近年は天然木を使った学習机の人気が高くなり、デザインも大人が使って差し支えないようなシンプルでスタイリッシュなものが多くなりました。
一方で、市場のボリュームゾーンはまだまだカラーデスクが多く占めます。地域や店舗によっては売場のほとんどをカラーデスクが占めるほどです。
デスク天板にMDF合板を使ったカラーデスクは価格を抑えやすく、カラフルなので子供も喜びます。天然木に対してMDF合板の学習机は、本革に対する合成皮革のランドセルのようなもので、保管や使用に際して心配が少ないというのもメリットです。
今回はそんなカラーデスクの2強、コイズミファニテックの「CDコンパクト」とイトーキの「ジョイカラーネオ」を徹底比較してみたいと思います。
コイズミファニテック・CDコンパクト
「カラーデスクNo.1」の呼び声が高いコイズミファニテックの「CDコンパクト」は、上棚ハイタイプの「CDファースト」と並んでカラーデスクの真打と言えるでしょう。結論を急ぐわけではありませんが、各社のカラーデスクの中ではもっとも装備が充実しています。
価格は楽天市場で税込62,600円から、家具販売店では7万円台が相場です(2018/02/15現在、以下同)。
イトーキ・ジョイカラーネオ
対するイトーキの「ジョイカラーネオ」。ジョイカラー自体は長らく続くブランドですが、2017年度は上棚ロータイプが姿を消し、2018年度に「ネオ」となって大幅リニューアルされました。CDコンパクトの10色展開に比べるとカラバリが少ない(4色)ものの、カラーリングが素敵です。
価格は楽天市場で税込69,800円から、家具販売店ではやはり7万円台が相場です。
スペック比較
CDコンパクト | ジョイカラーネオ | |
デスク奥行 | 535→615mm | 520→650mm |
フルスライドレール | 全段 | デスク本体+ワゴン最下段 |
引出し仕切り | おかたづけキット | お片付けトレー |
デスクライト | 3段階調色機能あり | 調色機能なし |
コンセント | 3+1つ口 | 3+1つ口 |
デスクサイド | ランドセルハンガー+フック | 樹脂製フック |
フォトフレーム | あり(orミラー) | なし |
CDコンパクトとジョイカラーネオの違いのある部分を一覧にしてみました。順番に見てまいりましょう。
ジョイカラーの天板奥行は13cm拡張可能
意外と見落としがちなのですが、CDコンパクトとジョイカラーネオの最大の違いはデスク本体の奥行にあると言えます。CDコンパクトは535mmから615mmに80mm拡張可能なのに対し、ジョイカラーネオは520mmから650mmに130mmも拡張可能です。
つまり、ジョイカラーネオのほうがよりコンパクトでより広く奥行を使えるという、一見矛盾したようなことをやってのけることができるのです。
CDコンパクトは全段フルスライドレール
次に引出しをチェックしてみましょう。CDコンパクトは引出し全段ともフルスライドレールを装備しています。一方のジョイカラーネオはデスク本体とワゴン最下段がフルスライドレールで、ワゴン上2段はシングルレールとなっています。
フルスライドレールなら引出しの奥まで引き出すことができます。一方で、ワゴンをフルスライドレールにすると、引出しの奥行が浅くなります。ですから、フルスライドレールのほうが一概に良いと言えるわけではありません。
ただ、そもそもCDコンパクトもジョイカラーネオもワゴン引出しの奥行が浅めなので、丈夫で変形しにくいフルスライドレールのほうがメリットが多いと言うこともできます。
イトーキのお片付けトレーは秀逸
CDコンパクトにもジョイカラーネオにもデスク本体引出しに仕切り板が付いています。しかし、収納のプロに言わせればイトーキのほうが優れていると思います。
CDコンパクトの「おかたづけキット」は「井」の字ようような構造になっており、仕切り板を外すことはできますが、仕切り板の位置を移動させることはできません。一方、ジョイカラーネオの「専用お片付けトレー」はボックスに可動仕切り板を備えた構造のため、文房具の大きさに合わせて仕切ることができます。
CDコンパクトは調色機能付きデスクライト
