昨今、学習机選びは「多様化」しているとよく言われます。
確かに、私自身も含めて今30~40代の親世代は、家具に限らず人それぞれの消費傾向を持っていると感じます。それよりも上の世代と違って好きなアイドルも人それぞれですし、オタクが広く認知され始めたのもこの世代。会社では出世や飲みニケーションを拒否し、結婚しても婚礼家具は買いません。
社会に出たのがバブル崩壊後の超就職氷河期以降ですから金銭感覚も堅実で、無駄な消費は抑えつつ、たまにプチ贅沢をするのが楽しみという感じになっています。また、ブランド志向が強くなく、それよりも自分自身が満足できることが大事。DIYを楽しむなど、モノよりコトを消費する世代と言えます。
とは言え、流行ものにまったく無関心というわけではないんですよね。確かにメインストリームは今までよりも細くなっていますが、なくなってしまったわけではありません。学習机に近いところで言えば、一部のランドセルが奪い合うように売れていますし、子供が欲しがるクリスマスプレゼントを手に入れるのはやっぱりいつも大変なわけです。
ひるがえって学習机市場はどうかと言うと、メーカーは「多様化している」「売れない」などと言いますが、メインストリームがどこにあるのか分かっておらず、方向性が定まらないから、自ら消費者を混乱させてしまっているように感じます。
その点、学習机のパイオニアであるイトーキの近年の方向性は分かりやすいですね。消費者に「安い!」と言ってもらえる商品作りを心掛けているように思います。
イトーキ・激安学習机FDC-F97
このたびイトーキがweb限定モデルとして発売した「FDC-F97」は、なんと税込29,800円という激安価格です。
ベースはコファーノですが、天板は天然木突板ではなくMDF合板となっており、奥行も60cmから55cmにコンパクトにすることで価格を抑えています。また、ワゴンも引出しを1段だけにすることで、コストを抑えています。
しかしながら、使い分けフックや専用お片付けトレーは健在。ワゴンの裏側は投げ込み収納のようになっています。収納力を減らすことなく、リビングダイニングにも置けるように奥行をコンパクトにし、しかもコストを大幅に抑えたと言えるでしょう。
ちなみに、コファーノのデスク本体とワゴンをセットで買えば税込58,800円(イトーキ公式ショップ価格)。それがおよそ半値の同29,800円になると言うのですから驚きです。
これからは、「安さ」で学習机を選ぶならイトーキで決まりですね!
イトーキ・お片付けラックFDC-R97
FDC-F97はコファーノをベースにしたということで、当然と言うべきか、お片付けラックも用意されています。
コファーノのお片付けラック幅60cmが税込23,000円なのに対し、こちらのFDC-R97は同14,800円。それでいて幅は6cm近くも大きくて収納力があり、ハンガーバーまで付いちゃってます。天然木の装飾はないものの、こんなに安くしちゃって大丈夫なんでしょうかというほどの激安価格を実現しています。
ちなみに、FDCシリーズはデスクもお片付けラックも1色のみ。写真ではブラックのように見えますが、ダークステインということですから黒っぽい木目調なのかなーと思います。基本的にターゲットは男の子に絞ったということなんでしょうね。
いやはや、学習机のトップブランドであるイトーキがここまで割り切って安さを追求したモデルを発売してきたことは驚きました。web限定(おそらくイトーキ公式ショップ限定)とは言え、これでは他の学習机メーカーは太刀打ちできませんね。
しかしながら、主力の販売先である家具店で消費者に「安心のイトーキだからこれで十分じゃない?」と思われることはさすがに恐れてのweb限定ということなのかもしれません。家具店としても、単価の下落を招きかねないこの商品は、さすがにちょっと店頭には並べにくいところでしょう。
ともあれ、FDCシリーズの投入で「安さで選ぶならイトーキ」という強烈なメッセージは打ち出せたことと思います。もちろん、品質を落としたわけではありません。これで「学習机は高いと思っていたけど、これならウチも…」と思ってくれる消費者が増えれば良いですね!
【コメント】 皆様からご質問・ご意見など
はじめまして。長々とすいません。次男の学習机選びに迷走しています。
長男(3年生)にはイトーキのリーモベーシックを購入しました。
次男が来年1年生になるので、学習机を調べているうちにブログにたどり着きました。長男の時は全く下調べせずに島忠ホームズで子供と私がお互い妥協しあえて、値段もそこそこだったので、素材なども全く見ずに購入しました(笑)
今回は、まだ3男もいるので長男の時より安い物をと調べていましたが、安すぎる物はやはり素材や見た目が気になり迷走しています。
まず天板が無垢と突板ではやはり違いますか?リーモは無垢ですよね?
