先日、ちょっと調べ物をしていて知ったんですが、イトーキの由来は1890年に伊藤喜十郎氏が創業した「伊藤喜商店」だったんですね。「伊藤喜(いとうき)」→「イトーキ」。創業間もなく謄写版(とうしゃばん)…まあザックリ言うと印刷機の販売を開始し、ゼムクリップ、ホッチキス、魔法瓶、手提げ金庫、タイプライターなどを扱って現在に至るそうです。
「伊藤喜」!なんかカッコイイですねー。「伊藤喜・杜麗斑・自在壱型」(イトーキ・トレフ・フリーワンタイプ)とか何か良くないですか?東京オリンピックを控え、インバウンド消費もますます盛んになってランドセルも注目を集めていますから、日本文化のひとつとも言える学習机を外国の方にも広めるというのも良いかもしれません。
くだらない話はさておき、まずは2016年度のイトーキ学習机の主な変更点を押さえておきましょう。では夜露死苦!
【前回記事】【学習机買うなら絶対読むべし!】イトーキ2016学習家具カタログが素晴らしすぎる
ここが変わった!イトーキ2016学習机
- 新型デスク「COfanO(コファーノ)」を前面プッシュ
- 「スタイリッシュバーチ」は廃番
- 上級モデル「tref(トレフ)」のカタログ掲載順位が大幅に後退
- ベーシックデスクのラインナップが減少
- 「あしたラック」などの収納ラックが充実
- センター置きLEDデスクライトがホワイトからブラウンに変更
- 3口コンセントボックスが正面から使いやすい構造に変更
- 「ジョイカラーデスク」に妖怪ウォッチの前板セットが登場
- 価格は据え置きもあるが概ね10~20%アップ
コイズミファニテックもニューフェイスの「arf(アルフ)」を前面に打ち出してきましたが、イトーキも同じく「COfanO(コファーノ)」をぶつけてきました。奇しくも2016年度の学習机2強はニューフェイス対決となったわけです。両社の学習机カタログでの紹介方法が機能別からデザイン別に明確に変わったのは2014年度からですが、ニューフェイス対決は初めてのことです。2016年度の学習机市場はひと波乱ありそうですね。
コファーノは意外とボリューム感が魅力
新型デスク「COfanO(コファーノ)」はリビング学習を想定しつつ学習机らしさを残したデスクと言えます。この点ではコイズミファニテックのアルフも同じことが言えると思います。一方で、コイズミファニテックのアルフは全部セットのオールインワン型ですが、コファーノはデスク本体、袖ワゴン、上棚、デスクライト、ラックがバラ売りとなっており、自由に組み合わせできるようになっています。この点がアルフとコファーノの決定的違いです。
近年の学習机市場の傾向を踏まえると、「選べない」よりは「選べる」ほうが強いです。選べるほうが楽しいし、予算を調整できるし、無駄なものを買わなくても済むからです。だからコイズミファニテックの「BEENO(ビーノ)」は売れているんだと思いますし、イトーキもその線でコファーノを投入した可能性があります。
とは言え、ビーノが売れているのは組み合わせが選べるからという理由だけではありません。比較的値段が手頃なのに質感が良いということも理由のひとつだと私は考えています。翻ってコファーノはどうかというと、商品写真を見るとパッとしないように見えるかもしれませんが、実にボリューム感があってよろしい。主材はタモ突板ですが、パッと見た目はまるでタモ無垢のようです。これぞイトーキの真骨頂。本当に意外と上手に木を扱います。ビーノも素晴らしいですが、コファーノも実に素晴らしいです。しっかりとした感じのビーノとはまた違って、「Camommile(カモミール)」のような優しさがあります。
ちなみに、イトーキで組み合わせ自由な学習机を扱うのは2013年度のセレクトワン以来(「エルコディ」を除いた場合)。セレクトワンは典型的とも言えるユニット型デスクでしたが、コファーノはサイドシェルフを用意していない一方で上棚を用意している点で、従来の学習机に近いと言えると思います。
コファーノはイトーキの収納ノウハウの集大成
ああ…コファーノを語り出すと止まりません(苦笑)今回は2016年度イトーキの主な変更点をザックリ取り上げる予定だったんですが、このままコファーノにまつわる話(略して「コファばな」)1本でいきましょう。