これは私も読者の方に教えていただくまで気付かなかったんですけど、実はジョイカラーネオに搭載されているLEDデスクライト(L-51ES)には調色機能が付いていません。他方、CDコンパクトに搭載されているSB-655/657(ECL-653)は3段階調色機能付きで50%調光機能も付いています。
2018年度はニトリの「くみあわせですくデラックス」ですら調色機能を搭載しましたから、これはジョイカラーネオも2019年度は調色機能を搭載せざるを得ないでしょう。
イトーキはプラグが邪魔にならない
CDコンパクトもジョイカラーネオもコンセントボックスは「3つ口+灯具用1口」です。
しかし、ジョイカラーのほうは前後方向にプラグを挿し込むようになっているので、プラグが出っ張って収納スペースを減らすことがありません。正面からのほうがプラグを抜き差ししやすいというメリットもあります。
コイズミのランドセルハンガーは秀逸
イトーキの他のモデルに付いている「使い分けフック」は秀逸なんですけど、ジョイカラーネオには樹脂製フック2個しか付いていません。一方、CDコンパクトにはランドセルハンガーとカバンフックが1つずつ付いています。
このランドセルハンガーが秀逸です。まだ動きがぎこちなく力もない小学1年生が、重いランドセルを小さなフックに掛けるのは至難の業です。しかし、コイズミファニテックのランドセルハンガーなら肩紐を掛けてから中央のフックに掛ければ良いので、小学1年生でも楽に掛けられます。
以上、見てきました通り、CDコンパクトとジョイカラーネオはいずれも甲乙つけがたいほどです。それぞれ非常によく考えて作られており、その良し悪しを一言で語ることはできません。
こうしてCDコンパクトとジョイカラーネオをじっくり観察すると、それらよりも価格の安いカラーデスクとの違いもお分かりいただけると思います。決して大手メーカーだから高価なのではなく、やはり細部に渡ってコストを掛けているのです。
CDコンパクトやジョイカラーネオには姉妹商品や派生モデルもいくつかあります。悩んだらそれらを検討してみるのも良いのではないでしょうか。
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【コメント】 皆様からご質問・ご意見など
はじめまして。
もうすぐ小学校に入学する男の子の母です。
机のサイズは、横幅100奥行き60くらいが大きくなっても使いやすいかと思うのですが、最近はリビングに置けるシンプルで奥行きが少ない机が多いですね。
子どもは青か紺のカラーデスクを希望しています。
コイズミのCDコンパクトが候補ですが、横幅が95センチと少し短めで、引き出しを机の下に置くとと、足が出し入れしにくいように思います。
ニトリはカラーデスクがほとんど無くなり、奥行きを拡張天板で広げることもできません。ライトも小さいですし。
そこで、評論家さん、青か紺のカラーデスクで、幅100奥行き60くらいで、4から8万円の学習机、教えてください。
あさママさま
はじめまして^^
そうなんですよー。
最近はデスクの奥行は短く、カラーデスクもかなり少なくなってきています。
ついでに言うと、上棚なしはもちろん、ワゴンなしということも少なくありません。
ご条件の「青か紺のカラーデスクで、幅100奥行き60くらいで、4から8万円の学習机」というのは残念ながら皆無だと思います。
数年前までは大商産業のカラーデスクが幅100cmだったのですが、現在は幅95cmになっています。
条件を緩めて、奥行が深い組み替え式デスクで、青か紺の挿し色というかたちでもOKなら、以下のような候補が考えられます。
●ニトリ…くみあわせですく・リビオS LBR/NV
●ニトリ…くみあわせですく・クロN BK/NV
●くろがね工作所…クールボーイ
天板拡張機能付きでデスクライトの幅が大きいほうが良いことも条件と考えると、もっとも理想的なのはクールボーイだと思います。
しかし、残念ながら今年度はもうブルーが完売のようです。
もっとも、くろがね工作所は一気に作ってドカンと一括納品、クレーム出ても知りません、というスタイルなので、東京インテリア家具あたりは在庫を持っているのかもしれません。
