早いもので、3月も残すところあと1週間です。来週からは4月に突入します。
この春にお子さんが小学校や中学校にご入学予定の方や、進級されるという方が多いと思います。かく言う私の子供たちも4月から高校生と中学生。子供が成長するのは本当に早いものですね。
今年は新型コロナウィルスの流行で卒園式や卒業式が予定通りにおこなわれなかったところが多いと思います。入学式や始業式もどうなるかと心配されている方がたくさんいらっしゃるに違いありません。
それはとても残念なことですが、だからこそ様々なかたちで子供の成長を祝ってあげたいものですね。私からも改めてお祝い申し上げたいと思います。ご入学、ご進級、おめでとうございます。
さて今回は、学習机シーズンもそろそろ終わりということで、2020年度の学習机シーズンを振り返りつつ、2021年度に向けて所感を述べさせていただきたいと思います。
2020年度学習机商戦まとめ
機能性よりも「映え」重視が加速
これは決して今年度に始まったことではなく近年顕著になっていることですが、学習机の材質や機能に関するご質問が減ってきています。逆に、ご質問からは色やデザインに対するこだわりが強く感じられるようになってきました。これは従来よりも見た目を重視し、インスタグラム風に「映え」を意識されている方が増えているからだと思います。
機能性という点では、奥行55cmのデスクに対する抵抗も少なくなってきたように感じます。というか、そもそも奥行に関する質問自体が減ってきました。一方で、学習机を含む家具のレイアウトに関するご相談が増えてきている印象です。
無印良品の無垢材デスクが人気

出典:無印良品
インスタグラムをチェックしていると様々なメーカーや販売店の学習机を見ますが、中でもたびたび目にするのが無印良品の「オーク無垢材デスク(引出・足元棚付)」(上写真)です。発売からちょうど一年が経ち、世間の認知が進んでいるのでしょう。
新しいオーク無垢材デスクはデスク+ワゴン+上置き棚の3点セットで税込5万円を切るお手頃価格に加え、シンプルなデザインで、SNS上で共通の話題にしやすいところが受けているのだと思います。
ペイペイ旋風でY!ショッピングにシフト?
今年度顕著だと感じたのは、Yahoo!ショッピングでの購入を検討しているという方が結構多かったことです。たった数年前まではネットで学習机を買う人なんてほとんどいなかったのに昨年度あたりから増えてきて、さらに今年度は楽天市場よりもYahoo!ショッピングを選ぶ方が増えてきたのかなという感じです。
こちらではあまり実感を伴うデータがないものの、Yahoo!自体は「amazonと楽天市場の背中が見えてきた」とか「このまま一気に抜くつもり」と申しております。それはさすがにないだろうと思うのですが、PayPay(ペイペイ)を使っている人が増えていることは間違いないですし、メッセージアプリで断トツのシェアを持つLINEを統合することで、Yahoo!ショッピングにお客さんが流れることは間違いないと思います。
2021年度シーズンに向けて
新型ウィルスが物流に影響?
新型コロナウィルスの影響かどうか、今年に入ってから学習机の納期がかなり遅れることが増えています。中国で作られている学習机はもちろんのこと、国産でも学習机の材料は海外に依存しているので、納期の遅れはしばらく常態化するかもしれません。
オリンピック&パラリンピックの開催も来年に延期されたということもあり、物流や景気にしばらく振り回される場面が続くのではないでしょうか。
2021年度も新型モデルは期待薄?
