「おしい!」と嘆かずにはおれなかった学習机の第3弾はイトーキの「COfanO(コファーノ)」です。私は以前にコファーノを紹介したときに、結構ホメちぎりました。やはり収納のプロとしては、奥行の浅い本棚を捨てて学用品一式を収めるのに最適なラックをラインナップに加えたコファーノは魅力的に思えたのです。
ではなぜコファーノが「おしい!」のか。そのポイントは大きく分けて2つあります。
コファーノは収納についてよく考えすぎた
以前にもホメちぎったように、コファーノは収納についてよく考えられています。今までの組み替え式デスクの本棚では収められなかった習字道具などの学用品が収められるように奥行を331mmにしてあるのです。
これはこれで素晴らしい着眼点だったと思います。でも私はコファーノのラックを見たときから「あー、やっちゃったね」と思っていました。一言で言うと収納について厳密に考えすぎたのです。
コファーノのラックの問題点は、小学生が必要なモノを一つ一つ落とし込んでしまったことです。たとえばピアニカ。高校生までの間で考えても使う時期はごく限られていると思います。また、制服を掛けられるように設計したり、学用品を細かく分けて収納できるようにした結果、横方向に3分割した構造となり、カラーボックスの親玉のような融通の利かないラックになってしまったのです。
1000mmほどの幅のラックであれば強度的には左右2分割で十分。もちろん3分割とすることで教科書などを収納しやすくできるというメリットもあります。しかしこのラックのメインはあくまでも教科書類以外の学用品の収納のはずです。私だったら3:7もしくは4:6くらいの比率で2分割にして、あらゆるモノに対してファジーに収納できるものを目指したと思います。
もっとも、3分割とすることで洋服掛けを左右どちらにでも設けることができるようにという配慮もあったわけですが、それだったら600mm幅のラックと400mm幅のハンガーラックに分けても良かったんじゃないかなと思います。そうすると上棚を上に重ねるというギミックは実現できませんので、それありきで考えると致し方なかったのかなとは思いますが、以前にも申し上げている通り、私だったら無印良品のステンレスユニットシェルフでOKかなーと思います。
コファーノは展示の仕方が不味かった
私はコファーノのデスクを初めて見たとき、突板とは思えないほどボリューム感のあるデザインに驚きました。パッとしないデザインではありますが、これは意外と普通の家のリビングに違和感なく溶け込むデザインだとも思いました。しかし一方で、この普通すぎるデザインが故に展示の仕方如何であまり売れない可能性を危惧していました。
そして実際に学習机シーズンに突入し、実際に家具店各店での売場を見ると、私の予感が的中してしまったように感じました。コイズミファニテックは新シリーズのスタディアップデスクを大量に並べ、かなり良い感じに売場での主導権を握りました。一方でコファーノは学習机の島(※)の中に埋もれてしまっていたのです。
※島(しま)…売場で学習机が背合わせで4~8台程度集まった状態。
同じイトーキの学習机の中でも、カモミールやポルクは島の中にあっても埋もれてしまわないデザインの良さがあります。しかしコファーノは普通の家に違和感なく溶け込む自然なデザインです。これを普通に島の中に並べてしまったら埋もれてしまうのです。
また、リビングダイニングに置いて違和感のないデザインは圧迫感がありません。コファーノはリビング学習をターゲットにしてあるため圧迫感がありません。だから余計に島の中に埋もれてしまいやすいのです。
2016年度、コイズミファニテックはかなり上手に売場を確保しました。それと同時に、タペストリーやカレンダー型のPOPを持ち込んで、自社の学習机の存在感を存分にアピールしていました。一方でイトーキは旧態依然としており、コイズミファニテックに圧倒されてしまっていたように思います。
私がイトーキの営業マンだったらこのコファーノの危険性にいち早く気付いて、椅子の上に妖怪ウォッチのジバニャンの大きなぬいぐるみを座らせるなりして工夫したと思います。もしくはコイズミファニテックの好きなようにはさせないぞとばかり、並べ方の改善を図ったと思います。もっともこのあたりは一朝一夕にはいかないところで、コイズミファニテックの日頃の営業が上回っていたんだと思います。家具業界はウェットな業界ですからねー。
つまるところ、コファーノそのものについては、万人受けするものとは思いませんが、学習机史上エポックメイキングな素晴らしい学習机であったと思います。また、展示の仕方がどうであれ、賢い消費者はその良さを十分理解して購入されたことでしょう。
それでもやはり私としては、もうちょっと展示の仕方を工夫すべきではなかったかと思います。現状コファーノがどれだけ売れているのかは分かりませんが、工夫次第でもっと売れたんじゃないかと思うのです。コファーノの良さを十分伝えきれる展示になっていなかったと思いますし、それ以前にまず注目してもらえる状態ではなかったと思います。そのあたりが一番「おしい!」と思わされるところです。
2019/03/01追記:
2月28日発行のコストコのメールマガジンにコファーノの「収納お片付けラック 幅100cm CN-R10」が税込19,800円で掲載されています。
コファーノは2018年度で終売となっており、事実上の在庫処分。もともと税込定価43,200円、実売価は税込30,240円程度ですから、それよりも約35%安いということになります。ただ、過去にはアマゾンで同水準まで価格が下落したこともありますし、正直言ってそれほど安いとは言えないと思います。
