学習机を探している多くの方が注目している2016年度の大型2大新型デスク、コイズミファニテックのアルフとイトーキのコファーノ。今までにも十分なボリュームを割いてそれぞれについて紹介して参りましたが、今回はそれら2台をガチで徹底比較してみたいと思います!
なおコファーノについてはすべてバラ売りのため、デスク幅100cm+3段ワゴン+上棚+お片づけラック幅60cm+LEDライトL-76の5点セット(税別定価166,500円)で比較したいと思います。
価格
まず一番分かりやすい価格から比較してみましょう。コイズミファニテックのアルフは税別定価122,000円、イトーキのコファーノは上記組み合わせ5点セットで同166,500円です。単純に価格だけを比較すると、アルフのほうがお手軽価格と言えます。
モノがまったく違うので単純比較できませんが、コスト要因として分かりやすい部分だけ取り出すと、アルフは引出しが1杯少ない(だいたい1万円程度のコスト)、デスクライトがコイズミファニテックのほうが13,000円安い、コファーノはコンセントボックス(DC-S=税別定価3,750円)を別に用意する必要があるというところで、2万円ほどの価格差は説明がつきます。あとは素材や細かい仕様の違いやセット価格とバラ売りの違いと思われますが、アルフのほうがかなり頑張った価格設定だと個人的には感じます。
材質
アルフの天板はバーチ突板、コファーノはタモまたはウォールナットの突板です。いずれの比重も同程度であり、デスク天板として適した硬い材質と言えます。
引出しのスライドレールについては、アルフは全段フルスライドレールを使用していますが、コファーノのほうが品質が良くスムーズに感じます(コファーノは3段ワゴン1・2段目はフルスライドレールではない)。
よって概ね、材質の点ではほぼ互角と言えるのではないかと思います。
収納性・インテリア性
収納性について、アルフから順に紹介したいと思います。アルフがもっともメリットを感じられるのは、リビングに置いた場合に足元に棚をセットすることで見た目を損なうことなく教科書などの収納スペースを十分に確保できる点でしょう。ただ、必要な教科書類を子供が手に取るために、椅子を引いて机の下でゴソゴソとやるのを想像すると、ちょっとどうなのかなという感じはします。見た目スッキリで親は満足かもしれませんが、子供の忘れ物が多くならないか心配です。あと、棚をハイシェルフにしたときに棚板の間隔が広くて収納効率が悪いように思います。全体的に見て収納量は確保できていますが、使いやすさの点で不安を感じます。
一方のコファーノは、A3サイズOKの本体引出、同じくロングサイズワゴン、フリーボックス型下段引出し、そして奥行の深いラックと、収納の量と質ともに良くできていると思います。ただ、デスク側面にラックを置いた場合はアルフ同様に子供が足元でゴソゴソやる必要があり、デスクと同じ向きにラックを並べるとそれなりのスペースを必要とします。
結局のところ、モノを隠せば見た目スッキリである半面、子供にとって片づけにくくなります。片づけにくいから出しっぱなしにしてしまう、忘れ物をしないように見えるところに置いてしまうということになれば、何のことはありません。収納のプロとしては、理屈上のスッキリ感を追求するよりも子供が片づけやすいことを第一に考えたほうが、かえってスッキリしやすいと考えます。というわけで収納性についてはコファーノのほうが優位であるものの、結局は設置スペースの広さ次第かと思います。
天板サイズ
アルフの天板サイズは標準で1050×550mm、コファーノは1000×600mmです。ほぼ同じサイズではありますが、アルフはA4サイズのノートや教科書(縦約300mm)を奥と手前に並べることができません。一方で少しでも奥行が浅いほうがリビングに置いたときの収まりはスッキリとして良いです。コファーノの場合はそれぞれまったく逆のことが言え、見た目の収まりよりも学習機能を重視していると言えるでしょう。
デスクライト
アルフのデスクライトSB-611(ECL-611)は税別定価19,500円、イトーキのL-76は同32,500円ですが、SB-611のほうが良くできていると思います。シェード幅はL-76の550mmに対してSB-611は470mmと短いものの、消費電力は同じ12W。SB-611には調色機能、50%調光機能が付いており、スイッチが手前側に付いていて子供でも操作しやすいです。また、支柱下部が天板面に対して垂直に立つため壁紙を傷つける心配も少ないです。よってデスクライトに関してはアルフの圧勝ではないでしょうか。ちなみにコファーノのデスク本体にECL-611を取り付けることは可能ですが、ECL-611はT型であるためコファーノの上棚に取り付けるには不向きです。
子供が成長したときを想定した場合の将来性
学習机は入学時に使いやすいことも大事ですが、中高生になったときのことも想定しておかなければなりません。リビングから子供部屋に置き場所を変える場合は特に、どちらを重視するかをよく考えておかなくてはなりません。いずれのときにも満足いくことは基本的にないと思っていただいたほうが良いです。
アルフの場合、奥行55cmというのがネックですが、足元棚をやめて棚をハイシェルフに組み替えれば、デスク本体に引出しがないので足元の高さは十分ありますから脚を組んでも大丈夫です。組み替えパターンも8つありますから子供部屋でのレイアウトには自由度が高いと言えるでしょう。でも組み替えは苦手な人には大変だと思います。
コファーノの場合、100cm幅のラックを購入していればその上に上棚を重ねることができますが、60cm幅のラックを購入すると上棚はそのままにするか処分するしかありません。2016年度に初めて登場した商品なので、数年後に同じ仕様のものを追加購入できるかどうかは現時点ではあまり期待できないでしょう。
いずれもリビングに置きやすいことを第一に考えて作られたものなので、子供が成長して子供部屋に置いたときのことを考えると、どうしても微妙な感じになってしまいます。
あくまで個人的な感想ですが、アルフとコファーノを比較する場合、結局は価格と見た目で判断が分かれるのかなーと思います。アルフは実売価で8万円台からで購入できます。でも写真で見るよりも実物はショボく見えます。対してコファーノは写真で見るとパッとしませんが、実物は結構ボリューム感があります。でも高い。
で、アルフの豊富な組合せパターンを見せられるとワケが分からなくなります。コファーノの組み合わせを考えるとどうするのが一番合理的なのか混乱してしまします。悩んでいる間に子供が動き回って、くろがねの黒いデスクが良いと言ったり、袖天板をガチャガチャと昇降させて遊んだりして、じゃあ子供が気に入ったやつで良いじゃないとか祖父母が言い出す。販売員は配送設置トラブルを避けるためにスタディアップデスクを避けようとしたり、逆に発注ミスが少ないオールインワンのスタディアップデスクを勧めたり。そうして結局、イライラしたりワケが分からなくなって、値段が安いほうで良いかとか見た目重視でこっちとか、そういう感じになっちゃうんじゃないかと思います。
もちろんこちらのブログを読んでくださっている読者の方々は十分に考慮したうえで判断されると思いますが、他のほとんどの方はあまりネットで調べることなく決めてしまいますので、そんな感じじゃないでしょうか。2016年度は例年以上に学習机売場に混乱が起きそうです。
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