2019年度を最後にイトーキが家具販売店の多くから撤退したこともあって、2020年度は新型デスクよりも廃番になったモデルのほうが多かった印象です。少子化などに伴い学習机市場が縮小しているからで、2021年度も同じような傾向になると思います。
加えて昨今の新型ウィルスの流行です。海外の工場のオペレーションも乱れますし、今の段階では新作デスクの展示会も開けるかどうか分かりません。取引先の家具販売店に展示会に足を運んでもらって受注を取り付けないことには新型デスクの生産に入れませんから、メーカーとしてもリスクを取らない方向に進むでしょう。
というわけで、ただでさえ厳しい学習机市場にとって、現時点では明るい話題は皆無に等しいです。消費者としてはメーカー倒産品処分セールや家具販売店の閉店セールを期待しても良いくらいかもしれません(苦笑)
しかしながら、私はそれほど悲観的になる必要はないと思っています。長年、収納のプロをやっていると、景気が悪くなるにつれ人間の意識は外よりも内に向かうことを知っているからです。メーカーも販売店も上手に素敵なライフスタイルを消費者に提案し続ければチャンスはあると思います。
なお、例年であれば新年度の学習机カタログの配布は概ね8月以降ですが、今年はどうなることかサッパリ分かりません。分かり次第こちらでお伝えして参りたいと思いますので、楽しみにしていただければと思います。
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【コメント】 皆様からご質問・ご意見など
収納マン様
いつも記事拝見させていただいています。
奥行60はある学習机を探しています。初めはニトリのメルシーで手軽にと考えていましたが、やはり奥行60は欲しいと思い、イトーキのコファーノかコイズミのビーノで悩んでいます。デザインやランドセルフックが気に入って出来ればビーノの方がいいのですが、値段が…上棚は必要になったらで机とワゴンだけを考えています。ビーノの学習机にコファーノワゴンだと見た目もサイズがピッタリ合いませんか?ビーノの方がワゴンも高くて…ワゴンはイトーキの方が良いようにも思いますが、足ものにくるのでサイズが合わなければダメだなと…
宜しくお願いしますm(_ _)m
マニマニさま
はじめまして^^
机の奥行はやっぱり60cmあると安心ですよねー。
それでイトーキのコファーノかコイズミファニテックのビーノが候補に挙がっているということですが、ビーノのデスクにコファーノのワゴンというのはサイズはともかく、色や木目は合わないと思います。
コファーノのカームナチュラルはグレーが強い感じですし、ナチュラルホワイトはかなり白っぽいです。
黄色が強いビーノとは色ツヤが違ううえ、木目の感じも異なります。
ビーノのワゴンはコファーノと比べて楽天市場などでは5千円くらい、約30%ほど高い計算ですか。
確かに絶対値としてはビーノのほうが高価ですし、コファーノは引出し2段目が少し深くて使いやすいというメリットもあります。
対してビーノはワゴン天板や引出し前板は天然木、引出し内部材も白塗りの桐ではなく割りとキレイな桐、スライドレールも全段フルオープンです。
約30%の価格差では済まないくらいのスペックで、コスパはむしろ良いと思います。
つまるところ、今回の場合は天然木であることを重視するならビーノ、それよりも予算を重視するならコファーノという感じになると思います。
もちろん、それぞれ色合いが違うので、好みで選ぶというのもアリです。
ご参考になれば幸いです^^
ご回答いただき、ありがとうございます。やはり色合いも合わないですよね(^_^;)金額は少し高くなりますが、コスパはコイズミの方が良いとのことなので、コイズミビーノの考えようかと思います。ありがとうございましたm(_ _)m
マニマニさま
ビーノはコファーノより価格は高いですが、それに見合う満足感が得られると思います。
お届けが楽しみですねー^^
収納マン様
今年1年生になる息子のための学習机を検討しており、記事をかなり参考にさせていただきました。丁寧でわかりやすい記事をありがとうございます。
色々吟味した結果、机は浜本工芸さんのNO9にほぼ決まりかけています。ただ、どうしても学習椅子をカリモク家具さんのクレシェ(TX2401)にしたと考えているのですが、この2つを組み合わせて使うとしたら問題があるでしょうか。色味の違いいなどで違和感がありすぎたり、寸法が合わずにかなり使いづらかったりした場合は椅子も浜本工芸さんのものに決めたいと思っております。コロナの影響でいまだ外出の自粛が必要な地域におりまして、現物を見る機会がとれず悩んでおります。ご意見をお聞かせ頂ければ幸いに存じます。突然の質問で恐縮ですが何卒よろしくお願い申し上げます。
プップルさま
はじめまして^^
浜本工芸のNo.09デスクにカリモク家具のクレシェ、素晴らしい組み合わせですねー♪
ただ、組み合わせに一抹の不安があるというのも分かります。
まず第一に、No.09デスクの幅が110cmでないとかなりギリギリです。
あと、色はナチュラル色に合わせるならピュアビーチ、ダークオーク色ならモルトブラウン、カフェオーク色ならモカブラウンでしょうか。
材質もツヤもちょっと違うので、気になると言えばその通りだし、慣れればどうってことないと言えばそんな感じもします。
個人的には十分アリだと思うんですけど、そこは個人差があると思います^^;
早速のお返事ありがとうございました!
机の幅100か110かも悩みどころだったのでアドバイス頂けて良かったです!
ちなみに、浜本工芸さんのNo.9に合わせる椅子は浜本工芸さんの学習椅子であればどの椅子でも問題はないでしょうか?