また、幅100cmという大きさは中途半端に大きいので、結構レイアウトが難しいです。個人的には現在税込14,500円で販売されている「幅62.9cm CN-R06」のほうが使い勝手が良いのではないかと思います。ただし、このサイズはハンガーバーは付きません。

2019/03/18追記:
コストコ和泉倉庫店で販売しているのを確認してきました。和泉倉庫店ではナチュラルホワイト色(CN-R10-82)が展示品含めて在庫は3台(他の場所にも在庫を積んでいるかもしれませんが)。展示場所が悪いのか、幸か不幸か半月経っても在庫が残っています。
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【コメント】 皆様からご質問・ご意見など
はじめまして。あと2ヶ月で小学生の子がいます。
学習机は部屋の都合で、いまのところ考えていません。
学用品や教科書ノートなど収納に
ランドセルラックとしてコファーノを考えています。
イトーキさんのサイトでは30000円、
家具屋さんでは26800円、
週末に近所の近新家具へ行って、もしあれば、実物を確認しようと思います。
が、同じ商品(ですよね?)なのに、ポイントも考えれば差額が5000円近く差がありますので、正直、いつ・どこで頼めばいいのかわからず、困惑しています。
何故こんなに差が出るのでしょうか?
余計なことを考えず、今ある絵本棚(木の、使い慣れている物です)とカラーボックスを活用のほうがいいのでしょうか?
必要なってから買うほうがいいですか?さま
はじめまして^^
イトーキのコファーノお片付けラック 幅100cm CN-R10ですね。
イトーキ直営店と他の家具屋さんで価格が違うのは、有体に言うと、直営のほうが他の家具屋より安かったら他の家具屋から反感を買うからです。
直営店は価格ではなく、メーカー直販の安心感を売りにしています。
メーカーとしても消費者としても、お近くの家具販売店で買ってもらうのが一番良いと思います。
直営店は、近くに販売店がない方のためとお考えください。
それと、いまある絵本棚を活用するというのは良いと思います。
でもカラーボックスはやめておかれたほうが良いと思います。
その理由は、カラーボックスを縦置きした場合、A4版の教科書やファイルが入らず、絵の具セットなどを収めるには奥行が浅いからです。
それと文房具等の小物を収納するために引出しを用意したほうが良いです。
あとで引出しを用意するのはなかなか面倒です。
無印良品のユニットシェルフにポリプロピレンケース引出式をセットしたり、引出し付きの書棚を用意してもらうのが一番合理的に思います。
また、コファーノのラックとワゴンを先に買っておくというのもひとつの選択肢かと思います。
丁寧な説明と、貴重な助言、ありがとうございます。
そうです。幅100cmか60か・どうしよう・・・も迷っていたのですが。ブレザーの上だけ制服がある学校なので、ハンガーラック部分があったほうがいいだろうか、と。でも100では、今ある絵本棚ときつきつで、側面に物をひかけにくくなりそうです。
その点、無印のユニットなら幅80ほどのようなので、いいかんじかもしれません。
無印のポリプロピレンの欄も見てみました。いいデザインですね。
早速、週末に、先に無印に行って下見をしてから、家具屋へ行きたいと思います。
ネットでは大きさのイメージや質感がわかりにくいので、なるべく実物をみて購入をしようと考えています。
絵本棚は国産ヒノキ製で、お気に入りですので、そのまま活用をと賛同いただけて、嬉しく、心強いです。
方向性が見えて、すっきりしました。
ありがとうございます。
必要になってから買うほうがいいですか?さま
ブレザーだけだったら、ハンガーパイプじゃなくてフックでも十分かもしれません。
なまじハンガーパイプを用意しちゃうと、あれもこれも掛けてしまいかねないですから。
もちろん、冬にはアウターを着るとか、習い物に行くときに着るアウターも一緒に掛けたいというニーズも出てくるかもしれませんが、たぶんそれくらいの掛けるスペースはあとでも確保可能だと思います。
また、リビング以外にも玄関などに掛ける場所を用意することも可能だと思います。
キツキツに家具を並べてしまうとどうしても見た目にイマイチになりがちなうえに、融通が利かなくなってしまいますから、やはりあまり無理して置かないほうが良いでしょう。
家具はやっぱり、実物を見てから買ってもらったほうが良いですね。
そしていろいろ見比べてお買い物を楽しんでください^^
以前に、Yahooショッピング等で取扱のあるカグワールドさんのpattyについてお問い合わせした者です。
まだ検討中ではありますが、やはり、メーカー品の方が安心かと思い、ITOKIのリーモのベーシックタイプ(Yahooショッピングのイトーキ公式で69,900円、25%ポイント還元)を検討していますが、一方で、コファーノのデスク、上棚、ワゴンのセットが、56,800円(Yahooショッピングのイトーキ公式で25%還元)も内容、価格ともに魅力的で迷っております。
コファーノですが、現在はアウトレット商品のため、安価であることは承知していますが、突板天板にも関わらず、元々の販売価格はリーモよりもかなり高めだったかと思うのですが、リーモがコファーノに比べて安価なのは、アルダー材使用のためでしょうか?
