大阪南港ATCホールで開催された「LIVING&DESIGN2016」を見に行ったついでに、同じATC内にあるIDC大塚家具南港ショールームに立ち寄りました。ちょうどIDC大塚家具南港ショールームは10月15日(土)の全館リニューアルオープンを控えて、営業しながら売場を改装しているところでした。
売場の1/4がアウトレット&リユースに
今回の改装の目玉は、国内最大級のアウトレット&リユース業態のオープン。IDC大塚家具南港ショールームはATCの7階と8階の2フロアにまたがっており、7階の半分、つまり全体の1/4がアウトレットコーナーになるということです。
昨日10月15日にリニューアルオープンしていますので既にご覧になられた方もいらっしゃるかと思いますが、私が改装中の売場をチラッと見た感じでは、売れ残ったような輸入家具の展示品処分が大半で、リユース品もちらほら混じっているという印象でした。
学習机も10台ほどアウトレットコーナーに並んでいました。上のフロアマップで言うと、”coming soon”の”soon”あたりですね。ちょうど吹き抜けの通路を挟んでキッズインテリア(学習机売場)の向かい側あたりです。
値段はどうなんでしょうね。メーカーが在庫処分したアウトレット品であればそれなりの価格が出せると思いますけど、展示品処分であれば、たかが知れているんじゃないかと思います。
学習机売場は可もなく不可もないが…
IDC大塚家具南港ショールームの学習机売場の展示台数は50台あまり(2016年10月13日現在、ベッドデスクや書斎デスクのぞく)。ほかの大型家具店に比べると少なく感じますが、取扱いメーカーがコイズミファニテック、イトーキ、浜本工芸、飛騨産業、橋詰家具、小島工芸、くろがね工作所くらいと少ないですから、致し方なしかなと思います。
例年通りゆったりと並べられており、じっくり落ち着いて見やすい売場だとは思います。目障りな安物が並んでいないというのも、上流階級のお客様にとっては良いんでしょう。
ただ個人的には、あまり買う気が起こらない売場ですねー。別に安いわけでもなく、雰囲気が良いわけでもなく。今回のリニューアルではアウトレット&リユースの導入だけでなく、商品レイアウトも大幅に見直したようですが、学習机同様に買う気が起こらない雰囲気です。ただ良い家具を並べただけで、「おやっ?」と思う仕掛けがなさすぎるのですよ。世間では「買い物のレジャー化」と言われて久しいですが、南港ショールームを見る限りはそれがないのです。
あくまで一般論ですが、家具店は売上が低迷するとアウトレット店に移行します。それでダメなら閉店。「週刊少年ジャンプ」に掲載されているマンガの人気が伸び悩むとトーナメントが始まり、それでもダメなら連載終了というパターンと似ていますね(苦笑)
IDC大塚家具南港ショールームの実際の売上は私には分かりません。けれどもATCそのものが廃墟化しており、昨年には湯川家具も撤退しました。湯川家具とは価格帯が違うとは言え、相乗効果はなくなってしまったわけです。
アウトレット&リユース業態の導入によって息を吹き返す可能性もあるかもしれませんが、一般消費者が持っている「アウトレット」のイメージとはちょっと違うんじゃないかなという気がします。少なくともコストパフォーマンスにウルサイ大阪人が納得するかというと、かなり厳しいんじゃないかと思います。
そもそも家具のアウトレット店は、並べた尻から売れていくくらいの活気がないとダメなんですよ。並べながら売る。売りながら並べる。そういう勢いが大事なんです。しかし、果たしてIDC大塚家具で、ATCで、それができるんでしょうか。個人的にはちょっと難しいように感じます。
何だか、学習机とは関係ない話が多くなってしまいましたが、新生IDC大塚家具には頑張って欲しいなーと思っております。
同日追記:
ついでに同じATCにある「CHARDONNAY(シャルドネ)」も覗いてみました。しかし以前は杉工場の学習机をメインで扱っていたのが現在は橋詰家具ばかりになっていました。
これ、いろいろとおかしな話だと思うんですよね。橋詰家具の学習机を扱う理由の一番は競合が少ないことと言えます。しかし同じ建物の中で思いっきり競合しちゃっているわけで。ATCの場合はシャルドネのフランチャイズ店なので独自に仕入れていることと思いますが、「国内最安値保証」のIDC大塚家具の庭先で橋詰家具の学習机を売って成り立つというのは奇妙です。
もうひとつ、IDC大塚家具はちゃんと市場リサーチして商品を並べているのか疑問に感じました。もし本部が言う通りに並べているだけであれば、大阪ではもう難しいと言わざるを得ないでしょう。
IDC大塚家具とシャルドネではコンセプトも客層も違うとは言え、なんだかなーと思いました。
コメント 皆様からご質問・ご意見など