また、収納マンさんとしてはカリモクさんの椅子と浜本工芸さんの椅子では、の全般的な印象ではどちらのほうがより学習椅子としておすすめですか!?人によってどの点を重視するかは変わってくると思うので一概には言えないと思いますがザックリとでも教えていただけたら嬉しいです。これで伺いたい事は全部です汗
たくさんすみません汗
プップルさま
スペースに余裕があるなら机は110cm幅のほうがベターです。
椅子の選択肢の幅も広がりますし、天板面もゆったりしますからね^^
No.09デスクには浜本工芸の学習椅子のほとんどをセット可能です。
逆に合わせられないのは、カタログモデルでは天板昇降デスク用のDSC-4100だけです。
カリモク家具と浜本工芸の学習椅子の印象は、個人的には以下のように感じます。
カリモク家具=インテリア性重視、大人になってからのことを重視したサイズ感
浜本工芸=実用性重視、子供が使いやすいことを重視したサイズ感
ざっくり言うと浜本工芸のほうが幅がコンパクトな椅子が多いですよね。
机への収まりは良いですが、体格が大きくなるとちょっと座面幅が狭く感じられるかもしれません。
ただし、椅子は消耗品と考えると、体格に合わなくなった段階で買い替えればOKです。
逆にカリモク家具のほうはゆったりした椅子が多くて、子供にとっては机に収めにくく、体格に見合う頃には椅子が傷んでしまっている可能性があります。
ただまあ、カリモク家具クラスならそうそう壊れるもんじゃありませんから、回転チェアが良いとか好みの問題が生じなければ買い替える必要性は低いでしょう。
そんなわけで、ここはご両親の戦略次第と言えるんじゃないでしょうか^^
またまた的確なアドバイスありがとうございます!
カリモクの椅子も捨てがたい所だったのですが、やはり今一年生の息子の使いやすさを考えて浜本さんの9番と浜本さんの椅子で揃えることにしました!
そして早速島忠に電話して見積もりをとったのですが、島忠には浜本工芸さんのオリジナルモデルがあるとのことで、No.9にさらにランドセルフックなどのオプションがついて、お値段はNo.9よりお安いとの説明でした…
オプションがついているのにお安いということで、素材に差がついているのではと疑心暗鬼になっているのですが、島忠オリジナルのSSD-09でも、No.9と作りや素材などは同じなのでしょうか??
先程質問は最後と申しましたのに申し訳ありませんが、教えていただけますでしょうか涙
プップルさま
島忠ホームズ版No.09デスク=SSD-09がカタログモデルよりも安いのは、決して等級の低い材質を使っているというわけではありません。
島忠ホームズ版の価格はちょっと覚えていないのですが、ファニチャードームで販売されている同型の価格を見ると税込84,040円。
対してカタログモデルは税込定価で101,200円となっています。
この場合、ランドセルハンガーを別とすれば約17%引きとなります。
こんなことをここに書いちゃたらマズいかもしれませんけど(苦笑)、おそらく島忠ホームズでカタログモデルを取り寄せると普通は10~15%引きがマックスだと思うんです。
それで言うと、ランドセルハンガーがついて約17%引きのオリジナルモデルというのは安いと言えます。
しかし、世の中にはそれよりも大きな割引率で販売する家具店が存在するのも事実です。
つまるところ、SSD-09の売価というのはシマホが利益を確保するためのギリギリの落としどころと言えるでしょう。
楽天市場などでもポイント還元を含めると20%引き以上になるところはあります。
しかしながら、やはり安心感を求めるならお近くの家具店で購入するのが一番です。
ネットで買って、そことは直接関係ない配送業者が机をぶつけて壁紙にキズ付けたら、だれが責任を追及すれば良いのか分からなくなってしまうことがありますから。
ちょっと話が逸れてしまいましたが、デスクに関してはランドセルハンガーがプラスされているだけのはずです。
ただし、バックパネルをセットする場合は注意が必要で、コンセントが付くだけでなく、上段の棚板はトレー状になります。
昨年度のホワイト色ですが、こちらをご参照ください。
収納マン様
島忠ホームズオリジナルも材質に問題は無いことが分かりとても安心致しました!
島忠さん他販売店さん達の内情にまで踏み込んだお答えを頂き、かなり納得感がありました!!!
ここまでしっかりとしたアドバイスが頂けて本当に有り難かったです。
これまで約1年悩み続けた学習机探しの旅も、浜本工芸さんの机と椅子に決まり、ゴールを迎えられそうです…..!!!
コロナの影響もありくじけそうになっていました。収納マン様のこのようなアドバイスが聞けなかったら、もしかしたら小学校高学年まで机の購入は先延ばしにしていたかもしれません。本当に感謝です。頑張っている息子に最高のプレゼントが出来そうです!!!!!
この度は本当に本当にありがとうございました!!!!!!!心より御礼申し上げます^_^
プップルさま
コロナ禍で実物を見れない中、不安なことが多かったと思います。
それでもプップルさんのお眼鏡にかなう机が見つかったことは本当に良かったですね!
