本日はまず、改めましてのお知らせからです。
先日ご案内しました「学習机評論家 芝谷浩 氏による座談会」ですが、実はまだまだ残席多数という状況でございます。散々あおっておきながらこういうことになるのは本当にお恥ずかしい限りで、穴があったら入りたいと申しますか、なんとか皆様のお力で残席を埋めていただきたい心境でございます。
- イベント名称:「学習机評論家 芝谷浩 氏による座談会」
- 開催日程:2017年10月8日(日)
- 開始時刻:11:00~ / 14:00~(2回開催・約60分)
- 開催場所:IDC大塚家具有明本社ショールーム4階
- 参加費用:無料
- 参加定員:先着40名様
日程は今週末の三連休の中日となる10月8日の日曜日。運動会や秋祭りなどのイベントと重なる時期で、ご旅行の予定の方もいらっしゃることでしょう。
もちろん、そのご予定をキャンセルしてまでお越しくださいとは申しません。学習机を買う予定でない方のご参加ももちろんOKですし、そもそも「学習机を買う=新入生」というわけでもありません。最近はお子さんが中高生になってから購入するお宅や、逆に幼児教育の段階で購入または検討を始める方もいらっしゃいます。
おじいちゃん、おばあちゃんが孫のために…ということもあるでしょう。そんなわけで、是非とも幅広い層の方にお越しいただければと思っておりますので、是非お近くの方にでもお知らせいただければ幸いでございます。
世間では国難突破だ、希望だと、たいへん賑やかでございますが、私もこの困難を突破しまして、皆様に希望をもたらし、参加者ファーストでおもてなしさせていただきたいと考えておりますので、どうかよろしくお願い申し上げまする。
⇒ IDC大塚家具のイベント詳細ページ(※終了しました)
コイズミファニテック×フェリシモ「Sラック2」
さて、お知らせが長くなりましたが、今回はコイズミファニテックがカタログ通販大手のフェリシモと共同開発した「Sラック2マルチラック」についてお話ししたいと思います。
Sラック2は2018年度の新商品ですが、それに先立って「Sラック1」とも言うべき商品は2017年度に初めて投入されました。学習机が売れないと言われる一方で、2017年度はSラックが売れに売れて欠品続出となり、それを踏まえて二匹目のドジョウを獲りに行ったのが新商品の「Sラック2」と言えましょう。
「Sラック1 マルチラック」が売れた理由
「Sラック2」について説明するには、まず「Sラック1」についてご理解いただく必要があるかと思います。
2017年度に「Sラック1」が登場する以前から、学習机メーカー各社はいわゆるランドセルラックの類を扱っていました。コイズミファニテックでもランドセルなどを収納可能なハンガーラックをデザイン毎に取り揃えていたのです。
ただ、学習机メーカーとしては、ランドセルはデスクのサイドフックに掛けたり、学習椅子の足元に置くものと考えているところがあり、それまではあまりランドセルを置くということを前面に出していなかったんですね。ところが、2016年度にイトーキがリビング学習用にランドセルなどを置く「お片付けラック」などを発売したところ、これがヒットとなりました。
世間では小学生の間は学習机を買わず、ダイニングやリビングのテーブルで宿題などをさせるというケースが増えています。しかし、そうなるとランドセルなどを収納する場所が必要になるのですが、それまで学習机メーカー以外が発売していたランドセルラックという名前が付くものはロクなものがありませんでした。ダンボール箱でできているのに1万円以上もするというものがゴロゴロあったのです。
そんなところにイトーキがマトモな「お片付けラック」などを発売したからヒットしたんだと思いますが、コイズミファニテックの「Sラック1」が売れた理由はランドセルラックなのに子供が成長しても使えるところにあったと考えられます。
一般的なランドセルラックは小学生が持っているモノを収納しやすいように最適化されています。でも、ランドセルは小学校を卒業したら必要ありません。また、親がサポートしながら教科ごとに教科書類を分けるなどする必要もありません。そうすると、ランドセルラックは小学校を卒業するとすごく使いにくいものになってしまうのです。
その点、「Sラック1」は他のランドセルラックに比べてシンプルな構造で、子供が成長してもプリンター台などとして使えるように設計されています。決して安くはないものの、大人になっても使えるというところを訴求したことがヒットに繋がったのです。
