前回、ニトリの2016年度学習机「くみあわせですくJDNシリーズ」を紹介しました。今回はこれに仕様がよく似ているコイズミファニテックの「CDファースト」と比較してみたいと思います。
【前回】【速報版】2016年度のニトリはますますスゴイ!くみあわせですく大容量タイプ&ツートンカラー
サイズ
まずもっとも分かりやすい違いから。くみあわせですくJDNは100cm幅。一方のCDファーストは95cm幅です。しかしながら両者の袖ワゴンの幅はほぼ同じ。つまるところ、くみあわせですくJDNのほうがゆったりと椅子に座れると言えますし、天板面も幅方向に広く使えます。
では奥行はどうかというと、上置きをハイタイプにしたコイズミファニテックで言うところの「スタンダードスタイル」にした場合、くみあわせですくJDNは奥行850mm、CDファーストは同762mmとなります。くみあわせですくJDNの奥行850mmというのは奥行が広く使えて良いと考えることもできる一方で、かつてのオカムラ・のびでかデスクを思わせるほどに大きすぎるようにも思います。くみあわせですくJDNにはCDファーストのように天板拡張機能がないというのが大きいでしょう。
高さについては同じくスタンダードスタイルにした場合、くみあわせですくJDNの高さ1570mmに対し、CDファーストは1631mmとなっています。CDファーストのほうが少し高いわけですが、これはLEDデスクライトの構造の違いによるところが大きいでしょうか。
スライドレール
学習机にとって引出しが堅牢であるか否かは非常に重要です。学習机のパーツの中で、引出しがもっとも壊れる可能性が高いからです。くみあわせですくJDNの引出内部材は白塗りのファルカタ(洋桐)、CDファーストは樹脂フィルム貼り。樹脂フィルム貼りは汚れにくくて良いですが、フィルムが剥がれると最悪です。最悪の場合、引出しが開かなくなります。また引出しの構造はともに四方囲い構造(箱組構造)となっており、引出しそのものも耐久性は同程度と言えます。しかしスライドレールは、袖ワゴン最下段を除き、くみあわせですくJDNはシングルレール、CDファーストはフルスライドレールとなっています。
単純にスライドレールかフルスライドレールの違いだけであればちょっとした違いですが、ニトリのスライドレールは業界最低水準で、展示品でも「開かずの引出し」となっているものが見られます。これについては2016年度も改善の兆しはないようです。
ちなみにイトーキのジョイカラーデスクはデスク本体にフルスライドレール、ワゴンにはシングルレールを採用しており、いずれも高品質でスムーズに開閉可能です。こういう一見目につかないところで、メーカー品とそれ以外に違いがあるのです。もっとも、メーカー品もいろいろですが…。
ワゴン
くみあわせですくJDNのワゴンは天板固定式、CDファーストは天板リフティング式となっています。メーカー品ではワゴン天板が固定式の場合、2段目の引出しが深めになるというメリットがあったりするものですが、くみあわせですくJDNにはそういうメリットもありません。ただコストを抑えるためだけの天板固定式なのです。
書棚
CDファーストはデスク天板面とその上の棚板の間にB5サイズの本などを収納可能ですが、くみあわせですくJDNは非常に中途半端で文庫本程度しか収めることができません。また、書棚下段の棚板の高さの調整範囲もCDファーストのほうが広いです。
そもそも組み替え式デスクの書棚なんて単品では非常に使い勝手が悪いものですから、どうでも良い話と言えばその通りですが、くみあわせですくJDNはやはりこういう些細なところでもコストダウンを図っているようです。
LEDデスクライト
くみあわせですくJDNのLEDデスクライトは7Wの調光式アーム式ライト。一方のCDファーストは23Wの調色&50%調光式T型ツインライトです。シェード幅もCDファーストのほうが圧倒的に長く、LEDデスクライトの性能については天と地ほどの差があります。いやむしろ最低と最高を比較していると言って差し支えないでしょう。
CDファーストのLEDデスクライトはT型であるため、上棚の収納スペースの邪魔にならないという点でもメリットがあると言えます。質感もCDファーストのLEDデスクライトのほうが良いですね。
デザイン
くみあわせですくJDNは一部の引出し前板のカラーがツートンカラーとなっています。また、一部はツタ状の彫りが入っています。さらに、脚や書棚の上段の側面が「ロ」の字型にくり抜かれた形状となっており、圧迫感が少なくスッキリとした印象です。しかしながらツートンカラーに塗装しやすくしたり、「ロ」の字型の側面にしたために、全体に角ばった形状となってしまって、ボリューム感に乏しく安っぽくも見えます。
一方のCDファーストは「いかにも学習机」という感じの良くも悪くも無難で質素なデザインです。あと付け加えるならば、ベーシックなカラーリングに戻すための取り替え用前板セットが別売で用意されています。
ランドセルハンガー、コンセント、ペントレー
以下は完全にダメ押しとなります。くみあわせですくJDNのカバンフックは樹脂製でショボイですが、CDファーストのランドセルハンガーはたいそう立派で、スチール製のカバンフックも付いています。
くみあわせですくJDNはLEDデスクライトにコンセントが1口付いているだけですが、CDファーストには3口+ライト用1口のコンセントボックスが付いています。
くみあわせですくJDNの袖引出しには貧相なペントレーが付いているだけですが、CDファーストには本体引出しに仕切板(おかたづけキット)が付いています。
価格
くみあわせですくJDNの価格は税込59,900円。一方のCDファーストは実売価で同78,200円からです(本日10/20現在、楽天市場にて)。その差、およそ2万円弱。
絶対値で見れば、くみあわせですくJDNのほうが安いわけですが、前述したとおり、スペック面ではCDファーストに勝っているポイントはほとんどないと言えます。LEDデスクライト、ワゴン天板リフティング機構、ランドセルハンガー、コンセントだけでも、その2万円弱の差は埋まるはずです。個人的にはむしろ、CDファーストのスライドレールや拡張天板を高く評価したいところで、総じてコストパフォーマンスはCDファーストのほうが圧倒的に良いです。
つまるところ決して、くみあわせですくJDNが悪いと言うつもりはありませんが、もし予算が許すならCDファーストを買ったほうが絶対に良いと私は思います。
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