コファーノは前述の通り、組み合わせが選べるデスク、そして意外とデザインもイケるデスクなわけですが、収納力という点でも魅力的です。イトーキは多数ある学習机メーカーの中でも特に収納に力を入れており、専用お片付けトレー、A3サイズ対応ロングサイズワゴン、フリーボックス型下段引出し、使い分けフックなどに見られるように、収納のポテンシャルが非常に高いです。学用品のすべてをいかに使いやすく&効率良く収めることができるかということを徹底的に考えています。
そして今年度ニューフェイスのコファーノ。特に注目すべきはラックです。ランドセルはもちろん、絵の具セットや書道セット、ピアニカや縦笛の収納場所まで考えられています。
ただ正直に言うと、ここまではちょっとやり過ぎかなぁと現時点では思っています。確かに、こういったモノの収納場所を考えておくことは大事です。しかし6年後を考えてみてください。ランドセルもピアニカも使いません。身長が伸びた子供にとってはもっと背丈のあるオープンラックのほうが使いやすいでしょう。
ともあれ、コファーノがイトーキの収納ノウハウの集大成であることは間違いないと思います。
コファーノはポルクの弟分
コファーノと「polku(ポルク)」(棚付デスク)を並べてみると、コファーノはポルクに非常によく似ていることが分かります。
- 上棚の形状がほぼ同じ
- 主材はともにタモ突板
- 天板奥行はともに60cm
- コファーノは袖ワゴン、ポルクは袖固定
- コファーノは幅100cmと80cm、ポルクは105cm
- コファーノはバラ売り、ポルクはセット販売
バラ売りのコファーノはセット販売のポルクと同等の組み合わせにした場合、定価で約1万円高くなってしまうんですが、主材が同じであるということもあって価格的にもかなり近いと言えます。
先ほど収納の話をしましたが、デザイン性ではコファーノはポルクに劣る代わりに、収納やレイアウトの面ではポルクよりもコファーノのほうが優れていると言えます。袖ワゴンはA3サイズ対応となり、キャスター付きで移動しやすいので掃除や模様替えが楽です。また、ラックを追加したり、袖ワゴンをナシにすることもできます。
あとはまあ、デザインの好みで選ぶという感じですかね。また、先にコファーノを見てから「やっぱりフリーワン(組み替えデスク)のほうが良いかな?」と思ったらポルクのフリーワンタイプを選べば良いという寸法です。ポルクには上棚ナシの平机タイプもありますし、2016年度は小棚も追加されました。コファーノとポルクは良い補完関係になると言えるでしょう。
以上、イトーキの2016年度ニューフェイス・コファーノについて存分に語ってしまいました(笑)つまるところ、コファーノは良い学習机です。個人的にはコイズミファニテックのアルフとどっちが売れるのかなーと興味津々ですが、それよりも皆さんの反応が楽しみです。
次回は、コファーノ以外のポイントを紹介していきたいと思います!
コメント 皆様からご質問・ご意見など
来年、小学生になる娘がいます。
気が早いもので、昨年からこのサイトを参考に勉強させていただいております。
いよいよ机を選ぶ時期になり、娘の希望でシンプルで淡い色味の机を探しています。
でも、淡い色って少ないんですよね。
最近の小学生事情がよくわからないのですが、収納はたくさん必要でしょうか?
絵具やピアニカなどは長期休暇中しか持ち帰らないと思うし、机はベーシックタイプで充分じゃないかと思っていますが、ベーシックタイプが縮小傾向・・・
とりあえず上置きは机と同じ幅として候補を絞ってみました。
1.カリモク ピュアナチュール
2.イトーキ ポルク
3.イトーキ コファーノ
4.コイズミ プレオ
デザインは1,2が好みなのですが、1はコンセントの位置や本棚のブックエンドの強度が気になり、2は黒板は要らないし、ワゴンは動かせた方が便利かな?じゃあ、ここは無難に3のナチュラルホワイト?
4は色が濃いけど、ランドセルハンガーが使いやすそう?
見れば見るほどどれが良いのかわからなくなってしまいます。
ベーシックタイプでおすすめの机をご紹介いただけると幸いです。
また、ライトはT字型が収納を邪魔しないので良いかと思うのですが、取り付けられる机は限られているのでしょうか?