「Sラック2 マルチラック」のポイント
- 幅45cmから
- ダブルタイプ
- ハンガータイプ
- ななめ棚
新商品の「Sラック2」はフェリシモのママ社員の視点を取り入れて、「Sラック1」にはなかった仕様がいくつか採用されています。
まずサイズ的なところで言うと、「Sラック1」が幅60cmであったのに対し、「Sラック2」は幅45cm(スリムタイプ)からとなっています。リビングダイニングの限られたスペースでも置ける選択肢が増えたというのは良いですね。
次に、兄弟姉妹で使うこともあろうということで、ダブルタイプがラインナップされています。これも実際に想定されることなので、合理的で結構じゃないかと思います。
もうひとつ、ハンガータイプというのも用意されています。収納のプロとしての見地から言うと、制服などだけをこういったハンガーラックに分けて収納するというのはあまりオススメできないことなのですが、そういうニーズがあること自体は理解できます。
最後のポイントは、ランドセルの中に教科書などを戻しやすくするという「ななめ棚」が備えられていることです。よりランドセルを収納するのに最適化したというところでしょうか。
「Sラック2」はオススメとは言えない
以上を踏まえまして結論から申しますと、「Sラック2」はオススメとは言えません。「Sラック1」はいわゆるランドセルラックの中では群を抜いて秀逸でしたが、「Sラック2」は全然ダメです。
私が「Sラック2」をオススメできない理由を一言で言うと、「Sラック2」はランドセルを置くために最適化させてしまったということに尽きます。
「Sラック1」が売れた理由は前述の通り、大人になっても使えるということです。対して「Sラック2」はランドセルを収納するために「ななめ棚」を採用するなど、視点を小学生側に戻してしまっているのです。
この「ななめ棚」は水平にすることができません。外してしまうことはできますが、無駄になります。たった棚板1枚のことですが、どうして水平にも取り付けできるようにしなかったのか不思議です。
※2017/10/06追記:コイズミファニテックから「ななめ棚」は水平にも取り付け可能とご指摘がありました。よって上の記述はまったくの誤りです。お詫びとともに訂正させていただきます。
しかも、この「ななめ棚」の仕組み自体がよろしくありません。確かに、ランドセルの奥が下がっていると、教科書を入れる際にすとんと落ちるように入ります。しかし、小学校入学時の身長の平均はだいたい110cm強ですので、このくらいの身長ではランドセルの中身が見えにくくなってしまいますし、ランドセルの上げ下ろしも大変です。
もうちょっと背が伸びればこの「ななめ棚」も有用とは言え、「ななめ棚」によってランドセルの位置が高くなってしまい、その後ろ側にある時間割表が見えにくくなってしまいます。「Sラック2」は「ママ目線」で開発されたということですが、「子供目線」になれなかったのが残念でなりません。
さらに厳しいことを言うと、「Sラック1」はプリンター台として使うこともできるなど将来の使い方が分かりやすいですが、「Sラック2」は将来どのようにして使えるのかがサッパリ分かりません。というか、基本的に従来のランドセルラックに逆戻りしてしまっているので、将来的には使いにくいです。
特に、ダブルタイプとハンガータイプは天板の上がフラットになりません。これも工夫次第でなんとかできたはずなのですが、そこまで考えが至らなかったということなのでしょう。
繰り返しになりますが、「Sラック1」の良いところは「大人になっても使える」ということであり、「Sラック2」はその良さを完全に無視して、ただのランドセルラックにしてしまったということが問題です。よって、これはとてもオススメとは申し上げられません。
2017/10/09追記:
後々よく考え直しましたところ、「これはとてもオススメとは申し上げられません」というのはちょっと言いすぎだったかなと思っております。確かに、「Sラック2」は将来的にどのように使えるかが示されていなかった点は残念ですが、幅45cmのスペースしか用意できなかった場合などには、選ぶ価値はあると思います。
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