一昨日の11月30日にテレビ東京系で放映された「カンブリア宮殿」、ご覧になりましたか?
当日、私は友人から「カンブリア宮殿で家具メーカーの特集やるらしいよ」と聞いてはいたのですが、まさか飛騨産業が取り上げられていたとは知らず、こちらのブログで飛騨産業の記事のアクセスが急に増えてから気づいた次第です(苦笑)
飛騨産業の学習机は10年保証!
今回の放映では学習机の「cobrina(コブリナ)」と、「begin(ビギン)」もちょろっと映ってましたよね。「飛騨産業の家具は10年保証」と紹介されていたところで。
日本一の総合家具メーカーであるカリモク家具でも3年保証、飛騨産業同様に職人気質な浜本工芸でも5年保証です。ちなみに、コイズミファニテックとイトーキは3年保証で、他はだいたい1~3年だと思います。
ぶっちゃけ、飛騨産業だけでなく、カリモク家具や浜本工芸の学習机でも普通に使っていれば30年は持つので、10年保証にすることは可能なはずです。むしろカリモク家具や浜本工芸のほうが売上規模が大きく、営業所のネットワークも整っていますから、アフターケアはしやすいはずです。
にもかかわらず飛騨産業だけが10年保証を宣言しているのは、実際に保証する事態が発生するコストよりも、それにより得られる宣伝効果を期待しているのだと思います。
もちろん、「マーケティングの勝利」などとは言いません。むしろ、飛騨産業の社長は「普通に使ってれば30年持つのに、なんで3年保証とか言うの?」という消費者の素直な気持ちを社員に受け入れさせたのだと思います。
業界に染まっていない社長だからこそできた改革
出典:飛騨産業
「カンブリア宮殿」では、外部から招へいされた岡田贊三氏が成し遂げた数々の事例を紹介しました。積み上がった在庫を処分するためにアウトレット販売を始めたり、問屋任せの販売を自社販売に切り替えたり。それらは淡々と紹介されていましたが、実は簡単なことではありません。
アウトレット販売を始めようものなら、既存の得意先から大反発を食らうのは必至です。周辺の家具販売店の売上を持って行ってしまうわけですからね。家具販売店からすれば今まで支えてきたメーカーに裏切られるような思いだったはずです。
また、メーカーの立場から見れば問屋を介さずに家具販売店に直接卸せればメリットは大きいと思います。しかし、これも長年メーカーを支えていた問屋からは猛反発を食らったでしょうし、家具販売店も戸惑いを隠せなかったことでしょう。
ましてや、問屋業というのはメーカーにとっては銀行のようなものですからね。モノを作れば現金に換えてくれるし、問屋が家具販売店に営業してくれるからこそモノ作りに専念できるわけです。借金が30億円もある中で問屋を裏切るようなことをすることは、社員から猛反発を食らうどころの騒ぎではなかったと思います。
業界の常識を打ち破った「森のことば」
実は私は、飛騨産業が現在は問屋を通さずに、自社で家具販売店に直接卸していることは知りませんでした。岡田氏が飛騨産業の社長になったのは2000年のことで、私が勤めていた家具メーカーを退社した2002年当時はまだ問屋経由で家具販売店に商品が入っていたからです。
でも、2001年に「森のことば」のリビングセットがルームズ大正堂の本店に並んだときの衝撃は今でも鮮明に覚えていますよ!岡田社長が「木に節があるのは当たり前だ。なんで捨てるんだ!」と言ったことから開発が始まったそうですが、消費者としてはごく自然な発想だったと思います。
もちろん、消費者も賛否両論でしたが、私は好きでしたねー。なにより、「木がもったいないから使おう」と言って、猛反発する職人を説き伏せて成し遂げたというストーリーが素晴らしいじゃないですか。ズブズブの業界人では成し遂げられなかったことだと思います。
私は以前に学習机に関して、「恋人にするなら飛騨産業、嫁にするなら浜本工芸」とよく言っていました。学習机として使いやすいのは間違いなく浜本工芸です。しかし、飛騨産業の学習机は本当に美人揃いなのです。
今回のテレビ放映によって視聴者が殺到したため飛騨産業のサーバーはダウンし、当ブログにも多くのアクセスがありました。きっと多くの視聴者が飛騨産業の家具に興味を持ったことだろうと思います。
消費者は決して「高級家具なんて私には関係ない」などとは思っていないのです。ただ、その本当の良さを知らないだけなのです。
私にはテレビほどの影響力はありませんが、少しでも良い家具、良い学習机に興味を持ってもらえるように、これからも情報を発信してまいりたいと思います。
【コメント】 皆様からご質問・ご意見など
カンブリア宮殿見ました。こちらのサイトのおかげで飛騨産業を知っていたので、より楽しめました。
「恋人にするなら…」すごく分かります!お店で見ていた時、飛騨産業の学習机はすごく目を奪われました。他とは全然違うと感じて、特に特殊な木目に惹かれたので、今思うと森のことばだったのかと。値段見てすぐ諦めたのですが。
家具屋さんでは学習机しか見ていないのですが、今回番組では他の沢山の家具も映っていて本当に本当に素敵でした。
嫁取りは浜本希望ですがまだ迷い中で、お見合いの日々です。
アムリタさま
アムリタさんもカンブリア宮殿をご覧になったんですね!
あれ見たら絶対に飛騨産業の家具が欲しくなっちゃうと思いますし、そうでなくとも良い家具が欲しいと思うに違いありません。
飛騨産業の家具は本当に素晴らしいものばかりですよー。
番組でも紹介されていた「穂高」は私もマジで買い揃えたいと思っていました。
ほかにも「北海道民芸家具」とか「プロヴィンシャル」とか、今となってはほとんど売れてないはずですけど、こういうものも売れないからと言って廃番にしないところが飛騨産業の良いところだと私は思っています。
飛騨産業の路線はカンディハウスにも近いんですけど、それと比べれば飛騨産業の家具は安いです。
メーカーそれぞれに個性があって、だから家具って見ているととても楽しいですよね♪
学習机選びは一生に一度ですから、じっくりと理想の相手を探してください^^