無垢の方が突板よりいいですか?
検討中なのは
ケユカのニノスとコイズミのビーノ、ヒカリサンデスクのサンワークスデスク、こちらはワゴン奥行きがやはり小さいですか?
ニノスは引き出しのレールが不安です。
因みにどれも実物は見ていません…
ケユカの割引がもうすぐ終わってしまうのでとても悩んでいます。
それか長男と同じリーモにするか…そうすると3男も同じにしないといけない気もして余計悩んでしまっています。
絶対揃えたいものは、机、上置き、ライト、ワゴン、椅子です。
3ママさま
はじめまして^^
息子さんが3人いらして、ご長男はイトーキのリーモ・ベーシックタイプで、次男さん以降をどうするかとお悩みなのですね。
リーモ・ベーシックタイプは良いですよね。
デザインはシンプルかつ素敵だし、コスパもすごく良いと思います♪
おっしゃる通り、リーモの天板はアルダー材の無垢です。
一般的に突板よりも無垢のほうが高級とされますが、それはあくまでコストであったり、デザインの自由度という点においてです。
理論上、無垢は割れたり反ったりすることがありますが、突板の場合はその心配はありません。
また、たとえばリーモのような直線的なデザインの場合、無垢を使うメリットもあまりありません。
ただ、理屈はそうでも、やはり無垢は木が本来持っている温かみが伝わる感じがします。
また、アルダー材の場合、突板にしても貼り合わせる手間のほうが掛かるので、無垢にしたほうが良いとも言えます。
一方でヒカリサンデスクのSDW-サンワークスの場合は、使っているのが高級材のオークやウォルナットの突板ですので、これは貼り合わせる手間賃を考えても無垢よりも安く上がるというメリットがあります。
なお、オークやウォルナットの突板とアルダー無垢のどちらが良いかというのは、基本的には木目やデザインの好み次第というところです。
ワゴンの奥行については、リーモだけが別格と言ったほうが分かりやすいでしょう。
リーモはA3用紙対応のロングワゴン、ケユカのニノス、コイズミファニテックのビーノ、ヒカリサンデスクのSDW-サンワークスはそれに比べると奥行が短いです。
特にサンワークスは、上棚が足元棚にもなるというギミックのため、かなり奥行が短くなっています。
ニノスのスライドレールはコイズミファニテックの旧仕様のシングルレールですからねー。
確かに耐久性という点では、フルスライドレールには劣ります。
ただ、体重を乗せるなど無茶な使い方をせず、5年に1度くらいはグリスアップしてあげれば、まったく問題ないとは思います。
基本的にはリーモのワゴンの上2段の引出しのスライドレールと同じですよ。
リーモ以外はいずれもご覧いただいていないということで、おそらくサンワークスはリーモと比べると品質が低く感じられると思います。
ビーノはデスク幅同等の上棚の用意がなく、エクステンション本立てを選ぶ必要があるので、これもリーモと比べると微妙と感じられるのではないかと思います。
そうすると、残るはニノスとリーモの一騎打ちではないでしょうか。
ぶっちゃけ、コスパで言えばニノスだと思います。
オーク無垢でデスク本体+ワゴン+チェア+上棚+デスクライトで9~9.5万円くらいですからね(現在開催中のキャンペーン価格の場合)。
アルダー無垢のリーモのベーシックタイプに木製チェアを付けた場合の金額と同じくらいですから、普通ではちょっと考えられない値段です。
でも、次男さんは「お兄ちゃんと同じが良い!」と言うかもしれません。
いくつか機能面の違いもありますが、専用お片付けトレーや使い分けフックひとつとっても「やっぱりリーモのほうが良かった!」と感じることもあるかもしれません。
おそらく、島忠ホームズがあるエリアなら、ケユカまでは行けない距離ではないと思います。
これから12年以上も息子さんの相棒を務めるわけですから、息子の嫁に会いに行く気持ちで、できれば実物をご覧いただきたいところですね^^
早速のお返事ありがとうございます!!
とても分かりやすく解説していただき嬉しいです!
そうなんですね、ではニノスかリーモですね。
男の子でかなりやんちゃなので…無理に体重をかけたりしそうで…、丈夫なのはリーモでしょうか?