あと、楽天市場で販売されている「bambi(バンビーノ)」というデスクはデスクライト以外は条件にピッタリな感じです。
ディテールからすると、数年前に清和貿易が作ったものかなと思います。
クオリティ的にはニトリとほとんど変わらず、少なからず当たり外れがあります。
今はなかなかカラーデスクの選択肢がないので、デスクは木目調にして、椅子をブルー系にすることなどもご検討いただければと思います^^
初めまして。こちらのサイトは上の子の入学前に見つけ拝読し、まずは学習椅子のみ購入して様子見してきましたが、この度、新小3と新小1のきょうだいの学習机を探しており改めて記事を見ていました。
1人部屋を欲しがるまではリビング続きの部屋に2つ置く予定ですが、幅210cmが限界です。そのため2つ横に並べるならCDコンパクトの95cmという幅は絶妙であり、子供たちもカラーデスクを一目見て気に入った様子で、ほぼCDコンパクトに決めかけました。
しかし書棚をデスク後ろに設置するとアクセスが悪く暫く使い辛いこと、書棚の奥行き約22cmというのは先々浅過ぎて使いづらいのでは無いか?(いま使っているファイルボックス等が入らない)、それならばまずは最低限のデスク+ワゴンのみを購入し、受験勉強等で収納が必要になった段階で別途カラーボックスなりウッドラックなりを買い足せば良い気がしてきました。この場合の有力候補はビーノです。
CDコンパクトで棚もまとめ買いvs徐々に買い足し、どのような点に留意して決断すると良いかご助言頂けないでしょうか?
ふらわーさま
はじめまして^^
CDコンパクトをはじめとする組み替え式デスクは、なんだかんだ言ってスタイル別で人気No.1です。
オールインワンでコスパが良い、3~5つのレイアウトが可能、収納量が多い、書棚と机のデザインが揃うなどのメリットがあります。
しかし、メリットばかりではありません。
”書棚をデスク後ろに設置するとアクセスが悪く暫く使い辛い”、”書棚の奥行き約22cmというのは先々浅過ぎて使いづらい”…おっしゃる通りだと思います。
そういう背景もあって、私は「組み替え式デスクには敬意を払いつつあくまでベーシックデスク推奨派」です。
おっしゃる通り、ビーノを含めてベーシックデスクなら、あとで最適なサイズの書棚を買い足すことが可能ですからね。
ただし、ベーシックデスクにもデメリットはあります。
基本的には組み替え式デスクのメリットの反対ですが、バラバラに買うことで割高になります。
それはスペックがよく似ているビーノとWDスペシャルを比較しても明らかでしょう。
また、数年後の買い足しというのは必ずしも保証されているわけではありません。
廃番や仕様変更の可能性も否定できないからです。
とは言え、ビーノに合いそうなナラ系の木目の書棚は他にもありますし、机ではなく壁に合わせてホワイト系を選ぶという方法もあります。
なので、書棚を買い足すことだけを考えるなら、そこはあまりシビアに考える必要はないでしょう。
ですから、基本的にはご予算と睨めっこしながら、親子ともに納得できる机を選んでいただければと思います^^
ふらわーさま
幅210cmのスペースにビーノを2台並べる場合について補足しておきたいと思います。
サイズ的には幅105cmを2台並べることは可能です。
ただし、巾木などを除いて210cm以上あることをよくご確認ください。
また、105cmデスクを2台並べる場合はランドセルハンガーは使えませんし、コンセントはデスク横ではなく脚に取り付ける必要があります。
90cmデスクを2台並べることも可能です。
その場合はスリムワゴンをセットするほか、実際には215cmのスペースがあるなら2台のデスクの間にチェストシェルフを置くという方法もあります。
ただし、チェストシェルフはどの引出しをそれぞれが使うか、棚のどの段をそれぞれが使うかというだけでなく、お互いのモノがそれぞれのテリトリーを侵したなどと言ってケンカになることも考えられます。
また、今後それぞれの子供部屋に机を移動させる際は、チェストシェルフはいずれかの部屋に置き、もう片方の部屋には別のチェストシェルフやワゴンを買い足す必要が生じます。
そういう諸々のことやコスパを考えると、「レイクウッド・ベーシックデスク」などを購入するというのもひとつの方法だと思います。