昨年同様のこの時期に、イトーキの新年度の学習机のデジタルカタログが公開されました(正確に言うと、本日9/6現在、まだ公式には「公開」となっていませんが…)。自動車業界でトヨタと日産の2強が大きな位置を占めるのと同じように、やっぱりイトーキの学習机のラインナップが明らかにならないと、シーズンが始まった実感が湧きません。
というわけで、イトーキが2018学習机のデジタルカタログを公開してくれたことはとてもうれしいのですが、一方で私が大変なミスを犯してしまったことも明らかになりました。まずはその点を訂正させていただきたいと思います。
「フリーボックス型下段引出し廃止」は誤報
ちょうど先週の記事で、私はイトーキのワゴン最下段の引出しが一部モデルで「フリーボックス型下段引出しだったのが、2018年度は一般的な合板の仕切り板に変わっている」と書きました。しかし、デジタルカタログを確認すると、それは間違いだったことが明らかになりました。
2018年度のイトーキの学習机のラインナップのうち、フリーボックス型下段引出しではないのは、2018年モデルの「ジョイカラーネオ」と2017年度から継続の「ジョイカラーデスク」のみで、ほかの学習机のワゴンはすべてフリーボックス型下段引出しです。よって、2017年度モデルのほうが「買い」などということはなく、2018年度モデルも安心してお買い求めいただくことができます。
あまりにもイトーキの2018年度学習机の情報に飢えていたとは言え、裏取りもせずにネタを飛ばしてしまったことは大いに反省です。読者の皆様と関係者各位には多大なるご迷惑をお掛けしました。ここに訂正させていただくとともに謹んでお詫び申し上げます。
リーモにカフェブラウン色が復活で3色展開に!?
さて気を取り直しまして、順番にイトーキの2018年度学習机を紹介してまいりましょう。カタログ本編でのトップバッターは2016年度以降トップを飾ってきた「COfanO(コファーノ)」に代わり、「Leamo(リーモ)」が登場です。
リーモには2014~2015年度に登場したカフェブラウン色が復活。ティーブラウン色、ラテナチュラル色と併せて3色展開となり、層が厚くなりました。
ただこれ、デスクの足元をよーく見ていただければ分かりますが、ラテナチュラル色だけ足元奥の桟の部分の形状が異なります。つまり、ティーブラウン色とカフェブラウン色が2018年度仕様で、ラテナチュラル色は2017年度仕様なのです。
個人的には、2017年度仕様のほうがフロントスタイルにしたときに足元棚最下段の本を出し入れする際に邪魔にならないように思うのですが、この仕様変更はいったい誰得なのでしょうか?
また、ラテナチュラル色は一部店舗で安売りされていましたから、ひょっとしたらリーモが3色展開となるのはラテナチュラル色が完売になるまでの短い期間だけかもしれません。先に飛ばし記事のお詫びをしたところなので下手なことは言えませんが(苦笑)、ラテナチュラル色をご希望の場合はお早目の購入が吉かもしれませんね。
もうひとつ、リーモに関しては、セレクトタイプのデスクに奥行52cmタイプが加わりました。これは「Camomille(カモミール)」も同様です。代わりに奥行45cmのリビングデスクが廃番となっていますので、セレクトタイプに集約したということでしょう。ちなみに、リーモはツインデスクタイプと片袖デスクタイプも廃番になっています。
なお、セレクトタイプの奥行60cmのデスクはどういうわけか値下げされています。一部店舗で販売されているベーシックタイプやユニットタイプのセット品と比べると割高感があることから整合性を図ったものと思われますが、ともあれ消費者としては喜ばしいことです。
カモミールもセレクトタイプに奥行52cmデスクが登場
リーモ同様、カモミールにもセレクトタイプに奥行52cmデスクが登場し、代わりに奥行45cmのリビングデスクが廃番となっています。この流れはコイズミファニテックのレイクウッドとオルレアに奥行55cmの平机が登場したのと同じと言えますね。
先ほどコファーノについて少し触れましたが、2018年度のカタログではコファーノの扱いが小さくなっています。リーモとカモミールのセレクトタイプとコファーノのコンセプトは似ていますから、コファーノもひょっとしたら…という感じですね。実際、コファーノが登場した2016年度以降、こちらでもコファーノに対する注目度が徐々に下がっているように感じます。
というか逆に、リーモとカモミールの人気の高さを痛感しますね。イトーキの2大看板とも言え、こういうヒット商品を持っているメーカーはやっぱり強いです。
ちなみに、カモミールにはリーモのように上棚ハイタイプはありませんが、先日足を運んだIDC大塚家具には2016年度で廃番となったはずの「カモミール・ラグジュアリー」が店頭に並んでいました。2018年度も継続となるかは分かりませんが、個人的には好きなデスクなのでちょっとうれしいです。
エルコディがカムバック!?新作「スクリプト」
さてさて、2018年度に華々しく、しかしながら控えめに登場した新作デスクは、「SCRIPT(スクリプト)」です。サイドデスクを組み合わせればL型デスクにもなる、ちょっと大人っぽいデザインと質感を備えたデスクとなっています。
ただこれは、2016年度から学習机カタログから外れて書斎デスク扱いとなった「lcody(エルコディ)」にコンセプトが似ています。スクリプトはオーク突板、エルコディはナラ突板と違うものの、雰囲気的にはスクリプトのほうがリビングにふさわしい家具っていう感じですね。スクリプトとエルコディは価格的にも近いので、選択肢が増えたと喜んでもらったら良いのではないでしょうか。
ちなみに、イトーキには私が勝手に「大人トレフ」と呼んでいる「tref(トレフ)」の書斎デスクもあり、これもスクリプトに似ています。2018年度のカタログからはイトーキのハイエンドモデルであったトレフが姿を消していますが、コイズミファニテックのプレオのセレクトタイプも同様に消えていますので、やっぱりこの価格帯は厳しいというところでしょうか。もっとも、コイズミファニテックの場合はKEYUCAとカニバったと見ることもできるので、イトーキとはちょっと事情が異なると言えますが。
ジョイカラーは上棚ロータイプのみ「ネオ」!
出典:イトーキ
2018年度のイトーキのもうひとつの新型デスクは「JOYCOLOR NEO(ジョイカラーネオ)」です。こちらでも既に紹介しましたが、カラーリングが実に良いですねー。これを見たあとで他のメーカーのカラーデスクを見るとどうしてもショボく見えてしまいます。
ただ、私はてっきり上棚ハイタイプもネオになるものだと思っていたのですが、それに関しては2017年度モデルが継続となりました。ジョイカラーデスクの上棚ハイタイプはカタログ外商品もありますので、あまり大きな影響はないのかもしれませんが、個人的にはネオなジョイカラーのハイタイプの登場も期待したいところです。
一部本文と重複しますが、2018年度はリーモとカモミールのリビングデスク、トレフ、ポルク、そしてとうとうライティングデスクが廃番となりました。私が小学生の頃はライティングデスクに憧れたものですが、これも時代ですね~。
価格については、基本的に値上げはナシで、リーモとカモミールの奥行60cmデスクが値下げとなっているほか、カモミールの木製チェア(KM97)が値下げとなっています。
そんなこんなで、ラインアップに大ナタを振るい、カタログも大幅にスリム化(52頁→32頁)した2018年度のイトーキ。シェア拡大よりも利益を優先したのか、はたまた更なるジャンプアップのための下準備なのかは分かりませんが、個人的には消費者に不利益がなく、良いかたちを整えているように思います。
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