リーモのお片付けトレーは気に入っていますが、横のフックは絡まりやすくあまり活用していません。
後、リーモの上棚の正面やワゴン横にテープをはられてしまい剥がすと木目も剥げてしまいました。
これはニノスだとしても同じですかね?
天板など、綺麗に剥がれる部分との違いは素材ですよね?
おっしゃる通りケユカも見に行けますが、夏休みに突入してしまい、主人は週末も仕事なので3人連れて行くのに躊躇していまして。。
でも割引きが月曜日までなので、ニノスを明日にでも見に行くかとても悩んでいます。
3ママさま
リーモに限らず学習机はほとんどの場合、天板、引出し前板、脚以外は表面材はプリント紙です。
木目を印刷した紙で、丈夫なものは強化プリント紙やエンボスシートなどと呼ばれます。
セロハンテープで表面が剥がれてしまう程度のものもあれば、ガムテープを貼ってもなかなか剥がれないレベルのものもありますが、多くはセロハンテープを貼って剥がれるかどうかのレベルですね。
ニノスはリーモに比べると強化プリント紙っぽかったように思いますが…ちょっと覚えていません^^;
学習机に限らず木製家具というものは、実は塗装というのが一番厄介なんです。
大きな設備が必要ですし、時間も手間も必要になります。
その反面、その重要性が消費者がなかなか伝わりません(というか、これはメーカーの努力不足)。
家具でプリント紙がよく使われるのは、それ自体コストが安いということもありますが、塗装しなくて済むということです。
特に学習机の場合は、天板などに高価なウレタン塗装を使いますから、プリント紙で済ませられる部分はプリント紙で済ませちゃうとコストを大きく下げることができるのです。
全部がセロハンテープを貼っても問題ない素材ならそれが一番良いのですが、コストが上がることなので難しいですねー^^;
やはりプリント紙なんですね。
アドバイスいただいた通り本日ケユカに実物を見に行ってきました!!
ニノスですが、やはり引き出しがあまり引き出せずに使いにくそうでした(((^_^;)そして気になっていた上置きも机との高さが低すぎて机の奥行きが勿体ないような感じで候補から外れました。
その代わりにアロンが気に入ってしまって。
上置きも小さいですが、うちの子には十分なように思えました。
しかし奥行きが55センチな事と椅子がキャスターがなくランドセル置きがない事がネックで本日購入には至りませんでした。
椅子に関してはリーモの椅子がかなり気に入っています。
しかし木の雰囲気やワゴン側面のプリント紙もアロンの方が良さそうでした。
アロンでイトーキの椅子という選択もありますが、せっかくフェアをやっているのに高くついてしまいますし今度はリーモとアロンで悩み出してしまいました(((^_^;)
奥行きの5センチはかなり違い出ますか?
3ママさま
おーっ!ケユカ、行かれたのですね!^^
でもやっぱり実物をちゃんと見てみるものですねー。
ニノス一転、アロンが候補に上がりましたか!
ニノスの上置きの棚板と机の天板面の空間が狭いというのは、確かにリーモと比べると気になりますよね。
でもこれもリーモという良い比較対象があったからこそ気付けたことだと思います。
天板の奥行の5cmの違いは、たった5cmとも言えますし、やはり5cmの差は大きいと思います。
基本的に奥行55cmというのは、リビングダイニング学習用のサイズと言え、子供部屋に置くなら60cm以上が良いと思います。
なぜなら、奥行55cmではA4サイズを手前と奥に並べるとハミ出してしまうサイズなんですね。
実際のところ、受験勉強をする頃にはA4サイズの教科書や資料集はほとんどありませんが、ノートを机の手前の端ギリギリに置くことはないので、そうするとやはり奥行は60cmは必要なんです。
ニーズが人ぞれぞれなので一概に言えないのですが、アロンまたはリーモを選ぶ人のニーズは概ね以下の通りとなるかと思います。
【アロン】
・リビングダイニングに置く予定
・学習机は実用性よりもインテリア性にこだわりたい
【リーモ】
・子供部屋などLD以外に置く予定
・学習机はインテリア性よりも実用性にこだわりたい
デスクだけでなくチェアについても同様ですね。
4本脚のアロンチェアはどちらかと言うとリビングダイニング向けのデザインです。
ケユカでは今年の2月1日から4月3日までにもチェア代無料キャンペーンを実施していましたし、10%オフも年に2~3回実施しています。
もちろん2018年度はどうなるかは分からないですけれども、またチャンスはあると期待して、じっくりご検討いただければと思います^^