ちなみに、公式ショップに確認したところ、リーモのベーシックセットにはコンセントボックスが付属せず、後付もできないとのことでしたが、おそらく、コファーノも同様かと思うので、商品説明上の仕様では、材質以外には、あまり違いがなさそうで、差異が分からず、デザインの好みと価格だけを考慮して決定してよいのか、悩んでいます。
もちこさま
2018年度のイトーキのカタログを参照すると、コファーノのデスク本体は税別49,000円、リーモは同じく53,000円となっています。
この価格の違いは主に、天板と引出内部材の違いにあります。
コファーノの天板はウォールナットまたはタモの突板で、アルダー無垢のリーモのほうが上級と言えます。
また、コファーノの引出内部材は白く塗った桐で、白く塗らなくてもキレイな桐のリーモのほうが上です。
2018年度のカタログでコファーノの3点セット(デスク+ワゴン+上棚)の定価を確認すると税別103,000円ですので、現在の税込57,800円という価格は約49%引きという計算になります。
一方でリーモは同じく税別114,000円なので、現在の税込69,900円という価格は約44%引きということになります。
約5%という値引率の違いは、コファーノが在庫処分であるのに対し、リーモは現行品だからということでしょう。
リーモの上棚にコンセントボックスが付けられなくなったというのは、この1~2年で仕様変更があったのだと思います。
コファーノは在庫処分であれば、コンセントボックスが取り付け可能なはずです。
なお、コファーノはベトナム製、リーモは中国製です。
一般的には中国製のほうが品質管理は良いです。
よって、色やデザインの好みという部分は除くと、コンセントボックスを取り付けられたほうが良いという場合はコファーノ、天板無垢や引出内部材を含めて品質にこだわる場合はリーモという感じなのかなと思います。
なかなか微妙な違いなので悩ましいところですねー^^;
収納マンさま
お忙しいところ、ご返信いただき、ありがとうございます。
やはり、素人とは目の付け所が違うアドバイスをいただき、とても参考になりました。
コファーノのお値引きが魅了的でしたが、やはり、仕様に見合ったお値段であるという事で、納得しました。
子ども(女の子です)に確認すると、リーモでもコファーノでもなく、カモミールが可愛いと言うので、カモミールを検討するなら、コイズミのオルレアも視野に入ってきますし、オルレアのベーシックセットはカモミールより高価ではありますが、一方でLEDデスクライトやコンセントボックスも付属するので、これまた悩ましいです。
まだまだ決まりそうにないので、また、悩んでしまったらご質問させていただくかもしれません。よろしくお願いいたします。
もちこさま
確かに、一般的には女の子ならリーモよりコファーノ、それよりもカモミールやコイズミファニテックのオルレアでしょうね^^
カモミールのベーシックデスクは現在yahoo!ショッピングで69,900円、デスクライトとデスクカーペットのセットは明日まで78,000円。
明日までとなっていますが、年末年始には福袋セットとして扱われていたので、またチャンスが巡ってくる可能性はあります。
一方で、オルレアは同じく76,000円から。
シェード幅が広いデスクライトとコンセントボックスが付いてこの価格ですから、スペック的にはオルレアのほうが上かもしれません。
ただし難しいのが、ポイント還元率の違いと配送設置でしょうか。
ポイント還元はさておき、カモミールなら配送設置まで込みでこの価格ですが、オルレアは別途料金を支払わない限り玄関届けです。
自分で部屋まで運んで組立設置するだけでも大変なのに、重くてかさばるダンボールの処分もしなくてはなりません。
それを避けるためには、お近くの家具販売店で買ったほうが良いかもしれません。
無論、お嬢様の好みのほうが大事だと思いますので、じっくりとご検討ください^^