イトーキのL-52は白からブラウンになりましたが、白はそんなに劣化が目立つのでしょうか?
コイズミでは白が定番色として残っていますし、昔より黄変防止対策がなされているかと思います。
淡い色の机、白い壁では白いライトの方が合うと思うので気になりました。
れーさんさま
はじめまして^^
私もベーシックデスクでロー棚にT字型のデスクライトというのがもっとも理想的だと考えています。でもそういうのって、2016年度の大手メーカーではほぼないんですよね。くろがね工作所のシンプル+(プラス)だけかもしれません。
ベーシックデスクは年々減少しており、2016年度は皆目存在しない状態。またT字型デスクライトを採用しているメーカーは大手ではコイズミファニテック、イトーキ、くろがね工作所だけです。T字型デスクライトはどんな上棚にでも取り付けられるわけではなく、他メーカー品を含めて平机に取り付けるか、専用の上棚に取り付けるのみとなります。
なので候補に挙げられている学習机4モデルはおろか、他をあたっても、れーさんの条件すべてを満たすデスクはほとんどないと思われます。一番の条件は娘さんのご希望の「シンプルで淡い色味の机」なので、あとはZ型のライトを選ぶか、組み替えデスクを選ぶことになりそうです。
白いデスクライトの黄変については何とも言えないところがあります。我が家では娘と息子が同じツインバード製のものを使用しているのですが、北側窓寄りの娘のほうは黄変が見られないものの、シーリングライト(蛍光灯)に近い息子のほうは明らかな黄変が見られます。日光よりも蛍光灯のほうが紫外線が強いのかもしれません。
お返事をありがとうございます。
コファーノはT字型のライトが付かないんですね。
収納の少ないベーシックタイプでは収納部とライトが干渉するのは大問題な気がします。
新シリーズなら、その辺の配慮があっても良さそうなものですが・・・
組み替えデスクは天板に継ぎ目が出来てしまうのが気になるので、やはりデスクライトよりもベーシックタイプであることを優先しようと思います。
まだカタログでしか見ていないので、今後、実物を見て相談しながら決めようと思います。
白いライトは収納マンさんの経験上のお話だったんですね。
LEDだと切れたら器具毎の交換になりますし、ライトは消耗品と割り切って白を選ぼうと思います。
悩んだらまたご相談させてください。
ありがとうございました。
れーさんさま
私はデスクライトはT字型でデスクはロー棚のベーシックデスクが良いと思うですけど、世間の売れ筋はZ型アームのデスクライトで、組み替えデスクなんですよね^^;
「私が保守的なのかしら?」と思ってしまいますが、れーさんさんのようなベーシックデスク&T字型デスクライト支持者がいると心強いです♪
T字型デスクライトは確かにモノの収納に一番邪魔にならないですけど、どうしても上棚の形状に影響を及ぼしたりデスクライトの支柱にデザイン性がなくなるなど、必ずしも良いことばかりではないです。コファーノもそういった配慮があったのかもしれません。
LEDデスクライトの黄変の件についてはそもそも、イトーキがブラウン色に変更してきたことに対する私の邪推に過ぎません。確かに我が家のツインバード製については黄変が見られますが、特に気にしてはいません。おっしゃる通り、電化製品ですから10年持てば良い消耗品だと思います。
まだ学習机商戦は始まったばかりです。まだ現時点では並んでいないお店も多いと思います。遅いところでは10月に入ってからです。
お嬢様も楽しみにされていると思うので、是非いろいろ見比べていただければと思います^^
はじめまして!以前からこちらのサイトで勉強させていただいてます。上の2年生になる息子の学習机はイトーキのリーモ ベーシックタイプにしました。
来年小学生になる、娘の机はイトーキのカモミールのベーシックタイプ!と決めていたのですが…今年から無くなってしまったようだったのですが…ふと、ニトリの学習机を見ているとイトーキからカモミールのベーシックタイプが販売されてるようなのですが 同じ物なのでしょうか??同じ物であれば、ニトリから購入しようかなぁと思っています。
さえママさま
はじめまして^^
お兄ちゃんはイトーキ・リーモのベーシックデスクですかぁ。良いですね♪で、お嬢様にはカモミールのベーシックデスクと決めていたのに2016年度はカタログから消えてしまっていた!…というわけですね。
ニトリのカモミール風デスクは「【2016学習机市場に激震】ニトリがイトーキ純正カモミール風デスクをタイムマシン価格で投入!」の記事で取り上げている通り、名前にはカモミールの文字は入っていないものの、モノとしては2015年度仕様のカモミール・ベーシックタイプそのもののように見えます。しかもかなり「お値段以上」な感じです。
まだ私も実物を見れていないので100%断言はできないですが、少なくとも「ほぼカモミール・ベーシックデスク」と思ってもらって良いのではないでしょうか。
返信ありがとうございます!記事にされてたのですね
見逃しておりました!
