下世話な話ではございますが、昨年に比べて当ブログへの「イオン 学習机」という検索キーワードでの流入が減りました。もともとそれほどビッグキーワードではないので大きな問題ではないんですけど、原因が気になって調べてみたら、当ブログよりも検索上位にいわゆる「キュレーションサイト」が割って入っていることが分かりました。
キュレーションサイトと言えば聞こえは良いですが、要はネットの情報を拾い集めて素人が書いた「まとめサイト」です。中には上手にまとめてくれているものもあり、ユーザーが便利だと感じるのも分からなくはないですが、デタラメなものが多いのが問題です。
件のイオンの学習机のまとめ記事でも、合板も木の種類も知らない”家具にうるさい筆者”が、商品写真を取り違えつつ、産地も混同したままに”辛口”で評価しているのですから、苦笑いするよりほかありません。
当ブログのように学習机専門の内容の場合、目新しい情報だけを厳選してお届けしています。一方でキュレーションサイトは、専門ではない人が専門ではないサイトで一から説明していくため、文字数が不必要に多くなり、検索上位に表示されやすくなる傾向があります。
しかも、タチが悪いのは、いとも簡単にコンテンツをパクって行くことです。つい先日などは、私が新しいキーワードを掘り当てて記事を書いた翌日に、大手のキュレーションサイトに同じような記事が掲載されたということもありました。
ネットの神様「グーグル様」には逆らえませんが、ちょっと何とかして欲しいというのが本音ですね。
とは言え、パクりパクられというのはどの業界も同じ。一応、同じルールの下で戦っているわけですから、私としては当初の目的に忠実に、デタラメな情報が蔓延しないよう、正確で有意義な情報を読者の皆様にお伝えすべく努力していくまでです。
イオンのアタラシイ2018学習机
のっけから余計な話で失礼しました。本題のイオンの2018年度学習机についてお話ししましょう。キュレーションサイトなんかに負けないように、がっつりとボリュームを割いて徹底的にイオンの学習机について語りたいと思います。
周知のとおり、日本が誇るGMS最大手のイオンは幅広い商品を取り揃えています。その膨大な品揃えの中では学習机の取扱いは僅かですが、それでも扱っているという事実が大事です。
イオンは今でこそ数台しか学習机を扱っていませんが、ほんの数年前まではコイズミファニテックやオカムラ、ヒカリサンデスク、小島工芸などの学習机も扱っており、売場には10台ほど並んでいました。
ところが2015年度を境に大きく方針を変えたようで、目玉は堀田木工所が作る「ナチュラルウッドデスク」、あとは組み替え式デスクの「できるんデスク」の2本立てが基本となりました。
さらに、2017年度には堀田木工所が作る「カスタマイズシリーズ」を投入し、いよいよ数が捌けないからプレミアム路線でいくのかと思っていたのですが、どうもそんなに簡単なものでもなかったようで、2018年度のカタログからはカスタマイズシリーズは消えてしまっています。
そんなわけで、どんどん先細って行くイオンの学習机ですが、カタログのタイトルは「アタラシイ未来」。このポジティブさは見習いたいものですね。
イオンの看板商品!?フリースタイル学習デスク

