以前は、ベネッセ&カリモク家具の「学びデスク」にするか、浜本工芸の天板昇降式デスクにするかというご相談をいただくことが多かったですが、最近はめっきり減りました。
2014年にベネッセが顧客情報漏洩事件を起こしたことで、消費者からの信頼が薄らいだことも影響しているでしょう。我が家も娘が塾に入るタイミングと重なったということもあって、ちょうどその頃に「チャレンジ」をやめました。
それよりも影響が大きかったのが天板昇降式デスクのブームの終焉ですね。同様に天板昇降式デスクに依存していたオカムラも戦略の転換を迫られましたし、コイズミファニテックもイトーキもカタログから天板昇降式デスクが消えました。
かと言って2015年度に投入した「学びデスク 広さ調節タイプ」に人気がシフトしたかというとその様子もなく。選択肢が増えたと言うよりはどっちつかずの印象となり、おまけに2017年度は2割前後も値上げしたので余計に蚊帳の外になった感じがします。
そんなジリ貧とも言える「学びデスク」ですが、世間に注目してもらうためにはそのままというわけにもいかないのでしょう。2018年度は少しばかり変化をつけています。
2018年度の学びデスクはここが変わった!
- 高さ調節タイプ→高さ成長タイプ
- 広さ調節タイプ→広さ成長タイプ
- 成長チェア→集中力はぐくみチェア
- デスクマット投入
- 無地ラグマット→柄入りラグマット投入
- チェアに限定ファブリックタイプ投入
- 限定色「モルトブラウン」投入
2018年度の学びデスクを2017年度と比較した場合、もっとも大きな違いと言えるのは商品名ではないでしょうか。無機質に感じられる「調節」という言葉を「成長」に置き換え、それに押し出される形で「成長チェア」は「集中力はぐくみチェア」となりました。
そもそも「ベネッセの机・椅子」と呼んでいた学習家具が「学び育み環境シリーズ」に変わっており、全体的にイメージ戦略を練り直した印象です。ただ、逆に言うと変わったのは呼び方だけで、肝心の中身は基本的に変わっていないとも言えます。
新商品はデスクマット「はばたきシリーズ」
事実上唯一と言える新商品はデスクマットの「はばたきシリーズ」です。”学び成長デスクにピッタリサイズのデスクマット”という割りには横65×縦45cmとかなり小さいサイズです。それでいて価格は税込3,240円と高価です。
なんでこんなに小さいのに値段が高いのだろうと思ったら、TPU(ポリウレタン系熱可塑性エラストマー)樹脂でできているんですね。最近はスマートフォン用のケースでよく使われる素材です。
一般的なデスクマットは塩化ビニール製ですが、材料コストが高いTPUを使うことで価格が高くなってしまったのでしょう。ただ、TPUを使うことでどんなメリットがあるかはちょっと分かりません。
新商品はデスクマット「はばたきシリーズ」
そのほか、2018年度のベネッセは、今まで扱っていた無地のラグマット(デスクカーペット)を柄入りのものに変えました。このラグマットもデスクマット同様に「はばたきシリーズ」という商品名になっていますが、鳥などが飛んでいる絵柄だからでしょうか。
また、限定ファブリックのチェアも発売していますが、これは2017年度まであったカバーに代わるものでしょう。デスクおよびチェアには限定色のモルトブラウン色も投入されています。
なお、いずれも「限定」とはなっていますが、販売数は明示されていません。数量限定ではなく季節限定ということでしょうか。
直近のベネッセの決算では、「進研ゼミ」や「こどもちゃれんじ」の述べ在籍数が減少したことなどにより、国内教育事業の売上は4.9%減、利益は46.4%減となったことが明らかにされています。
しかし、今年の4月時点では前年同月比で1%近く会員数が増えたそうなので、ここから反撃が始まる可能性もあります。チェアとデスクマットなどに採用した「はぐくみ」や「はばたき」という言葉は、ベネッセのそういう気持ちが込められているのかもしれませんね。
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