お疲れ様でした^^
こんにちは。
子どもの学習机を検討しているさくらと申します。
我が家の好みは収納マンさんが言うところの「コッテリ系」です。リリージョンのグリスフランセーズやカリモクのカリーシルが候補に上がっておりますが、子どもが男の子なのもあり、ダークカラー系を探しています。イトーキのウットフォークも候補にいますが、以前見たウットフォークは天板の手触りや引き出しのスムースさは良かったものの、コッテリ度wと色が少し好みから外れるのもあって決め手にかけています。
そこで、いっそオーダーしようかなと思っております。うちのようなコッテリ系はオーダーに流れることが多いようですが、そういったところはほとんどがパイン材なんですよね。なので、素材を指定できる工房でのオーダーを考えているのですが、その際の注意点などはありますでしょうか?
机のサイズは100cm×60cm、素材は天板にナラやオークを使ってテカテカしない程度のウレタン塗装、その他を狂いが出にくくてお手頃な木材とか集成材にしようと思っています。色はまだ未定ですがおそらくバターミルクペイントあたりで塗りつぶすので木目はあまり気にしません。机は上棚がない平机にレールつきの引き出しを2杯。引き出しワゴンはつけず、机の左右に机と同じデザインのハイタイプの本棚を置こうかと。引き出しに入れる書類は本棚に入れれば事足りるかなと思うのですが、どうでしょうか?
お時間あるときに相談に乗っていただけたら幸いです。よろしくお願いします。
さくらさま
はじめまして^^
コッテリ系の机をお探しですか!
以前はイトーキに「1962」というのがあって私はすごく気にいってたんですけど、もう終売になってしまったようです。
【参考】https://desk.shunoman.com/itoki_1962/
この感じでビビビッと来ていただけるなら、カンディハウスの「WING LUX デスク125」あたりも良いと思うんですよね。
ただ、机って幅が大きければ大きいほどデザインにはこだわれるのですが、100cmくらいだと違いが出せないんです。
それだったら普通に浜本工芸やカリモク家具で選んだほうが品質面でも安心できるしコスパも良いと思います。
もし工房でフルオーダーされる場合は、銘木を中心に扱っているところを探す必要があります。
「銘木もできます、なんでもできます」と言うところは木の扱い方が怪しいので、のちのち反ったり割れたりする可能性があると思います。
また、銘木を中心に扱っているところでないと、材料費が高いと思います。
あと、欲を言うと、椅子を作れる技術力があるところが良いです。
食器棚やテレビボードといった箱物家具ばかり作っている工房が机を作ると、デザインもへったくれもない、お父さんが日曜大工で作ったような机になりかねません。
机って簡単な構造に見えて、ともすればただの箱のようなデザインになったり、逆にデザインにこだわると前後左右に揺れやすくなってしまうものなのです。
いや、でもフルオーダーしたらどんな素敵なものができるか楽しみですねー^^
その暁には是非、写真を撮って送ってください♪
ご返信ありがとうございます。
銘木をメインに扱っていて、椅子も作れるところですね! うーん、お願いしようと思ってるところ、テーブルやデスクメインの工房で椅子も作ってますが銘木メインではなかったかも…。レッドパインやオークを扱っていてハードメイプルなどには吸い付き桟などを施してありました。でも銘木をペンキで塗りつぶしたら怒られないかなw もしオススメの工房さんあれば教えてください。
イトーキの1962も素敵ですがコッテリとはまた違いますね。ろくろ脚じゃないですしw 机を置くスペースは横幅に余裕があるので、ろくろ脚じゃなければ両袖机とかでもいいんですけども。
ちなみにリリーホワイトの記事も読ませていただいたのですが、あそこと比べるのであれば
モビリグランデとか
ヨコタウッドワークあたりが近い気がします。
役員室デスク・高級書斎机・学習机・パソコンデスク。
オーダーメイド家具・特注家具、各種承ります。
しかしこの手のデザインはみんなパインなんですよね。
キッチンファニチャーが由来だからでしょうか。
あとフランスじゃなくてイタリアだし大きいですが、松永工房もリリーファンは好きそう。
マルニの地中海も可愛いのですが、本棚を置いて収納を確保してもさすがに小さいかな…。
などと色々悩んで結局オーダーにいきそうです。。。
さくらさま
いやいやいや…めちゃぐちゃお詳しいじゃないですか^^;
そうするとこれは釈迦に説法かもしれませんが、装飾性のあるデザインの家具にパイン材を使うのは軟らかくて加工しやすいからです。
オークやメイプルを加工できるというのは高価な刃を使い、優れた加工技術があるという証明になります。
もちろん、塗装のことも熟知しているのではないでしょうか。
私が紹介してもらいたいくらい、良い工房だと思いますよ^^