出典:イオン
2015年度以降、イオンの看板商品はナチュラルウッドデスクだったのですが、2018年度のカタログ表紙をご覧いただければ分かる通り、「フリースタイル学習デスク」(できるんデスク)が看板商品に変わっています。
これが2018年度の新商品だというならまだ分かるのですが、品番は2017年度から変わらず、基本的な仕様は2016年度から変わらずです。つまり、普通に考えれば表紙に登場させるような目玉商品ではないのです。
にもかかわらず看板商品に持ってきたのは、おそらくこの3年間プッシュしてきたナチュラルウッドデスクが思ったほど売れなかったからではないかと思います。
その点については後述するとして、こちらのフリースタイル学習デスクについて論評しますと、せめて「可もなく不可もなく」くらいに言えれば良いんですが、それすら難しいというのが率直なところです。ニトリの「くみあわせデスク」のほうが価格が安くてワゴン天板も昇降式ですし、大商産業の「3DデスクMWD-517A」なら引出し全段フルスライドレールで天板はMDF合板ではなくラバーウッド(ゴムの木)です。
ちなみに、フリースタイル学習デスクを作っているのはたぶん静和貿易(旧・静和YBJ)で、そうするとマレーシア製じゃないかと思うのですが、すいません、ちょっと確かとは言えないです。
完全受注生産!?ナチュラルウッドデスク
さてお次は、一歩後退した感のある「ナチュラルウッドデスク」です。堀田木工所(hotta woody)が広島県で生産しており、以前はイオンも「プレミアムデスク」なんて言ってましたが、イオンの中ではプレミアムではあるものの、国産学習机の中ではプレミアムとは言えないためか、そういう表現はしなくなりました。
ナチュラルウッドデスクの材質は、堀田木工所の他の学習机と同じくアルダー材の自然風塗装です。木の風合いが良く、国産でも価格が抑えられるのはメリットですが、キズや汚れには弱いのが難点です。
その点で問題なければ、堀田木工所には学習机のラインナップが豊富にありますから、なにもイオンで買う必要はないです。ナチュラルウッドデスクに似たところで言えば「フレンド」というデスクもありますし、価格もフレンドのほうが安いです。
ところで、堀田木工所がイオンに学習机を卸すようになって、てっきり左団扇かと思っていたのですが、現実はそう甘くはなかったようです。前述の通り、看板商品から引きずり降ろされてしまいましたし、店頭で見ると「完全受注生産」と表示されているのです。
GMS最大手のイオンの全国の店舗で販売されるわけですから、てっきり堀田木工所はせっせとナチュラルウッドデスクを作っているものだと思っていました。しかし、完全受注生産ということは売れてから作るということで、それほど発注がないことを意味していると思われます。
もっとも、イオンの店舗数が多すぎるため、一度に注文が来ると在庫でまかなうことができず、その断り文句として「完全受注生産」として表示している可能性もあるのですが、それだけだったら看板商品から降ろされることはないでしょう。
カタログから消えた!カスタマイズシリーズ

出典:イオン
2017年度の新商品かつ看板商品だった「カスタマイズシリーズ」は個人的には素敵だと思っていたのですが、2018年度はカタログから消される憂き目に遭いました。ナチュラルウッドデスクと言い、イオンで扱う価格帯ではなかったということでしょうか。だからこそ、2018年度のカタログ表紙は「できるんデスク」復活となったと考えると辻褄が合います。
とは言え、カスタマイズシリーズは廃番ということではないようです。カタログからは消えましたが、店頭には「完全受注生産」と表示されているものの展示されていますし、ホームページでは”掲載商品の有効期間は2018年2月28日(水)まで”と記載されています。
それでも、カタログから消えてしまえば、堀田木工所としては売上減は必至。「イオンで買おうと思っていたのに買えなくなったらどうしよう!?」という方もいらっしゃるかもしれません。
でもご心配なく。そこは堀田木工所もちゃんと考えてくれています。イオンのカスタマイズシリーズに外観がそっくりな「トリップ」というシリーズを他の家具店で販売しているのです。
イオンのカスタマイズシリーズと堀田木工所のトリップは、基本的にサイズも価格もほぼ同じです。いずれもオプションの扉が用意されているという点も似ています。一方で、デスクの脚形状や棚板の形状が若干異なるとともに、トリップにはローシェルフがありません。そこだけが注意点です。
ほかにもイオンには、「コンパクトリビングデスク」やベーシックな「学習デスクSVC-1820-NA」もありますが、これらも特に評価できる点はないですね。
しかし、堀田木工所はイオンでガッチリかと思ってましたけど、どうもそうではなかったということには驚きました。てっきりイオンなら、馴染みのオバサマが「ちょうど机が欲しいと思ってたのよ。あら、国産でこの価格?安いじゃない。」とか言って買っていくこともあるんじゃないかと思いましたが、世の中そんなに甘くはないんですねー。
さて、イオンの学習机には「アタラシイ未来」があるのでしょうか。2019年度に期待したいと思います!
2019年度のイオンはこちら

【コメント】 皆様からご質問・ご意見など