安心して購入できます(^^)
ありがとうございました^ ^
さえママさま
2016年度のイトーキのカタログには載っていなかったものの、むしろラッキーでしたね!
ニトリなら5年間保証も付いていますし、お近くにお店があれば安心して購入できるのではないでしょうか^^
お世話になっております、れーさんです。
昨日、家具屋に机を見に行ってきました。
まだ旧商品が残っており、カモミールベーシックとカリモクのいくつかの商品が特別価格で売られていて、ちょっと惹かれてしまいました^^;
でも当初の希望通り、コファーノのナチュラルホワイトをベーシックタイプとして、ライトはコイズミのECL-358、椅子はコイズミのオルレアSDC-149の組み合わせで大体決まりました。
だた、展示品を見て気になったのが、デスク表面の凹凸です。
隣りに並んでいたコファーノのウォールナットの方はすべすべしていました。
また、同じタモ突板のポルクと比べても板目の彫りが明らかに深いのです。
お店の人にこんなに表面が粗いものかと尋ねたら、忙しかったせいか『天然木の風合いを好む人にはこれがいいんだよ』と言って立ち去られてしまいました・・・
天板以外の部分はそうでもなかったのですが、タモ突板は個体差があるのでしょうか?
もしわかるようでしたら、ご回答をお願いします。
れーさんさま
だいたい決まったんですね!
”コファーノのナチュラルホワイトをベーシックタイプとして、…椅子はコイズミのオルレアSDC-149の組み合わせ”って、最初、「なんで!?」と思ったんですけど、なるほど、お子さんにとっての座りやすさを重視されたんですね。なかなかナイスなチョイスだと思います^^
ご質問のタモの件ですが、タモの木目って結構難しいんですよ。ナラも近いところがあるんですけど、木目が太いとすごく際立って見えたり、おっしゃるようにザラザラします。色味が薄いとシマシマに見えることもあります。
ナラ、タモ、ウォルナットなどの高級材はハッキリ言って等級がピンキリです。高級家具メーカーで使われているのは言うまでもなく等級の高いもの、それでもやっぱり個体差はあります。コイズミファニテックやイトーキなどの量産メーカーの場合は残念ながら等級は高いとは言えず、木目が良くないものやクサレなどが混じる可能性が高いです。こういった問題を避けるためには、展示現品を購入するのが一番良いのですが、果たしてそこまでやってくれるかどうかはお店次第です。
木目は本当に難しいですね~^^;
ご回答ありがとうございます。
カリモクのダイニングテーブルを購入した時にも、届いた品にはブラックチェリーの天板の一部に明るい色の木目が入っていて、天然の木は難しいなと感じました。
学習机も予約商品が多いので現品購入は難しいですよね。
いくつかのお店を回ってみて、天板の期待値というか、今回展示されていたものが特に彫りが深かったのか、平均的なものなのかを確認してみます。
れーさんさま
あー、ブラックチェリーですかー。大変貴重な材ですものね。なかなか100%良いところだけを使えるわけじゃないので、そういうこともありますよね。でも本当に、天然木は「あばたもえくぼ」です。個性があることを喜んで受け入れていただけると嬉しいです。
コファーノもたぶん個体差があると思います。今までイトーキのトレフ、リーモ、カモミールを難題も見てきましたけど、木目だけでなく、塗装にも若干の違いが見られました。生産ロットで多少変わることもあるようです。
キャベツやネギだって買うときによって程度が変わるように、木もやっぱり変わります。塗装もいつも同じ調色とは限りません。入ってきた木材の色味に合わせて変えることもあります(イトーキの場合は分かりませんが)。
木目や色合いは本当に難しいですが、そこが天然木の良いところでもあります。あとは祈るのみです!^^