと、住宅デザインやリフォームなどを手掛ける「カリフォルニア工務店」監修の下、コイズミファニテックが製造した、「West Coast(ウェスト・コースト)」という学習家具シリーズです。
コイズミ×カリフォルニア工務店「West Coast」
出典:@Press
わたくし収納マンは一応インテリアコーディネーターの端くれですから、もちろんカリフォルニア工務店のことは存じ上げておりました。西海岸風、サーファー風、DIY風の住宅やリフォームを手掛けており、湘南の海にドハマりする感じです。
でも、と言うべきか、だから、と言うべきか、まさか学習机でカリフォルニア工務店テイストを拝めるとは思いもしませんでした!学習机は基本的に量産品ですから、オーダーメイド的なカリフォルニア工務店とは相反するところがあります。また、学習机は人気のキャラクターを採用することで購買意欲を誘ってきた歴史がありますから、カリフォルニア工務店のようなマイナーな路線で攻めてくるとは思いもよらなかったのです。
コラボしたのが零細の木工メーカーというならまだ話は分かります。しかし、今回コラボしたのは学習机の量産をもっとも得意とするコイズミファニテックです。まさに異色のコラボレーション!こんなことは誰が予想したでしょうか?
こだわりハンパないDIY風仕上げ!
出典:城山家具
異色のコラボということもさることながら、さすがカリフォルニア工務店、こだわり方がハンパないです。
まず、デスク天板にはアカシア無垢。アカシアってあまり家具用材としてはメジャーじゃないですけど、部位によっては非常に硬いです。木目もワイルドでヴィンテージな風合いが楽しめます。
それよりも強烈なのがデスクやワゴンなどの側板。パインの突板を白く塗装したうえで、おそらくは手作業で削ってユーズド感を出しています。
パインなんて安い木材は普通は突板になんてしません。かと言って無垢板を使うと暴れかねないですから、敢えて突板にしているんだと思います。
その安いパイン突板の合板を手作業で削って風合いを出すなんて、めちゃ非合理的。ソー・クレイジーなこだわり方をしているのです。
そのほかにもシェルフの側面に黒板が掛けてあったり、従来の学習机に比べると突き抜けた感じがあります。少ロットかつ手間が掛かる塗装をしているためか価格も突き抜けていますけど、新入学児童だけでなく幅広いユーザーに訴求できるんじゃないでしょうか。
「West Coast」シリーズは価格が高いので、たぶんほとんど売れないと思います。でも、学習机業界はこういう取り組みをしていかなければいけないし、そうすることで消費者に振り向いてもらえるチャンスを作れると思います。
イトーキの「1962」も同じようなスタンスの学習机と言えるかもしれませんが、こういうチャレンジは是非とも続けてもらいたいですね!